
このインタビューを読んでもらう前にインタビューを終えた感想を先に書いてしまおう。koboreは大丈夫だ。結成当初からのギタリスト・安藤の脱退、デジタルEP『EMBERS』リリース、『EMBERS TOUR~10th Anniversary~』スタートという怒涛の半年の中で、バンドはある意味生まれ変わった。目の色が変わった。最も大事なものに気づいた。ライブを観ればきっとわかる。ツアーに行こう。ファイナルの11月28日Zepp Shinjuku(TOKYO)まで、チャンスはたくさんある。ライブを観よう。
──3人プラスサポートギターの新体制、6月20日府中Flightでのツアー初日、どうでした?
田中そら(Ba)めっちゃ不安でした。不安というか、緊張してました。それも、正しい緊張感ではなかったような。
──というと?
田中今までの緊張の仕方は、自信ゆえの緊張で、ちゃんと勉強してきたからこそ、テストで100点取る自信があるけど、「それをちゃんと披露できるか」という緊張だったんですけど、そういうのじゃなくて。「どんな反応になるだろうな」という、怖いほうから来る緊張です。それが、始まるまではずっとありました。でもライブが始まったら、めっちゃ楽しかったです。
──良かった。
田中初日なんで、イメージがマイナスからスタートしてしまったら、このツアー全部ダメになっちゃうんじゃないか?という怖さもあったんで、良かったなと思います。
佐藤赳(Vo&Gt)僕は、緊張感というよりは久しぶり感がありましたね。だから府中Flightで良かったなというか、行き慣れてるんで。久しぶりにライブハウスに来た感じはなかったから、そこは良かったのかなって感じです。
──そらくんみたいに、不安から来る緊張はなかった。
佐藤いや、あんまり。久しぶりだな、ぐらいしか思ってなかったですね。たぶん、考えれば考えるほど、よくわかんなくなっちゃうんで。だって当日なんで。それまでに、考える時間なんて山ほどあったんで、当日にどういうライブにしようとか、考えても仕方ないんで。やれることはやったし、散々ライブがない日々を送ってきたんだから、「今日ぐらい楽しんじゃおう」みたいな感じでしたね。
──楽しめました?
佐藤めっちゃ楽しめました。
伊藤克起(Dr)これはあくまで個人的な話ですけど、僕は初日、大ゴケしました。
──え。そうなんだ。
伊藤僕は、ですよ。メンバーはみんないいし、ライブ自体はハッピーだなとは思ってたんですけど、「僕はここで100点出せないのか…」みたいな。でもそんなもんだよな、というか。ライブのやり方を忘れてたんですよ。力加減というか、気持ちの入れ所、抜き所とか、2か月空くと忘れちゃってて、めっちゃ力んだし、「想像以上にくすぶってたんだな自分」って思いました。サポートギターも入ってるし、ドラムがブレたら終わりなんで、「しっかりしなきゃ」みたいな謎の気負いから、バタバタしちゃって。でも内容自体は良かったから。2本目の千葉からは、もう思い出したというか。音響の方ともいいコミュニケーションを取って、今はいいツアーを回れてるなと思います。楽しいですよ。
──サポートギター、どうですか。アサダくん。昔から知り合いなんでしたっけ。
佐藤いや、僕は知り合いじゃなくて、初対面です。
田中初対面ではないよ。対バンはしてるんで。
伊藤厳密に言うと、彼が所属していたバンド、ofulover(2024年活動休止)と対バンこそしてるんだけど、ちょっと昔すぎて。
佐藤時効です(笑)。顔を思い出せなかったら、もう初対面です。お互いそうだったし。
田中僕はすごい覚えているけど、打ち上げが最悪だった。赳がめっちゃ酔っぱらってた。普通に全裸だった気がする。
佐藤覚えてないに決まってるやん。
田中アサダくんの印象は、ごめんなさいだけど、初対面の時はあんまりなくて。でも5年ぶりとかで久々に会ったら、ギターも上手くなってたし、技術的な部分での不安はなかったよね。
佐藤そうだね。「緊張する?」って聞いても、「緊張はしないけど、とりあえず弾くことに全身全霊を」とか言ってて、ちゃんとサポートしてくれてるなっていうイメージがあるし、人間としても、最近わかってきたこともあったりして、面白いなって感じですね。
田中しっかりしてます。心の住み分けが綺麗なんで。あんまり喋んないタイプなんですけど、言葉の一個一個が丁寧だし、適当なこと言ってないなというのがすごくわかるし、そういうところが好きです。
佐藤僕みたいに、とにかくずっと喋ってるとか、余計な言葉のほうが多いとかじゃないんで。キャラがかぶらなくて良かったです。
──EPからの新曲も、バンバンやっている?
