いざ行かん、決闘の場所へ――。
これまでワンマンライブSOLD OUTの記録を更新し続け、「いまもっともライブが観たいバンド」として躍進してきたPENGUIN RESEARCHが、5月3日から待望のツアー<Penguin Go a Road 2019 「なぜ決闘なのか」>をスタートさせる。このツアーファイナルとなる8月10日、横浜文化体育館でついに、バンド初となるアリーナワンマンに挑む彼らが、この重要なタイミングにリリースする新曲は「決闘」( TVアニメ『ゾイドワイルド』OPテーマ曲)というタイトルだ。横浜文体にかける彼らの気持ちを表したようなパッションと、これからアリーナクラスで戦っていく新しいペンギンのスケール感、ライブ感をたっぷり感じさせるこちらの新曲について、横浜文体にかける思いとともに5人に聞いてみた。
これまでワンマンライブSOLD OUTの記録を更新し続け、「いまもっともライブが観たいバンド」として躍進してきたPENGUIN RESEARCHが、5月3日から待望のツアー<Penguin Go a Road 2019 「なぜ決闘なのか」>をスタートさせる。このツアーファイナルとなる8月10日、横浜文化体育館でついに、バンド初となるアリーナワンマンに挑む彼らが、この重要なタイミングにリリースする新曲は「決闘」( TVアニメ『ゾイドワイルド』OPテーマ曲)というタイトルだ。横浜文体にかける彼らの気持ちを表したようなパッションと、これからアリーナクラスで戦っていく新しいペンギンのスケール感、ライブ感をたっぷり感じさせるこちらの新曲について、横浜文体にかける思いとともに5人に聞いてみた。
──「決闘」は、大きなステージで熱風とともに炎がバンバンあがるようなダイナミックなライブシーンが見えてくるシングルでしたね。
全員わははははっ(笑)。
神田ジョン(Gt.)間違いない!!
──そもそも年頭に行なったツアー最終日のTSUTAYA O-EAST公演から、ここはスタジアム?と勘違いするぐらいのセットや照明を持ち込んだ迫力あるステージを展開してて。
神田O-EASTであれをやる人はいないっていわれました。
──ですよね(微笑)。あの公演は、いままでの爽快な笑顔はじける鷹司さんとはまた違う、クールなパフォーマンスも含め、ロックバンド然としたダイナミックなペンギンを感じたライブだったんですけど。その感じが、間違いなく今作にも繋がってるなと思いました。イメージで見えてくるスケール感が、いままでとは違って大きいんですよね。
堀江晶太(Ba.)そこは意識しましたね。ツアーのファイナルにはいままでで一番大きな会場が控えている訳だから、そういうステージで似合う曲はイメージしました。なんとなくですけど、オーディエンスはここでこうなるとか、僕らはこの瞬間に息を飲むとか。そういう感覚的なことと、あとはステージ上の演出ですね。ここで照明がバーンと光るとか。今日のライブのあの瞬間がよかったから、その瞬間がもっと鋭利に出てくる感じがいいなっていうところから、じゃあこの新曲はイントロでバーンと音玉が鳴って照明がついて。僕らはこう動いてこの瞬間にオーディエンスが一斉にボーカルを見るとか。ライブをシミュレーションしながら、それにふさわしい音や言葉を探していくという作り方をしていったんですよ。
──なるほど。そうして生まれた新曲「決闘」は、いろんな意味でいままでにはないペンギンがつまった楽曲になりましたね。
新保恵大(Dr)ドラム的には今日日ツーバスをやってるところとか。
──メタルか、っていわれてもおかしくないぐらい。
新保そう。やってることはメタルなんですけど、この間『ゾイドワイルド』を観たとき、客観的に聴いたら、ドラムはめっちゃメタルだけど全体的に入ってくるものはJ-ROCKな感じで、たくさんの人に届きやすいものになってるなと思いました。メタルのパーツを使っているとはいえ、それを鷹司が歌うことでメタルじゃなくなってたりという感じはありましたね。なんだけど、ドラムはいまどきツーバスという。そういう泥臭い部分に注目して欲しいですね。
柴﨑洋輔(Key.)みんなが音数を入れまくってドコドコ、ズブズブやってる分、僕は今作では圧倒的に音数が少なくて。ピァーン、フォーンぐらいなんで。そこに気持ちを込めました。
生田鷹司(Vo.) ボーカルは新しいステージにいくという意味を込めて、いままでの自分だったら語尾はこう歌ってた、ここはエモーショナルに力強さを込めて歌ってたという歌い方を意識的に排除しました。晶太といろいろ話しながら、いままでの僕にはなかった歌い方を取り込もうとした結果、できあがったのが「決闘」で。この歌はただ力強いだけじゃない、ただ自分のなかの気持ちをストレートに出してるだけじゃない。とくにラップっぽい部分とかはクールな感じで新しい僕の歌い方が見える瞬間だと思うんですけど。それ以外にも静かに歌うパート、熱く歌うパート、1曲を通していろいろな顔が見える歌になっているので、そこはみなさんに感じてほしなと思います。
神田ギターはペンギン史上初のドロップBチューニングです。ラウドシーン、スクリーモシーンでよく使われるチューニングなんですけど、それがついにきたかと。ここまで低くなるとはペンギン始めた当初、誰一人思ってなかったと思います。この低さはペンギンではないと思ってましたから。ねっ?
