──では、12月12日。2日目のほうはどんな感じになるんですか?こちらはゲストの数がすごいことになってますよね?
だからこっちはね、不安でしょうがないんですよね(笑)。12日はマジ渋滞してて。俺のライブっていう感じしないもん。ぶっちゃけ(笑)。だから、こっちは祭っすね。そういうものになると思います。
──それぞれにゲストも違えば、内容も違う。そんなツアーファイナルで今年のワンマンを締めくくって。12月12日は、SKY-HIの誕生日でもあり、2年ぶりのオリジナルアルバム『JAPRISON』リリース日でもあるので、ここからはアルバムのお話を伺っていきたいと思います。今作は、かなり前にアルバムのタイトルだけ発表してましたよね?
制作の工程上、タイトルから作ったアルバムだから。今作は。
──そうなんですか?
うん。レコーディングは10月にしてるのに、9月2日には“SKY-HI、アルバム『JAPRISON』リリース”っていっちゃってたんだから(笑)。“JAPANESE RAP IS ON“で、『JAPRISON』なんだけど。だから、このタイトル作ったときは、もっと社会的な話をしちゃいそうだったんですよ。だけど、それが面白くなくて。もしも毎日に息苦しさとか、明日学校行くの嫌だなとか。スクールカースト、職場の人間関係、もろもろで毎日が嫌になっちゃった人がいたとしたら、その監獄(=PRISON)みたいなものはその人のプロブレムだから、ここで社会全体のことを政治がどうだ経済がどうだって、感じてるPRISONはいっぱいあるけど。そんなシニカルな話をいくらしたところで、その人が明日学校であう嫌な目を避けることはできない訳ですよ。
──日本という社会がPRISONから抜け出したところで個人のプログレムは抜け出せない。
それを考えたら、個人の話がどんどん増えていったの。今作がそうなっていったのも、すべては「New Verse」のお陰っすよ。
そういう人の痛い部分を隠さず書いたら、思った以上に痛かったんですよ
──おぉー!!今作はかなり重厚感があるアルバムで、人間にまとわりついてくる様々な檻について考えていくなか、たどりついた「New Verse」ではSKY-HIがパーソナルな葛藤や迷いまで吐露していく。それらすべてを大きな愛で包んでいく「Marble(Rerec for JAPRISON)」の救済感たるや。これがもうね、半端ないですよ。
俺もね、まったく同じことを感じてます。「Marble」(2017年にデジタルアルバムとして発売したタイトル曲)をよりよく聴かせるためにってことはいろいろ考えてはいたんだけど、「New Verse」でこんなこと書くとは思ってなくて。歌ってるうちに、こういう自分の痛み?みんなそれぞれ“黒歴史”ってあると思うんだけど。初めて書いた原稿を目の前で音読されたらキツいじゃないですか?
──そうですね。
中学の卒アルとか“見ないで”ってなると思うんすけど。そういう人の痛い部分、あんま触れないで欲しい部分が出てきてしまって。
──「New verse」では。
そいうことを隠さず書いたら、思った以上に痛かったんですよ。キューンと締めつけられて。ブースのなかで歌ってるときは無我夢中だったんですけど。
──その、痛かった部分というのは2バース目のラップパートのところですよね?
そう。レコーディングに向かうタクシーのなかで、こういうこといおうって思いながら書いてって。ブースに入って、それをラップにして入れてくという作業をやったんですけど。
──タクシーのなかで書き留めていた短いセンテンスを見ながらラップをしていったということ?
ううん。僕の場合、それが長くて。歌詞の3倍ぐらいある文章なんですよ。それを削ったりしながら、レコーディング当時にラップしてったらこうなって。要は、このバース、レコーディグ当日まではなにもなかった訳ですよ。
──えーっ!!
だから、ブースの外にいたスタッフにプレッシャーも感じながらラップしました。いつもはプリプロをしたり、事前に歌詞を送って“いいね。これでいこう”っていうのを経てレコーディングに向かうんだけど。
──「New Verse」の2バース目は生まれたてをそのままRECした様なもの?
そう!生だからよく聴くと“俺はいつもヒール”の“ル”とか“いや 俺自身が”の“お”とか、ちょっといえてない疑惑があるんですよ(笑)。でも、テイクとしてはこれがベストで。これがあったから「Marble」の歌を全部録り直したんですよ。感情が「New Verse」でこんなになっちゃってるのに、いきなりここで前の「Marble」のテンションだとおかしいだろうと思って。あと、1カ所だけ歌詞を変えたかったのもあるけど。それで歌い直しました。
──すべては「New Verse」のせい?
そう!
(つづく)
次回は「New Verse」が誕生した経緯、そこからアルバム『JAPRISON』がどう変わっていったのかを探ります。
≫ SKY-HI アルバム『JAPRISON』で自らを曝け出し挑むツアー、「自分にしかできない“パワー・オブ・エンタテインメント”を提示します」
≫ LINE MUSIC 12/11・12 豊洲PIT SKY-HI RAGツアー最終公演予習プレイリスト
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