──そして、武道館を大成功で終わらせて。武道館のラストには、7月17日(日)日比谷野外大音楽堂にて、『野音deロティカ』の開催を発表。1991年4月、2ndアルバム『So Yes, Sir !』発売記念コンサート以来、31年ぶりとなる日比谷野音でのワンマンです!
NABOその後にワンマンをやる機会は無かったの? まだ人気あったでしょう?
ATSUSHI無い! 野音はメンバーじゃなくて、コロムビアと事務所の社長が決めたから。
NABO「また野音やりたい」って誰かが言い出して、みたいな話は無かったの?
ATSUSHI無いね、誰も言わなかった。
──あっちゃんの91年に野音をやった時の思い出は?
ATSUSHI野音の思い出はみんな緊張してて、「チョイスで会おうぜ」で特効が鳴ったら、演奏が止まっちゃったことかな?
NABOえ、特効の音でみんながビックリして、演奏を止めちゃったの?(笑)
ATSUSHIそう(笑)。あと、みんな緊張してたからか知らないけど、ライブが予定より30分くらい早く終わっちゃって。早すぎるからって、アンコールで予定に無かった曲をやったことは覚えてるけど、あとは何も覚えてないです。
──良い思い出も悪い思い出も全くナシですか?
ATSUSHI無い! 終わった後も八王子の同級生が結婚式だったから、俺とJACKieはライブ終わったらスーツに着替えて、すぐに電車で八王子戻ったし。
NABOマジ!?(笑)わははは、凄いね。
ATSUSHIだから、打ち上げもやってないの。あ、結婚式行かなきゃいけないから、早くライブが終わったのかも知れないね(笑)。
──わはは。本当に印象に残ってないじゃないですか。
ATSUSHI31年も前の話だからね、覚えてないよ(笑)。あと、野音でライブなんて夢の夢だったから。「いつか野音でやる時は、『HIGH-RI-HOO CARNIVAL』を一曲目でやるんだ」って冗談で言ってて。実際に野音をやることになって、俺がセットリストを考えて渡したら、「1曲目、『HIGH-RI-HOO CARNIVAL』じゃねぇじゃん!」ってJACKieに言われて、本当に「HIGH-RI-HOO CARNIVAL」をやったのも覚えてる。
NABOその頃は人気もあったのに、なんで野音やりたいと思わなかったの?
ATSUSHIその頃は自分たちでブッキングもしてなかったもん。CDが出てツアーをやるってなった時、「ファイナルどうしよう?」みたいに決まったんじゃない?
──KATARUさんとNABOさんが入ってからは、イベントで野音出てますよね?
ATSUSHI『蓮沼』とジェット機の『JET FES』とダディ竹千代さん企画のイベント3本かな?
──単純にライブ会場として、日比谷野音は好きですか?
ATSUSHIもともと野外が好きだから、日比谷野音はすごい好きです。武道館より日比谷野音の方が、ロックの聖地って感じはしますね。ARBの日比谷野音ライブとか、思い出に残ってるライブがいっぱいあるし。
RYO僕はまだ野音に出たことがなくて。ポスターを撮るのに野音に行った時、ステージからの景色を観てしまって。武道館は普段、ステージがないから、本番までその景色を見ることが無かったんですけど、野音はステージに上がっちゃったんで。その景色が頭に入ってるから、武道館より緊張すると思うんです。
ATSUSHIいいこと教えてあげる、前の日寝なきゃいいんだよ(笑)。
──夏だし、暑くて倒れちゃいますよ(笑)。NABOさんやKATARUさんは野音への思いはいかがですか?
