──MVはどんな仕上がりになったんですか?こちらも誰かと戦ってるんですか?
神田完全なる決闘ですね。ペンギンのMV撮影はいままでも決闘だらけだったんですけど。今回もさらなる決闘MVになりましたね。
──誰と戦ってるんですか?
神田“己”ですよ。完全に。今作は演出がどうとか演技がどうとかっていう小細工はなし。ひたすら演奏を何時間ぐらい?
新保7時間ぐらい。
神田それくらいやって。20テイク撮影したんですけど。筋トレと同じで、己との完全決闘ですよ。
生田20テイクっていうとワンマンと同じぐらいの曲数じゃないですか?ワンマンは間に緩やかな曲が入ったりMCも入りますけど、ひたすら「決闘」だけを20回やるんですよ。僕は実際に声を出す訳じゃないのでまだ大丈夫だったんですけど、周りを見ててるとボロボロになって次々と倒れていくんですよ。
神田1ラウンド4分半ぐらいを、ボクシングでもやらない20ラウンドまでやったことになりますからね。
堀江この曲、2〜3回やったら普通に無理なんですよ。
神田演奏するほうは。そのなかでも、とくによーよー(柴﨑)と恵大君は皆勤賞!!
新保神田さんのソロのときでも俺とよーよーは「いてください」っていわれて。
柴﨑ポジション的に写り込んじゃうからね。
新保一番俺らの出動回数が多くて。だから、今回も覚悟はしてたとはいえ、まあキツかった(笑)。
──そういうバックグラウンドも踏まえて、このMVの決闘を見てもらいたいですね。
柴﨑はい。
──ではC/W曲についても教えてください。「逆襲」もまた挑戦曲でしたね!
新保ペンギンでこういうミドルテンポで大きい感じのロックはなかったですからね。ドラムは、やってること自体はシンプルなんですけど、故にすごい大事で。音作りはいつも以上に気をつけて作りました。スネアがすごいこの曲は気に入ってて。テックさんにお借りしたものなんですけど。曲のデモを聴いたときに、「めっちゃ外タレ、洋楽な感じだ」と思ったので、アメリカのスネアを使おうと思ってカリフォルニア産のスネアを借りました。音も気に入ってますよ。
柴﨑この曲は、サビに裏メロみたいな感じでシンセが入ってるんですけど。ペンギンのレコーディングでは晶太さんが作ったデモの段階で音色まで決まってることが多いんですね。でも、今作のシンセパートのところは僕が家から自分のシンセを持っていって弾いたら、音色もばっちりハマったのでそれが使われてます。
生田この曲は、サビはいままで通りの僕の得意な高さだったのでパワフルに歌ってるんですが、それ以外の部分。とくにAメロなんて、いままでの曲と比べるとキーがすごく低いんですよ。なおかつ、ちょっと怪しくて暗いんですね。
──それを淡々とクールに歌っていくところが、新しくてカッコよかったですよね。
生田ありがとうございます。そこの歌の感じは、昔僕が「ジョーカーに宜しく」を歌ったときに出したかったニュアンスなんです。あのときは未熟が故にああいう形になったんですが。そこから数年後、いまは出せる幅が広がって、こういうものが歌えるようになりました。これも「決闘」と同じで、晶太といろいろ相談して。とくにBメロとかは歌詞よりもグルーヴを大事にしてて。聴いてても心地よくなるよう、自分が楽器の一部となって歌ったんですね。そういうのも含めて、ライブでやったらサビはバーンと弾ける気持ちよさがあって、それ以外はグルーヴ感が気持ちいいとか。聴いてて、いろんな気持ちよさが体験できる歌が歌えたと思ってます。
──しかも、最後はいままでにないニュアンスでめちゃくちゃカッコつけてる鷹司さんが出てくる。
生田うははははっ(笑)。気づいていただいてありがとうございます。いままで僕は(リスナーと)対等な目線で歌うことが多かったんですけど、この曲はちょっと(リスナーよりも)先をいってる、上から目線なニュアンスが出てくるんですね。最後のところは僕のソロになる瞬間でもあるので、カッコつけた自分をふんだんに出しました(笑)。
神田そうして、ギターはなんとペンギン史上2度目のドロップBチューニング。そして、なんとこの曲、ペンギン史上初のサビでギターが白玉なんですよ!
堀江ジャカジャカやってない。
神田ジャーン、ジャーン、ジャーンって伸ばすんですよ!これが新しい。
堀江新しいね。
神田普通のことなんですけど。
堀江ペンギン的にはおかしい。
神田そう!いままではぶわ〜って凄まじいスピードで体の限界地点でジャカジャカ往復してたから、こんなに伸ばすと体がおかしくなっちゃいますね。
──ゆとりがありすぎて。
神田ええ。そういう意味ではペンギンの新境地。ボーカルもそうだけど全体のサウンド感、ここまで楽器が弾いてない曲はなかったからね。いろんな新境地がつまってる。
堀江曲としては、前作に入れた「ハードロック★パラダイス」は自分がいままで聴いてきたハードロックバンドのいいところを要素として入れた曲だったですけど。今回はいろんな国々のスタジアムロックをやってるバンド、モンスターバンドと呼ばれる人たち。それと、自分が影響を受けてきたアメリカンなマッシヴロックバンド。それぞれの要素を拝借しつつも、これも「決闘」同様、そこを深追いしすぎない範囲で作りました。いまの僕らに映えるスケール感があって。音数が少なくなればなるほど、生々しさは前に出てくるので、それを生かすバランスを調整しながら作りましたね。
──歌詞のテーマは?
