FIVE NEW OLD“WASIRADIO”連動企画。HIROSHI、WATARU、永里道人志、兵庫慎司の4人がコロナ禍のコンサート事情を語る(後編)

インタビュー | 2022.05.05 18:00

HIROSHI(Vo.G)とWATARU(G.Key)のポッドキャスト番組”WASIRADIO”に、FIVE NEW OLD等のライブ制作の担当者である株式会社ライブエクザムの永里道人志と、連載『とにかく観たやつ全部書く』等をDI:GA ONLINEで執筆中の音楽ライター兵庫慎司が出演して、それぞれの視点及び立場から『コロナ禍のコンサート事情』というテーマで語り合う。そして、後日それをテキストにもする、という、FIVE NEW OLDとDI:GA ONLINEの連動企画の後編です。この企画を行うにあたって、FIVE NEW OLDは事前に、インスタグラムで「ポスト・コロナのライブに関してどんなことを感じていましたか?」というファンからの声を募集して、多くのコメントが寄せられました。今回はその紹介から始まります。 (兵庫慎司)

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■WASIRADIO x DI:GA ONLINE 連動企画
#18コロナ禍のライブ事情ってどうなの?って話(後編)w/兵庫慎司さん 永里道人志さん

保育士の声、医療従事者の声

HIROSHIじゃあ、みなさんの声を紹介します。まず、ライブ配信の話から。この方は保育士だそうで、「予定が合わなくて行けない時、配信はありがたいので、今後も残ってほしいです」と。
WATARUああ、確かに。
HIROSHIあと、医療従事者の方からの声が多くて。
永里ああ、それは切実ですね。
HIROSHI「医療従事者なので、治療法が確立するまでライブに行けません」「行きたいけど、行くということを周りに言えない、そういう空気感がまだある」と書いている方は、非常に多かったですね。
永里それ、医療従事者の方だけではないかもしれないですね。県外移動ができないとか。
HIROSHIそういう声も多いですね。地方から観に行けないから、ツアーで地方に来てほしいという。地方の動員が減ったという話がさっきありましたけど、逆にお客さんの方からすると、バンドが地方に来てくれる機会が減ったと。
WATARUそれはそうやなあ。
HIROSHIコロナ禍で、ライブに行っている方の声もあって。「やっぱりギュウギュウでパンパンのライブが恋しいです」という声も多いです。その中で、「観客も鳴り物のアイテムとかで盛り上げたりとか、そういうことができるグッズがあるとうれしいです」という声も。
WATARUああ、鳴り物ね。
永里アイドルは、スティックバルーンみたいなのを使ったりとか、ありますね。
HIROSHIあと、逆に、こういう状況になったことによって、ライブが観やすくなったという声もあって。スタンディングよりも、座席がある会場の方が、安心もするし、観やすいと。スタンディングにしても、立ち位置が指定されてパーソナルスペースがある今のスタイルが好き、という声も多かった。
兵庫余裕があった方がうれしい人も多い、というのはわかりますよね。ギュウギュウが好きな人の気持ちもわかるんですけど。
HIROSHIそう、あの熱気でわけわからんくなって、「イェーイ!」っていうのが楽しい。それも大事ですしね。
兵庫そう、スッと非日常に入れる。一席ずつあって、おとなしく観ている時よりも。

HIROSHI(Vo.G)

人間が作っていくものって、本当に一長一短

HIROSHI逆に、スペースがあって周りの人に気を遣わなくていい方が、音楽に没入できる、っていう方もいて。あともう一個、これ、「なるほどな」と思ったんですけど、「ギュウギュウのライブハウスでよく耳にしていた、痴漢の話をきかなくなった」と。
永里ああ、皆無になった。そうだね。
HIROSHIこの視点があったか、と思った。
兵庫大きいフェスとかになると顕著なんだけど、ライブでの痴漢とスリって、お客さんがついやっちゃうんじゃなくて、ハナからそれ目的で来るんですよね。その道のプロが、そのためにチケットを買って。
HIROSHI外道!
WATARUヤバあ!
兵庫それが来なくなったという。
WATARUそうかー。
HIROSHIいやあ、音楽のライブひとつとっても、人間が作っていくものって、本当に一長一短だなあって思いますね。
兵庫つくづくそう思いますね。
HIROSHIほんとにいっぱい声をいただいたんですけど、まとめると、音楽は不要不急のものじゃないかもしれないけど、音楽の持つ力っていうのは計り知れないくらい大きいということは、コロナ禍の今、改めて思う──という意見が多くて。どの立場で声を上げている方も、その根幹は変わらないですね。そうじゃない、という声は見なかった。
兵庫アーティスト側も……2011年の東日本大震災の時は、ミュージシャンたちもダメージを食らっていて。「音楽なんてやってる場合か?」「こんなことしていて意味あるのか?」みたいな。それは、コロナ禍ではあんまり感じない。音楽なんか意味ない、とはならない、むしろ逆であることが、たとえライブはできなくても、いろんなところで立証されているというか。
HIROSHIああー。
兵庫たとえば、ライブができない時期に、YOASOBIのようなバイラルヒットが生まれたわけだし。だから、「こんな時だから音楽はいらない」とは、なっていない。

WATARU(G.Key)

公演情報

DISK GARAGE公演

Departure Tour

2022年4月29日(金・祝)北海道・札幌 PENNY LANE 24
2022年5月6日(金)福岡・BEAT STATION
2022年5月19日(金)大阪・なんばHatch
2022年5月20日(金)愛知・DIAMOND HALL
2022年5月27日(金)東京・Zepp DiverCity(TOKYO)

チケット一般発売日:2022年4月2日(土) 10:00

RELEASE

『Happy Sad』

配信シングル

『Happy Sad』

2022年4月29日リリース

ポッドキャスト

WASIRADIO

毎週水・日 18:00頃配信。FIVE NEW OLDのHIROSHI(Vo.G)とWATARU(G.Key)の幼なじみコンビによる雑談備忘録。WASILAというコンビ名で弾き語りも始めた二人が、気になった音楽、映画、ゲーム、アニメ、本について語りあったりしていく。感想は、#WASARADIO へ。

WASIRADIO(Spotify)

  • 兵庫慎司

    取材・文

    兵庫慎司

    • ツイッター
  • 撮影

    坂本彩美

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