LEGO BIG MORL 新体制初のアルバム『気配』リリース!「3人だけの力で、ファンのみんなに届けよう、っていう、僕たちの覚悟の表れ」

インタビュー | 2020.09.15 17:00

──さらに大きな部分で、今の時代とか今の世の中を反映しているアルバムでもありますよね。たとえば「曖昧を愛そう」とか。
タナカはははは。いやあ、インタビューで「曖昧を愛そう」の話をしてくれる人が初めてで、うれしいです(笑)。
──今、どんどん曖昧を許さない世の中になっていっていることを感じますしね。
タナカそうですね。0か100かみたいに結論を出したがりますよね。
──ラブソングの体裁になっているけど、そういうことに対する曲でもあるのかなあと。
タナカまあ、グラデーションのところの楽しみとかおもしろみを、歌いたいなと思って。曲自体は、もともとデモの段階では、もっとカラッとしてて、その時から同じ歌詞は乗ってたんですけど。渡部高士の手腕で、カオスになりまして。そうなると、同じ言葉やのに、言葉に色気が出てきて、ドロッとしてきて、みたいな。
──だから、3人になったというバンドの事情や、コロナ禍という現在の状況だけじゃなくて、もっと大きな、今の世の中の傾向に対する違和感を表しているというか。
タナカああ、違和感ですね。確かに。いい違和感も、悪い違和感も、察知しておきたいなと思うので、ミュージシャンである以上。いい違和感も大好きやし、でも「何これ? 説明でけへんけど、なんかイヤ」っていうことにも、ちゃんと向き合っておきたいというか。違和感、それですね。今後も使わせてもらいます(笑)。
──LEGOに限ったことじゃないですけど、バンド側の理由ではなく、ここまでライブができないことって、なかったですよね。そうなってみて、どんなことを感じました?
タナカあの、スケジュールが、埋まらないんだな、と思いました(笑)。週に何回かリハーサルに入って、週末のライブに向けて練習して、週末はライブして、また次のライブに向かう、その合間に曲作りもする。っていうルーティンが大枠であるとするなら、それを曲作りだけにされると、自分でがんばるだけの話やから、家で。何時にリハーサル・スタジオに行って、ライブに向けてがんばる、っていうことがないと、ほんとに自分の意志の強さを試されてる期間やな、っていう感じがしました。
──試されて、戦って、勝ててます?
タナカまあ、この『気配』ができた、ということは、一応、勝てたんやなと思います(笑)。

「もうみんなも配信ライブでは補えないよ」っていうところに来てる(ヤマモトシンタロウ)

──あと、客前にこんなに長いこと出てない、というのも──。
カナタそれ不安やわあ。
タナカ緊張するやろなあ。
カナタ9月20日に大阪で『KANSAI LOVERS』っていうイベントに出るんですけど(9月20・21・22日、大阪城音楽堂)……ど、どうしよう!?
タナカ・ヤマモト(笑)。
カナタ初心者のようなライブ、やりたくないし。
タナカお客さんもさ、ソーシャル・ディスタンスを設けられた会場に入るの、初めての人が多いやろうし。声をあげてはいけない、っていうルールの中のライブも初めてやろうし。俺らだけじゃない緊張感が、そこにはあるんやろなと思うと、「みんなでこの今しかない場を盛り上げようよ」っていう空気を出すしかないかな、と思ったりはしますけど。拍手だけですもんね、お客さんがやっていいこと。僕ら、「RAINBOW」って曲があるんですけど──。
──ああ、ライブのヤマ場に来るシンガロング曲。
タナカどうしようかな、っていう、そういう不安はあります。でも、はよライブやりたいっていうのはもちろんありましたし、大きい音鳴らしたいって思ってましたね、まずは。
ヤマモト自分たちが思ってる以上に、お客さんはライブに行きたいし、それと同時にライブに行くのめっちゃ恐れてる、みたいな印象があって。自分の職業的に、ライブ行くことが禁止されてるとか。自主的に守ってる人もいれば、社会的立場で行けない人もいる中でね……混沌としてるな、と思いますけど。「いつもこの子、絶対来る」って子が、逆に来れなかったりするんやろうな、とか。だから配信ってものがあるんですけど、でも、さっきのレコーディングの時の話もそうですし、それこそ今やっているこのインタビューですら、本当は直で会って話した方が、絶対いいじゃないですか。
──それはそうですね。
ヤマモトその方が空気感伝わるなと思うんですよ、何回もリモートでインタビューやってると。だから、「もうみんなも配信ライブでは補えないよ」っていうところに来てる。その中で、「配信配信というけど、やっぱオフラインだよね」というのは、ライブに限らず、いろんなところで僕らも思い始めているので。早くそれをなんとかしたいですね。
──『KANSAI LOVERS』、楽しみですね。
タナカめちゃめちゃ楽しみですね。っていうか、まず、みんなでハイエースに乗って移動することから楽しみですね。
カナタはははは。
ヤマモト身体にくるで?
タナカ東京からまったく出てないんで。「サービスエリア、いっぱい止まってみようぜ」ぐらいの。ハイエース移動、前はあんなにだるかったのに(笑)。

『気配』Music Video

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直筆サイン入りクリアファイルセットを3名様に!

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  • 兵庫慎司

    取材・文

    兵庫慎司

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