──今年の伊藤蘭さんのコンサートツアーは、8月25日のフェスティバルホール(大阪)より、来年1月25日の東京ガーデンシアター(有明)公演まで、全国9ヵ所を回るコンサートツアー『伊藤 蘭 ~Over the Moon~ コンサートツアー 2024-2025』が開催されます。
今回は、これまでもやってきたキャンディーズの楽曲と、ソロの楽曲を半々ぐらいで披露するステージになると思います。キャンディーズの曲については、そのうち何曲かを、リアレンジして披露する予定です。また、やったことのない曲も新たに加えていますので、どうぞご期待ください。
──先立って、5月29日にEX THEATER ROPPONGIで行われたプレミアムライブ『伊藤蘭 Special Premium Live ~Don’t Stop The Music!~』では、吉田拓郎さんが作曲された「やさしい悪魔」と「アン・ドゥ・トロワ」の2曲がかっこいいアレンジに生まれ変わっていましたね。
バンドマスターの佐藤準さんと相談して、みなさんに、違和感なく聴いていただけそうな曲、ということであの2曲になりました。どちらも少しロック度数が上がった感じになっています。最初に歌ってみた時、「振り付けをどうしようかしら」と思ったんです。初めはフリが活かせないかも、と心配でしたが、あのアレンジに慣れてくると、フリをつけながら歌うことができそうな気がしてきて、先日のステージでは自由度の高いフリでやってみました。
──そういうリアレンジが可能なのも、ソロ活動を始めてからずっと一緒に演奏やサウンド作りをしている、ツアー・メンバーの方たちとの信頼関係があってこそですね。
そうなんです。バンドメンバーは、会場によって変わることもありますが、今回も基本的にいつもと同じメンバーです。本当にいい音を奏でてくれているので、その存在はとても大きいですし、今回も期待に応えられるサウンドになっていると思います。あとは新曲が2曲リリースされましたので、そちらを聴いていただくコンサートになると思います。
──その最新曲「風にのって〜Over the Moon」は、8月21日にリリースされますが、一足早く先ほどのEX THEATER ROPPONGIでの公演で披露されました。この曲をいただいた時の思いをお聞かせください。
昨年、エッセイ『Over the Moon〜わたしの人生の小さな物語』を発表したのですが、この際に出会った言葉が「Over the Moon」です。素敵な言葉だと思って、このエッセイだけで完結してしまうより、もっと広がるのではないかと思って、楽曲を安部純さんにお願いしました。嬉しくて月も超えてしまう、そんな意味があります。
──安部さんは、昨年発表したアルバム『LEVEL 9.9』にも「Shibuya Sta. Drivin’ Night」という素敵な曲を書かれています。
「Shibuya Sta. Drivin’ Night」に出会った時、皆さん、おっ?と思われたでしょう。最初は私が歌って似合うかな?という不安もありましたけど、だからこそ私に歌わせてみようと思ったのかもしれない。声にエフェクトをかけるという初めての経験をして、アルバムの他の曲とは違う、その曲だけの世界観が生まれた気がしたんです。そのことがあったので、今回もいい曲を作ってくださるに違いないと思っていました。「Shibuya Sta. Drivin’ Night」は夜の街の匂いがする曲ですが、今回は同じ夜のムードでも、キラキラしていて風が吹いている心地よい感じ、のびのびと開放感のあるムードを描いてくれました。都会の雰囲気を保ちながら、それが風に乗って宇宙まで届いていくような、広がりのある曲を作っていただけたと思います。
──それでは、今回のライブに向けて、ファンの方にメッセージをお願いします。
私のライブは、少しずつですが若い方達も増えてきているようで、客席にもチラホラいらっしゃっているようです。女性のお客様も混じってきたり、お客様の層も幅が広がってきているように思います。その意味では、キャンディーズ世代をお過ごしの方たちは、もうお子さんもいらっしゃる方が多いかと思いますし、せっかくなら親子で、ご夫婦で、お誘い合わせの上、お集まりいただけたら嬉しいですね。日頃、奥様に「なんでいつもランちゃん、ランちゃんって言ってるの!」なんて言われている旦那様も、「一度行ってみようよ」と声をかけてください(笑)。きっと楽しんでいただけると思います。