堀江いじめられっ子の曲ですね。自分も元々小学校の頃にいじめられっ子(いまは仲良し)にいじめられた経験があるんですけど。自分どころじゃすまないぐらいにいじめられてた子が中学のときにいて。その子がいじめられたところをたまたま通りかかったら、ものすっごい目、殺してやるぞみたいな目をしてたんですね。通りがかりに見たその光景が自分のなかにはいまだに残ってて。あの爆発的なエネルギーを秘めたような目をする瞬間って、人間誰でもあるんですよ。中学生だろうが高校生だろうが社会人だろうが。めちゃくちゃ悔しい瞬間とか、やりきれない瞬間に生まれるあの瞬間のエネルギーって、人間がもってる爆発力のなかでも一番上位にあると思ってて。それをこの曲に書いてみました。
──さらにもう1曲、本作には「boyhood(Live at TSUTAYA O-EAST”Penguin Go a Road 2019“)」のライブテイクも収録されてて。こちらも否応なく上がりますね。
生田この曲自体、僕らの想定外のところでライブで思わぬ方向に進化していって、ライブ定番曲になっていったので。ライブに来たことがない人にも分かりやすいかなと思ってこの曲を選びましたね。
――そうして、ペンギンのライブの雰囲気をもっと知りたいなと思った人には、「決闘」のMVに加え、TSUTAYA O-EASTのライブ映像3曲を収録したDVDがついた初回盤を買ってもらって。
生田そうです!いいんですよ、この映像が。
──このシングル発売前、5月3日から新しいツアー<PENGUIN RESEARCH LIVE TOUR〜Penguin Go a Road 2019〜「なぜ決闘なのか」>もスタートします。こちらのファイナルがペンギン史上初のアリーナとなる横浜文化体育館での公演となります。ずばり、ファイナルはどんなライブにしたいですか?
新保前回のツアーから今作のシングルも含め、より規模感のあるところに進んだペンギンというのを見据えて僕らは活動をやってきたんですね。横浜文体はライブにおけるその第一弾お披露目になる気がします。ペンギンが進化して規模が大きくなったところを、いろんなところから見せられたらと思ってますね。
柴﨑とにかく成功させたいです。ここをクリアしたら目標としているステージに格段にグッと近づける気がしてるので、文体は絶対成功させたいです。
生田初のアリーナワンマンなので、僕ら自身そこにどういう景色が待ってるのかはいま断言できることではないんですが。昨年からいろいろフェスに出させてもらったりツアーをやっていくなか、僕ら自身がもっと成長しないと前に進めないという実感があって。それがあっての今回のシングルであり、このツアーを迎えるんで。そのファイナルとなるアリーナワンマン。ここを、来てくれるみんなと一緒に乗り越えないと明日はない。僕らが来年生きてるかどうかはこのツアー、そしてファイナルの文体にすごくかかってると思うので、命をかける覚悟でやりたいです。「決闘」の楽曲じゃないですけど、理想の自分に負けたくない。そういう思いで挑みたいです。
神田前回のツアーで培ってきたもの、それが完成したものを文体で見せたいと前回のツアーファイナルで僕は思ったんですね。なので、このツアーとファイナルの文体では、それを見せるためにバンドとしての強度、質をあげてライブをしていきたいです。あと、せっかく「決闘」も出すんで、俺らのことをナメてるヤツとかムカついてるヤツほど来て欲しいんですよ。「1回来てみな」というメッセージを送りたいですね。「決闘」だから俺らのことを好きな人たちだけじゃなくて、知らない人とか、むしろ嫌いな人。そういう人が見ても「うわっ! カッケー」って思えるバンドの強度。それをつけるツアーをしてくるんで、文体にぜひ来て欲しい。
堀江バンドとしては大きな節目になるんですよ。文体は。例えが正しいかどうか分からないんですけど、賃貸物件に住んでると2年ごとにこのままここに住むのかどうかという契約更新の時期がくるじゃないですか? それに近いものがツアーのラストにはあって。いまのままでいくのがいいのか、新しいところにいくのが。いろんな選択肢がある。おそらくこの横浜文体も、ペンギンにとっては終わった瞬間にその先どうしようかという選択肢を考える瞬間になると思うので。どこに行くにしても、いまから始まるツアーと文体でいまのレールを走るペンギンが終わるのは間違いなくて。終わったあとは、またそこから別のペンギンの道が始まる。横浜文体はそういうバンドとして節目の場所になるだろうから、後悔のないステージを僕らもやらなきゃいけないし、観に来てくれる人も「観といてよかった」と思うステージにしたいなと思いますね。
──炎の演出も期待してますね。
堀江予算次第っすね。そこは。
神田会場の都合とかすべてがクリアできたらいきますよ! スタッフさんもそういうのが大好きな人が多いんで。
PRESENT
直筆サイン色紙を3名様に!
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