堀江うん。最初に書いた曲が「スポットライト」だからね。
神田でも、ペンギンを4年やってきて思うのは「ペンギンはこうだ」というよりも、目の前に提示されたものへの自分なりの対応。それがすごく大事だなと僕は思ってて。晶太君のいいところは、作る曲にその時々のブームがあることなんですよ。それに対して、変に抗わずに「おぉー、こういうのがきたか!」という感覚でやるのが一番ペンギンは楽しいんで、今回は「まさかのドロップBきたか」という感じで楽しみましたよ。
──メンバーとしてもこの変化はまさかと思う、ある意味衝撃の路線だった訳ですね。
神田そうですよ。だって最初はね、ツーバスもダメでしたから。ねっ?
新保ライブでテンション上がって俺がツーバス入ってないところに入れたら「それはちょっと」ってスタッフにいわれましたからね。
神田最初はペンギンもそういう路線があったんでしょうけど、なんかの拍子で外れちゃったんでしょうね。しかも、そのレールは無数にあってどこに行くかも分からない。だから、どこに向かっても対応できるような心構えとかスキルがペンギンはすごく大事なんですよね。やったことがないもの、未知なものに対して向かっていく“気合い”。それがすげー大事なんですよ。ペンギンは。そういう意味でも「決闘」はペンギンのそういう気持ちがフルに出た曲なので、ギターも自ずとそういう感じになってます。
──「決闘」を作るにあたって、晶太さんのなかにテーマはあったんですか?
堀江「決闘」はまず『ゾイドワイルド』のOPテーマ曲のお話があったので、その打ち合わせの際に『ゾイドワイルド』は今回がラストクールなので、お話もどんどんハードになっていってバトルシーンも増えていくだろうから力強い曲が欲しい、というイメージを頂いたんですね。そのときに力強い感じの度合いも相談したんですけど、向こうとしては「マックスまでいっていい」と。「思いっきりハードで力強くて攻撃性のある曲がいい」といっていただいたので、じゃあそういう曲を作ろうと。そこで頂いたイメージと、ちょうどそのときにツアーを回ってて。そこでも、もっと力強い曲が欲しいなと思ってたので。ステージ上でもらってきたヒントとアニメのメーカーさんからもらったヒントが、うまい具合に合致したんですよね。それプラス、“決闘”というワードはかなり早い段階、打ち合わせをしてるときからなんとなく頭にあって。決闘というワードにふさわしい熱量、空気感、緊張感のある曲になればなと思ってできた感じですね。この曲は。
──そこでドロップBチューニングやツーバス、鷹司さんのラップなど新しい試みに挑戦しようと思った理由は?
堀江せっかく新しい曲だからペンギンとしてはやってないことをやっていこうと思ったからですね。なかでも、ラップは果たしてどうなるのかはやってみるまでは分からなかった挑戦でした。ただ、最初から本格的なものをやろうという気はなかったんですよ。自分はこの曲もヒップホップだとは思ってないし。そういうジャンル性を深追いしすぎると、自分はヒップホップで育ってきた人間じゃないので、例えばここでガチガチに韻を踏んでとか、中途半端に本格派ぶるのも逆にどうかなと思ったんですね。なので、今回いろんなミクスチャー要素、例えばヒップホップっぽい瞬間とかメタルっぽい瞬間とかいろいろ入れてはいるんですけど、いずれも深追いしないというのが自分のルールで。あくまでもペンギンがそういう雰囲気のものをやったらこうなりましたというさじ加減。そういう範囲で新しい要素を入れて作っていきました。
──ああーなるほど。だから、新しいけれどもペンギンのポップさはちゃんと残るサウンド感になってる訳ですね。そして、歌詞も“決闘”というワードをキーにして書いていった感じですか?
堀江そうですね。決闘から、じゃあなにと戦っているのかというところから始まっていって。いろいろ案はあったんですけど、最終的に自分がしっくりきた相手。それは自分自身で。己と戦うことがテーマになりました。弱い自分と戦うということなんですけど、同じだけ理想の自分とも戦ってて。どっちも自分ですから、理想の自分VS生身の自分という構図ですね。だから、楽曲のなかで“俺を殴れ”といってるところは、理想としている自分が、そうなれてない今の生身の弱い自分を殴ってくるという形です。
──ということは、“生きてるか本能”というところも、理想としている自分が生身の自分に問いかけている、と。
堀江そういうつもりで書いてます。だから、「決闘」とはいっても、すごく強い人が主人公の歌ではなくて、そうなれていない弱い側の生身の自分が主人公で。それに対して、こうあれたらいいなと思う理想としている自分が襲ってくる感じですかね。
──強い人じゃないほうを主人公にしてしまうところがペンギンっぽくていいですね。
堀江歌詞を書くときは無理をしないので。自分はそんなに強くも真っ当でもないのに、そこを無理をして書くといいことはないので。だから、これも全能な自分がなにかをいうという歌ではなく、鏡のなかに理想の自分を置いて。鏡ごしにいまの自分と対峙してる。そういうイメージで書きました。