梓川、アウトプットの振れ幅が感じられる2ndアルバム『端子』、2nd ONE-MAN LIVE「POAT_A」の話を聞いた【前編】

インタビュー | 2025.05.14 12:00

2ndフルアルバム『端子』を完成して

──梓川さんは2024年3月に1stフルアルバム『Shifter』をリリースし、そこから約1年3ヶ月というインターバルで2ndフルアルバム『端子』を完成させました。『端子』は『Shifter』を経ての発見や願望が反映されているのかなという印象を受けましたが、いかがでしょうか。
梓川『Shifter』は1stフルアルバムだったこともあって、「自分のアルバムなんだからもうちょっと自分のやりたいことを優先してもいい」ということに気づくまでに時間が掛かっちゃったんですよね。楽曲制作は自分の大好きな人たちにお願いしてるので楽曲そのものの仕上がりは信用しているんですが、最終的に皆さんに届く音は自分の望むかたちであってほしいというエゴがあるんです。
──だからご自分でボーカルミックスをなさっているんですね。
梓川凝り性なんですよね。インストは信頼してお任せしているんですけど、ボーカルの広がり方や、オケに対してボーカルの成分が何%乗っかるのかとか、ボーカルに関することは綿密に意見交換をしました。『Shifter』の最後に収録している「パラノイア」は僕が作詞作曲をしていて、あのアルバムで最後にできた曲なんです。自分のやりたいことを詰め込んだ結果すごくお気に入りの楽曲になったので、「自分の信じるものをそのまま出力したらいいものになるのかもしれない」と思えたんですよね。

2024年9月にリリースした「東京心中」

──そしてまず、2024年9月に平田義久さんの提供曲「東京心中」をリリース。梓川さんは同曲について、ご自身のYouTubeラジオで「“梓川 phase 2”を象徴する楽曲」とおっしゃっていました。
梓川結果的にそういう位置づけの楽曲になりました。実はもともと、1stアルバムに収録するつもりで平田さんにオファーをしたんです(笑)。
──最初に平田さんにオファーしたのは2022年12月だそうですね。平田さんのスケジュールが合わず2年越しに実現に至ったと。
梓川平田義久というクリエイターと何かをしたいという思いが強くて、初めてクリエイターさんと綿密に意見交換しながら楽曲制作をしました。平田さんが僕のボーカルワークやセンスを信用してくださってることが会話の中から伝わってきて、細かくキャッチボールをしながら1曲を作り上げていくという体験がすごく楽しくて尊いものになったんです。「協力しながらひとつのものを作る」という面白さを初めて実感できました。

東京心中 / 梓川【Official Music Video】

──となると「東京心中」の制作によって梓川さんの表現欲求にブーストがかかって、『端子』の12曲が生まれたということでしょうか。
梓川間違いないと思います。「東京心中」の展開は平田さんが僕の意見を汲んでくださってああなったんですよね。人と作ることがこんなに楽しいなら、初期からもうちょっと人を頼ればよかったな……と思いました(笑)。
──その結果『端子』は各クリエイターの個性と梓川さんの旨味が結合した、非常にカラフルなアルバムになりました。
梓川「結果的に自分が歌うんだから、どう足掻いても梓川の色が出るだろう」という根拠のない自信があって。それを引き出すためにも、力まずにカジュアルに制作を楽しむことを大事にしました。というのも「いい歌を歌うぞ!」と力いっぱいに臨んだテイクよりも、自分の好き勝手歌ったテイクが採用されることが今までに結構あったんです。だから『端子』はそういうスタンスを最優先しましたね。

先行配信リリースした「Disco FLO」

──先行配信された春野さん提供曲「Disco FLO」も、肩に力の入っていないつぶやくようなボーカルがアクセントになっています。
梓川春野さんに「僕で何をやりたいですか?」とメッセージを送ったら、「あずーさ(梓川)でディスコがやりたい」という返信が来て。確かにディスコは今までやったことがないな、面白い!とその提案に乗っかりました。春野さんの歌い回しがすごく好きで憧れていたので、ボーカルディレクションをしてくださってアツかったですね。直接伝授していただいたテクニックが曲の中に盛り込まれていて、R&Bの歌い回しも勉強になりました。春野さんは器用なところもあるけど、楽曲に春野さんの匂いがちゃんとあるんですよね。

Disco FLO / 梓川【Official Music Video】

──『端子』で楽曲提供をお願いしたクリエイターさんは梓川さんが敬愛している方々だと思うのですが、それ以外の人選基準はありますか?
梓川自分で歌っていない方、書き下ろしをたくさんしている方を中心にお願いしました。僕もボカロで曲作りをすることがあるので、ボカロで曲を作る方は「この声にはこういう曲を書きたいな」と声のイメージから制作に入る人が多い印象があるんですよね。だからその感覚を梓川にぶつけてもらいたかったんです。ボカロにしても楽曲提供にしても、声を活かした楽曲のアプローチに長けている方にオファーをしました。

次週公開予定の【後編】では、引き続き2nd Album『端子』の楽曲について、2nd ONE-MAN LIVE「POAT_A」に向けてお話しいただきました。合わせてご覧ください!

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