僕は、もうどんなライブでも怖くない
いや、もう最高でしたよ、ほんとに。ただ、あのー、1日2公演っていうのが、地獄でしたけど(笑)。2公演の時って、ライブの途中で、着替えとかで時間を作って、休めるようにするらしいって話を後から聞いて。
そんなん全然教えてくれないから、ライブのスタッフの人たち(笑)。全力疾走で2回フルマラソンしたっていえば良いのかな。もう、なんかね、境地に達した気がした。俺の曲、全部ワーッて声を出すから。ゆるい曲がないんですよ。っていう中で、東名阪3本、1回目と2回目の間の休憩、2時間そこらでやったんです。めっちゃくちゃつらいんですよ、ノドが。身体は平気なんだけど、ノドって消耗品だから。大阪で1日2公演やって、翌々日には札幌公演っていうスケジュールがあって。はじめは「無理だろ」みたいな気持ちもあってムカついてたんですよ。さすがにスタッフも負担デカいってことに気づいて、ハリを入れてメンテナンスしてくれた(笑)まあ、怒っててもしょうがないから開き直って、「逆にこれをやりきれたら、もう俺、どんなライブも怖くねえな」みたいなところに行ったんですよ。ほんで、結果として「やりきれた」っていう判断になってます。俺としても、ライブのスタッフたちにしても。中野サンプラザとか、1部でギャーって歌って、2時間休んで、ハリ打って──。
で、2部で、もう1回おんなじことをアンコールの「まっしろ」まで歌えたっていうのは、理由もわからないですね。人体の不思議ですよ、これは。
歌えるわけがないんですよ。リハで2〜3曲歌っただけで、声嗄らす人間ですから。それが、16曲×2回で32曲やって、最後の最後まで一瞬もセーブすることなく、全曲歌い続けて。おかしいんですよ、これ。でもそれ、「やるんだ」っていう心意気と、ライブっていうものの特別な空気がもたらす精神的な影響と。っていうふたつで、なんとかやれた。こうやってしゃべっていても、声が嗄れていく人間ですからね。それが32曲完璧に歌えるって、おかしいんだよなあ。
毎回そうでした。1部終わって「いや、無理でしょ」って(笑)。2部で出て行って、やっぱり1曲目って声が出ないんですよ。順当に出ないんです、1部の終わりの声で歌っちゃうんです。でも、その曲の半分くらいから、何かのスイッチが入る、別のタンクが動き出すんですよ。で、どんどん声が戻っていくんですよね。で、それが途切れたら終わり、1分でも黙ったらもう出ない、そのまま歌い続けるしかない、しゃべり続けるしかない。っていうのを最後までやると、いける。なので、僕はもう、どんなライブでも怖くない。
そう、するやん! するやん普通、そんなん! ライブのスタッフとしては、俺を酷使して、お客さんが満足してくれた方がいいんですよ、今後の券売につながるから(笑)。俺という、ビッケブランカというコマを使っただけ! 人間ですよ? 俺は!
え? いいですよ、本当なんだから! まあ、そうは言いつつ仲いいから。仲いいから言えるんですよ!
うん。俺も「できる」って言ったしね(笑)。でも、知らずに言ってんの、そこまできついっていうことを。なし崩しなんですよ、ライブ事業部の担当がふたりとも。なし崩して、なし崩して……最初は、「曲を減らしたりもできるし」みたいなことを言って、俺の「じゃあ2公演でやります」っていう言質をとって。そのあとリハが始まったら、「ちょっとこれじゃ曲、少ないっしょ」みたいなことを言って、俺が「あ、そうですね」って。短くしていいって言ったことを、忘れさせるっていう。そういうずるい奴がいんのよ!
ちょろいのよ!(笑)。
そう! なんにも怖くない! もうコンディショニングが終わった状態で、どういうふうに曲をやろうかな、どんなことをしゃべろうかな、っていうことだけに頭を使えるから。だから、すごい楽しみにしてます!
PRESENT
直筆サイン色紙を1名様に!
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