フィルフリーク、「耐える1年」を経て、バンド最大キャパとなるLIQUIDROOMワンマンに挑む

インタビュー | 2023.12.14 20:00

男女ツインボーカルの4人組バンド、フィルフリークが2024年1月15日(月)、東京・LIQUIDROOMでワンマンライブを開催する。全国ツアー「フィルフリーク LIVE TOUR 『0024』」のファイナル公演として開催されるこのライブは、キャリア史上、最大キャパ。4人にとっても大きなターニングポイントと言えるだろう。
 昨年11月にメンバーの小竹巧(Gt)が骨折するアクシデントに見舞われたフィルフリーク。それでもメンバーは逆境に屈することなく、サポートギタリストを入れてライブを続け、今年4月にはRenegades’ Musicの第1弾アーティストに抜擢。4月から8月にかけて13曲のデジタルシングルをリリースし、10月末からスタートしたツアーで小竹が復帰。万全の状態でLIQUIDROOMのワンマンライブに臨むことになりそうだ。
今回はメンバーの広瀬とうき(Vo/Gt)、ゆっこ(Key/Vo)、小竹巧(Gt)、ツカダユウキ(Ba)にインタビュー。2023年の活動を振り返りながら、LIQUIDROOM公演に対する意気込みを聞いた。
——2022年11月に小竹さんが骨折し、活動休止。その後はサポートギタリストを入れてライブを続け、今年4月から8月にかけてデジタルシングルの連続リリースを行いました。2023年はフィルフリークにとって、どんな年だったと思いますか?
広瀬とうき(Vo/Gt)耐える1年でしたね(笑)。配信シングルの制作もいい曲が出来るまでスタジオに篭ったり、小竹が復帰するまでの間もそうですけど、「耐えることを楽しもう」という1年だったと思います。

広瀬とうき(Vo/Gt)

ツカダユウキ(Ba)メンバーが1人欠けた状態で1年過ごすのは初めてだったし、小竹が客席にいて、ステージにはいないという不思議な感覚を味わって。ただ、そのなかで見えてくることもあったんですよね。小竹が外からフィルフリークを見ることで、新しい視点を得られたというか。8人のギタリストに手伝ってもらって、本当に助かったんですけど、「やっぱりフィルフリークのギタリストは小竹しかいない」と改めて思ったんですよね。

ツカダユウキ(Ba)

小竹巧(Gt)嬉しいです。

小竹巧(Gt)

──小竹さんはみなさんにとって、どんなギタリストなんですか?
広瀬マジメなギタリストかな。
ゆっこ(Key/Vo)ギタリストって大きく分けて2種類いるような気がして。その場でアレンジを変えたり、思い付いたことをすぐに弾ける天才型みたいな人と、音源のアレンジを守って、その通りにしっかり弾くタイプの人。小竹は後者だと思っているんですよ。フィルフリークの曲は音数も多いし、ライブでも同期の音を使ってストリングスなども入れているので、ちょっとでもフレーズを変えると、周りの音と合わなくなったり、歌いづらいということがあって。そういう意味でも、小竹がバンドを離れていた期間に改めて「バンドにとって大切な存在なんだな」と実感させられました。

ゆっこ(Key/Vo)

小竹外からバンドを見ることで、いろいろ気づけることもありました。お客さんと一緒にライブを見ることで、「この曲にはこんなに深い感動のポイントがあったんだな」と思ったり。曲がいいのはもちろんなんですけど、ライブで演奏されることで、曲のなかに熱量が表現されるというか。
──バンドにとって良い部分もあった、と。
ゆっこそうですね。私たちは壁がないとがんばれないところがあるんですよ(笑)。小竹が骨折したのは去年12月の(渋谷)O-WESTのワンマンライブの2週間くらい前だったんですけど、「中止にしないで、がんばろう」となんとか乗り切って。確かに耐える1年だったんですけど、結果、いい経験になったなと思います。
──さらに4月から8月にかけて13曲をリリース。夏には8週連続でデジタルシングルを発表しましたが、制作はどうでした?
広瀬今まででいちばん大変でした。普通、ある程度の曲数が揃ってからリリースすると思うんですけど、直前に「連続リリースしよう」という話になったんです。まず1曲目の「雨天でも結構」を2週間で完成させなくちゃいけなくて。その後も締め切りとの戦いでした。もちろんいい曲を出さなくちゃいけないので、30曲くらい書いて、そのなかから選んだんですよ。
──ソングライターとして、「フィルフリークの音楽性とは?」というテーマとも向き合ったのでは?
広瀬そうですね。僕が音楽を始めたきっかけの一つは「音楽って泣けるところがいいんだよな」と思ったからなんです。涙は悲しいときや悔しいことに流すイメージがあるけど、僕は好きなバンドの新譜を聴いたときや、ライブを観ていてもすぐに泣いちゃうんですよ。フィルフリークの曲も「幸せな涙を流してほしいな」と思いながら書いてますね。
──幸せな涙、いいですね。
広瀬僕、ホントにすぐ泣いちゃうんですよ(笑)。甲子園だったり、友達の結婚式だったり。その人のバックボーンが見えてくるとグッと来るというか。そのことは楽曲を作るときにも意識してますね。僕らのバックボーンと聴いてくれる人の経験が重なるポイントを探すというか。

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