佐藤バンバンやってます。
──このインタビューはツアーの話が主体なので、曲の話は深く掘り下げないけど、いいEPですよ。好きです。「LALAPALOOZA」が好きです。赳くんらしい、実に不思議な楽曲の構成で、でもちゃんとかっこよくて。
佐藤閃きでしかないです。展開も閃きです。
──特にドラムが凄いですよ。克起くん凄い。
伊藤別のインタビューでも話したんですけど、「LALAPALOOZA」は俺のたっての希望で入れてもらった曲で、ドラムのフレーズが湯水のように湧いてきて、気に入ってます。自分がドラマーとしてkoboreで演奏する上で、やりたいけどやることないだろうな、とか思ってた雰囲気の曲がこれなんで、「やったー」って感じです。生き生きやってますよ。演奏、みんなかっこいいし。
──これはかっこいい。ライブでもやってますか。
伊藤やってます。ライブだと、赳がギターを弾かずにピンボーカルなんですよ。僕、赳のピンボーカルが好きなんですよね。生き生きしてるっていうか、ある意味、ギターという枷(かせ)が外れたというか。枷ではないけど。
佐藤枷だよ。僕、ギターボーカルじゃなくて、ボーカルギターだから。
伊藤赳のピンボーカルは、ライブの演出的にも面白いし、楽しいです。正直、ライブのほうがいいと思いますけどね。
佐藤しかも最近、お客さんを盛り上げようっていうよりかは、「僕らが楽しもう」の意志のほうが強い気がしてるんで。まず俺らが、とにかく演奏を楽しむこと。
伊藤大事だよね。楽しんでる僕らを見て楽しんでもらわないと、意味ないからね。
──「サマータイムマシンブルース」も、ライブでやってます? これ、ドラムが打ち込みっぽい音色に聴こえるけど、どんな録り方をしてるんだろう。
伊藤普通に叩いてますけど、タッチはめっちゃ変えました。そういうのが、前までだったらできなかったんだけど、今まではパワーで押してるところを、力を抜いた上でちゃんとやれるか?みたいな、そういう曲もあったほうがいいよなとか考えてたら、こういう曲が降ってきて。ドラムテックの方と相談して、「こういう機材を使って、こういうチューニングにしたら、こういうタッチで叩けば一番きれいに聴こえるから」とか、アドバイスをもらって。それも、前までだったら6割こなせたら良しっていうところが、8割ないしは9割はやれるぐらいのところまで自分で持っていけたんで、いいですよね。腕の見せどころです。
──ドラム、めちゃくちゃ耳に残りますよ。聴きどころ。
伊藤音量じゃないところで、楽曲のテンション感をどう上げれるか。ライブは生だからこそ、ダイナミクスを俺は大切にしてて、そのダイナミクスは音量だけじゃなくて、そこに行くまでの空気感とか、持って行き方とかで、そういうものを感じ取れるようになったらいいなと思ってるので、「サマータイムマシンブルース」は自分を成長させてくれてる曲でもありますよね。まだ全然完璧じゃないんですけど。
──そらくん、『EMBERS』からの新曲で、ライブでやってて楽しい曲は。
田中楽しい…楽しい…。
佐藤楽しくないんか。
田中テンションが上がるのは、「そのままのスピードで」とかですかね。これはどうしても、歌詞の意味合い的にテンションが上がってる感じです。弾いてても楽しいです。あとはさっきの「サマータイムマシンブルース」は、僕はドラムのビートだけ聴いてたらすごい楽しいんですけど、お客さんはみんな棒立ちでつまんなそうで。
佐藤聴いてるんだよ。
田中僕しか踊ってないけど、でも別にそれでいいかなって。みんなで一斉に手を上げてくれたら気持ちいいのかなと思うんですけど、元々そういうのはあんまり好きじゃないから、みんな自由でいいなと思ってます。でも画的に言ったら、手を上げてくれてるほうが、SNSとかには上げやすいです。でもそれは僕の真意とは違いますよっていう話です。
──めんどくさいな(笑)。でも言いたいことはわかります。
田中ちゃんと聴いてくれてる感じの人もいますし、どうしていいのかわからないみたいな人もいて、「サマータイムマシンブルース」をやってる時だけちょっと異様な空気が流れてて、僕は楽しいです。僕は克起のドラムのサビのビートを聴いたら、やっぱりぴょんぴょんしたくなっちゃいます。
──広めていきましょうよ。ツアーファイナルで全員ぴょんぴょんになるかどうか。
田中確かに。ちょっと頑張ってみます。













