──ちなみに、アルバム収録曲の中で、ライヴを通して化けてきているなと思う曲はあります?
Dr. 響
JaYさんも言っていた「Cee」もそうですし、「箱の底のMUSIC」もそうですね。この曲は唯一同期がないのでフリーテンポなんですけど、一回やった後にテンポをあげて半回ししてるんですよ。そこへの繋ぎとか、どれぐらい速くするのかとかは、ここまでやってくる中でどんどんわかってきているし、お客さんがよりノリやすいような形にできていると思いますね。
Ba. 燿
僕としては、レコーディングしたときから思っていたことではあるんですけど、「actor」は場面展開が多いので、ああいう切り替わりが激しい曲はライヴでやっていておもしろいですね。この曲もライヴアレンジをしていて、締め方がだいぶ違うので、そこも見て欲しいところでもありますね。
──ライヴアレンジしているところが結構多いんですね。
Ba. 燿
ツアー前に考えていたものから、微調整ではあるんだけど少しずつ変わってきて、それがようやく落ち着いてきたところはありますね(笑)。そういうアレンジはメンバーで思いつくこともあるんですけど、ライヴのスタッフさんの「ライヴを観ていて思ったんだけど……」という話を採用することもあったりして。まだちょっとした変化がこのツアー中にあるかもしれないですね。
──チームで作り上げているんですね。彩雨さんはいかがですか?ライヴで化けてきた曲を挙げると。
Key. 彩雨
「MONSTER」は4つ打ちなので、いわゆるノリノリ系な感じではあるんですけど、ウチのお客さん的にはもっと速くてドカドカいっているほうが好きなんだろうなと自分で思いながらも、こういう曲を作っているんですよ。やっぱり全部がそういう曲だったら、なんかちょっと疲れちゃうじゃないですか。疲れちゃうというのもあれですけど(笑)、同じような曲ばかりが続いてもっていう。だからちょっとした変化球のつもりで作ったんですけど、いいフックになってきてますね。それはひとえに、響くんとJaYくんがノリノリでやってくれているからだろうなと。
──JaYさんとしても、昔の4つ打ちとはまたちょっと違う感じがあります?
Gt. JaY
いや、昔と比べてどうかはちょっとわかんない(笑)。
──失礼しました(苦笑)。そうですよね(JaYは2018年5月に加入)。
Gt. JaY
でも、4つ打ちの曲だと「Round & Round」とかがあったけど、あの曲よりも「MONSTER」のほうが、こっちから見ていてお客さんが楽しそうにしている感じはありますね。あの曲の途中のところは響と一緒に考えたんですけど。
Dr. 響
2人でユニゾンしてるところは、たとえばメタルコアとか、僕が前にやっていたジャンルではあるんですけど、あそこに苑さんのクリーンの声が乗ってくるのは結構新しいなっていう感じがあって。
Gt. JaY
ああいうときって普通やったらデスボイスやもんな?
Dr. 響
うん。だいたい楽器だけかシャウトを乗せるパターンが多いんですけど、そこが摩天楼オペラならではの新しい感じになっているかなと思います。
──現体制でのライヴを作り上げていくにあたって、摩天楼オペラのライヴはどういうものなのか考えたりはしましたか?
Vo. 苑
今回のツアーは「この5人だからこうしよう」というよりは、「この5人で作った『Human Dignity』だからこうしよう」っていう感じですかね。少し前までは、とにかくお客さんをノらせることを重視してライヴを組み立てていたんですけど、今回のアルバムはそれこそキャッチーというか、聴かせる曲も結構多いんですよ。
──「見知らぬ背中」や「SNOW」がそうですよね。
Vo. 苑
そうですね。だから、曲をちゃんと聴かせることのできるセットリストにすることをまず考えたんですけど、ライヴを想定して『Human Dignity』の曲たちを並べたら、これがベストというか、これ一択だったんですよ。こういうセットリストの組み方は、摩天楼オペラとしては初めてだったんですけど、いざ初日を迎えてやってみたら、変更点ほぼなしっていう。今まで以上にノせるところはノセて、今まで以上に聴かせるところは聴かせるというメリハリがついたところが、今と昔で違うところかなと思いますね。いい緩急がついてると思います。
Key. 彩雨
そういうセットリストのほうがウチらっぽいかもなとちょっとってはいたんですけど、昔の自分たちだったら、もし同じ曲があったとしても、今のセットリストにはならなかったと思うんですよ。
Vo. 苑
いやあ、ならなかっただろうね。だから僕としては、大人になった摩天楼オペラの見せ方になっているなと思ってますね。
──ツアーファイナルは、5月6日に恵比寿LIQUIDROOMで開催されますが、その前日である5月5日には同会場にて12周年公演を行なわれます。このライヴはツアーとは別物になるんでしょうか。
Vo. 苑
まったく違う内容にしようと思ってます。せっかくの2デイズなのに同じことをしてもおもしろくないので、周年祭のほうは「摩天楼オペラヒッツ」みたいなものにしたいなと思ってはいるんですが、今はツアーで頭がいっぱいなので(笑)、もう少ししたら準備をしようかなと思います。
──ツアーファイナルのほうはいかがでしょうか。
Vo. 苑
もう楽しいものにしかならないと思いますよ。今、メンバー全員が楽しんでライヴをしていて、そこまでには頭で考えてやるというよりは、無意識で身体が動くようになっていると思うし、お客さんもお客さんですごい成長してるんですよ。打ち合わせでもしてるのかなって思うぐらい、みんなが同じ動きをしていたりとか。だから、僕らもお客さんもライヴを育てていって、それが最高の状態になるのがツアーファイナルだと思うので。このツアーに来てくれた人全員が恵比寿に集まってくれると嬉しいです。
PRESENT
直筆サイン色紙を2名様に!
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