初演、再演を経てTHE CONVOY SHOWの新たな代表作となった『星屑バンプ』が、2019年6月5日(水)から12日(水)まで東京・博品館劇場で、6月15日(土)から20日(木)まで名古屋・テレピアホールにて、新たなメンバーを迎えて再再演される。出演メンバー7名による座談会が行われた。
再再演が行われることについて、興奮した面持ちでそれぞれの思いを語る。今村ねずみは「やる度にメンバーが変わっているので新作に取り組んでいる思い。ワクワク感があり、今までの“星屑バンプ”とは比べものにならない“星屑ニューバンプ”」といい、新たな作品が生まれる手応えを感じている様子。再出演となる瀬下尚人は「大好きな作品に出会えて、3回も上演できるなんて最高です!幸せです!」、本田礼生は「またできるんだとガッツポーズしました!」、伊藤壮太郎は「作品の素晴らしさをさらに新しく発見して、伝えられることが楽しみで仕方ない!」、加藤良輔は「前回必死すぎたので新しい挑戦をしたい。来たー!」と全員大喜び。さらに、今回が今作初出演となるトクナガクニハルは「54歳、新人(笑)。心機一転ゼロスタートで、シンプルで胸打つ、人生のバイブルの作品に携われる喜び。素敵なメンバーに揉まれながら、楽しく飛躍して、出演して良かったと実感したい」と高揚する。THE CONVOY SHOWに初出演のバーンズ勇気は「芝居やダンスから離れた経験がある自分と重なる部分がある作品。再スタートとなる作品なので燃えるものがあります。。稽古では、タップダンスをはじめとして苦戦しているが、早くお客さんに見てもらいたい気持ちでワクワクしている」と気を引き締めた。
この作品が愛されている理由について、瀬下が「世代を超えたこと。おっさん集団に若い人達が加わって、ねずみさんが新しい作品を描いた。年齢に関係なくめざすことは同じで、誰が観ても共感できる部分があるのでは」というと、今村は「結局は若者も大人もない」と同意する。対して若者側の本田は「この物語は、老若男女・どんな職業の人も、それぞれに見た後の感情は変わるはず。そこが何よりも魅力だと思う」と分析する。伊藤は「役者の僕ら自身が楽しんでいる姿が見えるのが特殊。作品の“俺たち”というトーンが普段の僕らと同じ。あまりにもドキュメントで、それを観てもらえるのが魅力。僕らがこの作品を好きだという思いも大事な点ではないか」と熱を込めた。加藤は「セリフひとつひとつがグサグサ刺さる」と胸を叩く。「みんなが刺さる言葉がたくさん散りばめられていて、すべての役のどこかしらに引っかかるから、何かを持って帰ってもらえる。THE CONVOY SHOWならではの最高のエンターテインメント」と語気を強めた。トクナガは「人は生まれて、ひとりでは何もできないし、人と出会ってドラマが生まれる。その人々のドラマを背負いながら、お互いが共感せざるをえないくらいに理解して、共に世界を広げていく。支え合う友情があって、ひとりじゃない。僕もみなさんを支えたい」と、生きることの本質に触れる。バーンズは「僕は普段から年上の方と一緒にいることが多い。リスペクトがあるからこそ、対等にふざけてくれる方を好きになってしまう。舞台のなかでリアルに、それを届けられることが新鮮で魅力的」とすでにその魅力の虜になっているようだ。
THE CONVOY SHOWを築いてきた“おっさん組”と、2017年から作品ごとに加わってきた“若者組”の化学反応も、今のTHE CONVOY SHOWのみどころのひとつ。その世代の差について、それぞれの魅力を和気藹々と語り合った。若者組はリスペクトを込めて先輩への憧れを語り、とにかくカッコイイと目を輝かせる。「ファミリーのよう。アドバイスやスパイスもあるけれど、面白いことを言ったり、お家でみんなでリラックスしているような部分もあり、緩急のギャップが魅力的」とバーンズがいえば、「理想。こうなりたいと思う。言葉にすると軽くなるけれど、板の上の姿も、汗だくになっている姿も、翌日ボロボロになっている姿も、すべてがカッコイイ」と本田。伊藤は「遊び方を教わっているみたい。休憩中に遊んでいて何かが生まれて、それをきっかけに作品がさらにレベルアップする。僕らが50歳、60歳の方々に遊び方を教わっているシチュエーションが面白い……ヤバイ!」と興奮。加藤は「すべてにおいて全力で楽しむ姿を見せてもらっている。そこがカッコイイ!先輩方をみて僕らもやらないわけにいかない」と自身を鼓舞し、「もう、稽古場に来てください!」と笑わせた。
では逆に、若者たちが加わることによって、THE CONVOY SHOWにはどんな効果があったのか。今村は「確かにすごく刺激にはなっている。彼らと一緒にセッションしていて、まだ見たことがない彼らの魅力に触れている。THE CONVOY SHOWをよく知らずにオーディションに来たヤツもいたり、若者もおっさんもここに集まった人自体がたまたまそういう年代の人だっただけ。当初はここまでの関係になるとは思わなかったが、さらけ出したその姿がライブとして舞台に出ている。THE CONVOY SHOWならではの時間軸とスピード感で、一緒に汗だくになって、共有して作り上げている。そういうみんなが集まってひとつの作品を作っていること自体が“星屑バンプ”。夢は叶うというのは薄っぺらい言葉かもしれないけれど、舞台の上で正々堂々と言い続けることが、僕らのエネルギーになるんじゃないか」と語った。
『星屑バンプ』には戦隊ものヒーローが登場するが、自身のヒーローを尋ねると、さまざまな答えがあがった。今村は、“西城秀樹”と“長嶋茂雄”と具体的な名前を挙げ、その心を「託すことができる、かけ離れたものではなく、こうなれる人」だと明かした。トクナガは「プロレスラー、特に“アントニオ猪木”」、瀬下は「当時のロックスター。“クィーン”など。日本だったら“B’z”」、加藤は“キングカズ”、バーンズは“マイケルジャクソン”、と誰もが納得の名前があがっていく。そんななかで遠慮がちに「CONVOYです!」と本田。「僕は舞台に立つなら作品、カンパニーのすべてを背負って立ちたいし、そうあるべきだと思っていて。でも、『asiapan』のときにこれは無理だと思った。でも、みなさんがパフォーマンスのなかで、引き上げて、押し上げてくれた。こうやって立たせてもらっているんだと思ったのが今も忘れられない。僕のヒーロー」と目を輝かせた。伊藤も「出会いに恵まれていて、今まで出会って来た人すべて。CONVOYさんを見て、あんな風に強く生きられたらいいなと憧れる存在。僕は一番年下で、背中を見せてくれるみなさんが僕の憧れの存在で、先輩はみんなヒーロー」と尊敬の念を込めた。
今村は「さまざまに輝く星を、さまざまなところで見ている人達が、巡り合って一緒に集まったらという発想から生まれた物語。向かう先が一緒だというのが素敵なこと。やる度にメンバーが変わり、その度に作品がひと味もふた味も変化する。今回はさらに、もっと違う“星屑ニューバンプ”を皆様にお届けできるので、劇場でお会いできるのを楽しみにしていてください!」と呼びかけた。
本公演のメインビジュアルも公開され、ますます公演が楽しみである。