NABO早く野音に向けて色んなことやらなきゃね。もう4月だから、全然時間ないよ! 「早くセットリスト出してよ」って言って、この間やっと出てきたんだけど。
ATSUSHI野外だし、ドカンと飛ばすライブがいいでしょ? と思って考えました。酒でも飲みながら、どんちゃん騒ぎみたいなライブが似合ってるんじゃないかな? 野音には。
RYO夏だしね、その頃にはそういうライブが出来るといいですね。
ATSUSHI7月の野音、すごい暑いらしいよ。水でもまこうか、ひしゃくで。
KATARU墓参りじゃないんだから(笑)。でも、グッズに暑さ対策のグッズは用意しなきゃいけないね。
RYOひんやりマスクと雨よけグッズを作りましょう。
ATSUSHIどっか夏のフェスに出た時、暑さがコンクリートの塊みたいにぶつかってきたことがあって、「みんなこんな所でよく歌えるな」と思ったことあったな。お客さんも暑くて大変だけど、やる方も暑いからね! 倒れないように休憩入れながらやろう(笑)。
NABOあと31年前に観た人の記憶がどこか回顧するような演出も出来たらいいね。ただ、あっちゃんに当時の野音の資料を揃えてもらいたいんだけど、「見当たんないんだよね」って。
ATSUSHI全然分かんないんだよね。H2Oを撒いたのは覚えてるんだけど。
NABOCO2でしょ?(笑)水を撒いてどうすんのよ。
ATSUSHIあと何やったか思い出さなきゃね、DVD-BOXで映像は残ってるから。
KATARUみんなで鑑賞会しよう。
NABOあっちゃんは忘れてても、お客さんが「これこれ!」って思い出してくれたら、面白いなと思うよ。
──あとは野音に向けて、新しい音源も作りたいですね。
NABO出したいですね。ファンクラブの会報であっちゃんがイラストを描いたんだけど、あっちゃんの頭の中にあるキーワードをたくさん描いてて。いま、あれをCDで表現出来たら面白いなと思ってて。昔、その人の頭の中を映像化した映画があって。そんな感じであっちゃんの頭の中にある、なんだか分からないことを音源化したら面白いなと思うんだけど。
──あっちゃんの頭の中を描いた、コンセプトアルバム的なアルバムですね。
NABOそうそう。野音まで時間ないけど、そういう作品を作りたいなってみんなに提案してて。「THE WHOの『Tommy』みたいなアルバムはどう?」って言ってて。みんなサブスクで音楽を聴くから、そういう時代じゃないかも知れないけど。一曲一曲じゃなくて、アルバムとして一枚ドカンと聴かせられる作品があったらいいなって。
──なるほど。あっちゃんは野音に向けて書きたい歌詞や歌いたい歌はありますか?
ATSUSHIやっぱちょっと頭のおかしいような、面白い歌詞は書いてみたいです。ナンセンスというか、ぶっ飛んだような感じ? 武道館やった後だからって、真面目そうな歌詞じゃない方がいいな。
NABO変な歌詞だけど、みんなで歌ってるような曲がいいね。あっちゃんのイラスト見て面白いなと思ったし、あれを書いてる57歳っていないと思うんだよね。普通、書いてるうちに恥ずかしくなってくるもん(笑)。
ATSUSHIそう? 描いてて楽しくなっちゃって、スペースが足りなくなっちゃったよ(笑)。
NABOだから、あっちゃんに「みんなを感動させる曲を書いて」とか言うと書けなくなっちゃうけど、好きなことだったら書けそうな気もするし。
ATSUSHIみんなも書いてよ、自分の頭の中。
NABOあんなに無いと思うよ。あと、書いてる途中で嫌んなっちゃうと思う(笑)。
──わはは。KATARUさんはどんな曲が作りたいですか?
KATARU武道館でみんながロティカを思い出してくれて、「まだ頑張ってんだ」と思ってくれたと思うから。やっぱり、分かりやすいロティカらしい曲を出してあげるのが一番だと思いますけどね。
──勢いあってキャッチーで、野音でみんなで盛り上がれる曲ですね。
RYO分かりやすい曲にわかりにくい歌詞を乗せるってのもいいですよね(笑)。答えがひとつじゃなくて、聴く人によって応援ソングに聴こえたり、勇気づけられたり、それぞれの捉え方をしてくれるような曲になったらいいですね。
──僕からのリクエストは、その頃にはライブで声を出せることを信じて。みんなで合唱したり、掛け声上げたり出来る曲で盛り上がれる曲が聴きたいです。
RYOそう考えると武道館は貴重なライブでしたよね。声も出せない、タオルも回せない。
──その試練を乗り越えて、最高のライブにしたから大したもんです! 終わってみれば、コロナ禍の規制がなかったら、あんな良いライブになったのかな?という気さえします。
NABOそもそもコロナ禍じゃなかったら、武道館やってないだろうからね。ライブが出来ない状態で「武道館どうですか?」って言われたから、「やってやろうじゃねぇか!」と思ったけど。普通に話が来たら、受けたかどうか分からないからね。まずはライブハウスが元に戻ってくれて、夏には野音も声出せたらいいね。
KATARU早々に梅雨明けしてもらって、カラッと気持ち良い天気でやれたら最高だね。
──ライブハウスというところでは、4月16日(土)千葉LOOKから、結成38周年ワンマンツアー『野音で会おうぜ!』もスタートします。
NABO武道館のお礼をして、野音のお願いをして。お礼とお願いの繰り返しです。お願いばっかりしてるね俺たち。こんなお願いばっかりしてるバンドいないよ?(笑)
KATARUしかも見返りもナシだからね。「頑張りますから!」としか言えない(笑)。
NABOま、映画もZeppもアルタ前も良かったし、武道館も良かったってみんな言ってくれるから。期待にはそこそこ応えられてると思うけどね。
──さらなる良い音源と良いライブで恩返ししていくしかないですね。
ATSUSHIそうですね。やっぱりライブハウスが好きなので、ツアーを楽しみながら、「ありがとうございました、お願いします」と言って回ります(笑)。親愛なる皆様またご心配かけますが、ツアーも野音もぜひ足を運んでいただいて、みんなで楽しい思い出作りましょう!