──なるほど。そして、メンバー全員が作詞・作曲できるにも関わらず、新曲「君のせい」はプロのヒットメーカーの方の楽曲でしたよね?自分たちが作ったものしかやりたくないとうようなこだわりはないんですか?
ないです。曲を聴いて、いかにその曲をよくするかということで自分のベースを考えていくので、やることは変わらないですから。
“いい曲”だったら、別にメンバーの曲じゃなくてもいいのかなと思います。
私もそう思います。私は、自分が作った曲は、いつも通すぞと思って書いていて。
SORAMIMIはコンペ形式でどの曲を採用するかを決めてるんです。メンバー4人が書く曲プラス、外部のプロの作家さん。その中でコンペが開かれるんですね。
──それを勝ち抜いた結果、今回のタイトル曲は外部の作家さんの楽曲で、C/W(「平行線」)にはtmtmさんの曲が収録された、と。
そうです、そうです。だから私は(収録されたので)不満はないです(笑顔)
その前に出したミニアルバム『ハナビラ』でもtmtmが書いた「ハナビラ」がリード曲に選ばれてたしね? だから、tmtmは一人だけがっぽりと。冗談ですけど。
ウキャキャキャ(笑)
でも「ハナビラ」は惜しくも歌詞は却下になって。歌詞は YAKAが書いてるんです。
「ハナビラ」は歌詞がいいね〜(笑)
そう! 私もそう思うんだ。
歌詞に助けられてさらにいい曲になったと思うだよね(笑顔)
って、こういうことも普通にいい合える仲なんです(微笑)。でも、今回の「平行線」は歌詞を採用してもらえたので、ちょっとは成長したのかなと。
だって、前のがひどかったからね(笑)
自分の中に入り込んで書いたような歌詞だったからね。
“聞こえてくる、生物たちのエナジーが”みたいな歌詞だったんですよ(一同笑)
エナジーってなかなか出てこないよ。
だから、原曲は「生物のエナジー」っていうタイトルにしてたんです(笑)。それが「ハナビラ」に生まれ変わって。ライブで演奏すると毎回うるっときちゃうようなものに大変身したんですよ。YAKAのお陰で。
なので、収録曲は個人個人の“曲を書きたい”“これを入れたい”という思いよりも、会社のような感じで。コンペのなかで選ばれたものなので、誰が書いた曲だとか関係なく、そこで残ったものをやるという感じで。
ようは、自分の曲をやりたければ「プロに負けない、もっといいものを作れ」とういことです。
──つまり、ソングライターとしても各々がプロの水準まで成長するためのコンペ形式である、と。
まさにそういうことです。
だから、コンペ形式があってよかったなと思ってます。自分で判断するのって難しと思うから。
主観が入っちゃうからね。でも、ダメなものはダメと厳しくいってもらった方が、本人も成長すると思うんで。
──では、改めて新曲「君のせいで」の聴きどころは?
これはサビメロがかなりキャッチーになってると思うんですよ。1回聴いただけで耳に残って口ずさんでしまうような覚えやすさがあって。曲はさわやかなんですけど、歌詞は私が書いたんですが。ちょっと切ない感じにして。いままでのSORAMIMIの楽曲とは違って、同年代の女の子が“分かる分かる”といってくれるような曲を目指して書きました。なので、特に女の子は歌詞にも注目してもらえたらなと思います。
あと、去年から楽器隊3人で歌のレッスンを受けるようになって。
今までだったら主メロに対して、1本ハモりがあるというパターンが多かったんですが、「君のせい」は3声のコーラスで、全員で歌ってて。
歌に厚みが出せるようになったんですよ。
そこも聴きどころだと思います。みんな自分の歌にちょっとづつ自信が持てるようになってきたから。
積極的にコーラスをやるようになって。
いままでだと「ここのコーラス誰ができる?」って。
「私、そこ忙しいからちょっと無理」って(笑)
でも、忙しいながらも歌えるようになろうとそれぞれが努力をした結果が、「君のせい」のコーラスには表れてると思います。
私、「君のせい」のギターソロがすごい好き! 泣いちゃいそうになる。
曲のストーリーを考えて、自分の心境をギターで歌ってるようなソロが好きなんです。
──ではC/Wの「平行線」。こちらの聴きどころは?
私って、ファンに勝手に子供扱いされていて。
小学生ぐらいに思われてるよね。1回ブチ切れてみたら?(笑)
次のワンマンぐらいでね。そこをまずは曲で覆してやりたいなと思って。私=ドラムをドコドコやるのが好きっていうイメージも覆したいなと思って。この曲は私が作った曲だからドラムがメインになるのかなと思いきや、こんなしっとり大人っぽい曲なんだと。そこを狙って作りました。あと、ワンマンライブのときにYAKAちゃんが山口百恵さんの「プレイバックパート2」をカバーしたら、すごいそれがよかったんですね。明るい歌声もいいけど、こういう…深刻な歌っていうような?
YAKA、Juna、UNI 深刻な(笑)
その歌い方がカッコよくて。YAKAちゃんに深刻に歌ってほしいなと思って「平行線」を作りました。
もっとこういう曲増やしたいね。私はSORAMIMIに入っていまのポップで明るい歌い方ができるようになったタイプで、入る前は深刻な歌い方だったんです(笑)。そっちの歌い方も好きだから、この曲はじつはすごい歌いやすかったですし、歌うのも楽しかった。