──今回のツアーで、『祝祭』の曲を実際に観客の前でやってみて、何か気づいたこと、感じたことはありますか?
KAWAGUCHI「へだたってる僕ら」はライブをやって、自分の中でとくに印象が変わった曲ですね。作る時に苦労した曲だったんですよ。この曲を入れていいのかなって思っていたんですが、お客さんの前でやったら、届きやすかったので、これで良かったんだなって、ライブでやって確信を持てました。
──ステージ上と客席との距離が縮まっていく曲でもありますよね。
KAWAGUCHI自分ではあまり意識していなかったメッセージ性があったのかなと思いました。
EMILY確かにこの曲をお客さんの前で生で歌うのは、感慨深いなと思いました。大阪のライブで歌い終わった時に、「もう離れないでいてね」って言ったり、東京でも「離れないでくれよな」って言ったり。“コロナの3年間は嫌だったな”という気持ちが、歌い終わった後ににじみでてしまった(笑)。私もそうだし、お客さんもそうだったんじゃないのかな。ライブハウスという空間が改めて好きだったなって思いました。自分で書いた歌詞なのに、歌っていて改めてじんわり来ました(笑)。
──「とりあえず、生!」もライブで聴くと、さらに楽しさが増しますね。
KAWAGUCHIこの曲は予想通りというか、想定通りな感じでした。
EMILY声出しがオッケーになってきて、この曲はみんなでやっていると、楽しいですよね。一瞬で楽しい空気に変わる曲になりました。
KAWAGUCHI僕たちはお酒が好きなので、お酒に関する曲を各アルバムに結構入れていたんですが、コロナの真っ只中に出した『SURVIVOR』というアルバムには、入れてなかったんですよ。あとから気がついたんですが、世の中のムードと合ってるんだなって思いました。
EMILY飲めない時はそういう曲は作れないもんね(笑)。
──観客を前にして歌い奏でることで、さらに本領発揮する曲がたくさんあるなと感じました。
KAWAGUCHIバンドサウンドで作った分、2人でやるときにどうやってやろうかって、始まる前は予想できないところもあったんですが、いざツアーが始まってみると、ライブでやりやすい曲が意外と多かったというか、このアルバムが自分たちの戦力になったと感じています。
──「夜をこえて」もライブ会場観客全員で一緒になって夜を越えていけそうな曲です。
KAWAGUCHI「夜をこえて」は最初から野球場で流れることをイメージして、ライブを意識せずにガチガチのバンドサウンドで作った曲になんですよ。ライブでどうなるのかなと思っていたんですが、今は2人だけでも好き勝手にできる曲になりました。今年の上半期のライブで、EMILYは「夜をこえて」をほぼまともに歌っていないですね(笑)。
──夜をこえていくパワーがしっかり伝わってきます。
EMILY賑やかしの曲になっていますね(笑)。
──11月の恵比寿LIQUIDROOMに向けて、現時点でイメージしていることはありますか?
KAWAGUCHIO-nestで手応えをつかんだところはあったので、今後、バンドセットでやる機会もあるんだろうなと思っています。恵比寿LIQUIDROOMに関しては、もう1人ギターがいてもいいのかなとも思っているので、メンバーの追加もありえます。
EMILY特別ゲストは呼ぼうということも考えています。
KAWAGUCHIまだ構想の段階ですが、4つくらいにコーナーを分けてやるのもいいかなと思っています。バンドでやるコーナー、僕たち2人だけでやるコーナー、ゲストに参加してもらうコーナー、あとは、今作っている作品があるので、オケを入れて、新曲を披露するコーナーがあってもいいのかなって。
EMILYサラッと終わらないようにして、お客さんが目一杯楽しめるライブにしたいと思っています。
──楽しさを会場内で共有できるところも、HONEBONEのライブの大きな魅力ですよね。O-nestでも、EMILYさんが“お客さんの声に励まされて、元気なころの自分を思い出した”というMCをしたあとに歌った「リスタート」、とても感動的でした。
EMILYコロナ禍の後半にガクッと落ち込んじゃったんですが、野外ライブでお客さんの声を聴いて、“がむしゃらに頑張るしかないでしょ”っていうモードになれたんですよ。新人みたいな気持ち、“ゼロからスタートするんだ”という気持ちですよね。今思っているのは、ライブは楽しいものだということと、私たちがライブを楽しいものにするべきだということですね。そのためのはクオリティをもっともっと上げるべきだし、ライブの楽しさをお客さんに体感してもらって、“また来たい”って感じてもらうことが大切だなと考えています。
──KAWAGUCHIさんは、コロナ禍を経て、思うことはありますか?
KAWAGUCHI僕個人としては、そこまでテンションは変わっていませんね。コロナの時はコロナの時で、それなりの頑張り方があったし、それなりの楽しみもあったと思っているんですよ。ただ、今年の春に野外でフリーイベントをやった時に、お客さんがすごく大きな声を出してくれたんですね。その声に引きずられて、僕たちもすごく元気なライブをやれました。そこで、ここ2、3年、コロナが自分たちの芸風に影響を及ぼしたところがあったんだなって初めて気づきました。コロナの期間は、お客さんが座った状態で、自分たちも静かな曲をやっていたんですが、野外ライブをやったことによって、昔の自分たちはもっと元気にライブをやっていたなって思い出したというか。それでEMILYとも話をして、コロナの時にはコロナの時のやり方があったし、そこを否定するつもりはないけれど、以前のような感じに戻してもいいんじゃないかという結論に至りました。そこでパッと霧が晴れたようなところはあったんですよ。なので、ここからはさらに楽しくなるしかないなと感じています。
──恵比寿LIQUIDROOMもゴールではなくて、次なるステージのスタートという感じなんでしょうね。
EMILYそうですね。少しずつ、大きな会場で観てもらえるようになったらいいなと思っています。私たちって、“目指すのは武道館だぜ”みたいなことを言うタイプではないんですよ。少しずつ少しずつ進んでいけたらと思っています。
KAWAGUCHI地道にやっていくということですよね。だから、やることは一緒なんですよ。その時々に立ったステージから見えるものがいろいろあるのではないかと思っています。
──恵比寿LIQUIDROOMに来る人に向けて、ひと言いただけますか?
KAWAGUCHI「楽しんでください」ということですね。
EMILYライブ会場でしか味わえない空気が絶対にあるので、ライブ会場に来て味わってほしいです。
PRESENT
HONEBONE サイン入りチェキを2名様に!
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