ピンク・フロイド完全再現!究極のトリビュートバンド『BRIT FLOYD』初来日。【横山シンスケのライブオアダイ】連載:第26回

コラム | 2020.01.31 18:00

ここ数年洋楽アーティストの“トリビュートライブ”が日本でもどんどん根付いてきて大きな盛り上がりを見せている。
ビートルズやツェッペリンなんかは昔からよく色んなスタイルで行われていたし、今再び大人気のクィーンも色んな形でトリビュートライブが行われている。それだけ盛んに行われるようになったという事は、それだけ沢山のお客さんがトリビュートライブというものに関心を持って集まるようになり、大きな支持と注目を集めているという事である。
ロックも長い歴史を積み重ね始め、その分僕らロックリスナーも当然歳を取ってきた。かと言って数々の伝説の古典ロックバンドの全盛期のライブをオリジナルメンバーで今見れるわけもない。だから昔からのロックの文化を受け継ぐという意味でもクラシック音楽のようにロックもリスペクトするアーティスト達がその伝説の音楽と演奏をライブで歌と演奏を再現し語り継いでいくというのは一人のロックファンとして僕も大賛成である。

このピンク・フロイドの究極のトリビュートバンド、BRIT FLOYD(ブリット・フロイド)は2011年にリバプールで結成されており、もうすでに世界中で何と千回を超すライブをこなしており、200万人もの観客を動員しているという。以前からブリット・フロイドというピンク・フロイドのトリビュートバンドがいるという噂は聞いていたが、言っても「トリビュートバンド」なので、そんなにも凄い事になっているとは全く知らなかったので本当に驚いた。それってもう「トリビュート」というレベルではなく「本物」の大物バンドのレベルとスケールだ。
そんなにも凄いんだという事を知って、ではその肝心の音とパフォーマンスはどうなんだろうと思い、YouTubeに公式のライブ動画が多数アップされていたので恐る恐るそれを見た僕は度肝を抜かれてしまった。ブリット・フロイドは本当にピンク・フロイドを完全再現してしまっていたのだ。僕も思わず「ホントに完コピしてるじゃん!!」と声を出てしまった程だ。

「プログレッシブロックの王者」とも言われるピンク・フロイドを完全再現するには当然最も高い世界レベルの音楽テクニックと技術が求められる。しかもピンク・フロイドファン及びプログレファンは全ロックリスナーの中でも最もそのテクニック力や音に対するこだわりなどに関してうるさいので(偏見のある言い方ですいません…)、それに正面から向き合うのには相当なエネルギーと精神力を要する。そんなあまりにもハードルの高い要求をこのブリット・フロイドというトリビュートバンドは完璧な仕事で見事にこなしていたのだ。これは世界中から絶大な支持を集めるはずだな、そう思った。
それとピンク・フロイドは日本でも当時から人気を博していたが、海外ではもうそれを遥かに上回る圧倒的な人気を誇っていて、ビートルズやストーンズやツェッペリンとかと並ぶ完全に別格の存在のロックバンドであった。だから、このブリット・フロイドの海外での凄まじいライブの本数や動員力を見た時には驚きと同時に、ああやはりピンク・フロイドは今でもアメリカやイギリスやその他の国々であまりにも特別な存在なのだなと思った。だからそんなピンク・フロイドを完全再現してしまうこのブリット・フロイドのライブに新旧の沢山のロックファンがロマンを求め足を運んでいるのだという事にも気付き、思わず納得してしまったのだった。

■"One of These Days" performed by Brit Floyd - the Pink Floyd tribute show

■"Time" performed by Brit Floyd - the Pink Floyd tribute show

それともう一つ重要な要素として、ピンク・フロイドのコンサートには昔から必ず「光と音の大スペクタルショー」というキャッチフレーズがついていて日本にもそれが伝説的に伝わっていた。ピンク・フロイドは自分達のその壮大な世界観をライブで再現する為に当時から信じられない程の莫大な予算をコンサートにつぎこみ、ステージに史上最大と言われる巨大なセットとサウンドシステムを組み、その時代その時代の最先端の映像技術とライティングを駆使し、フロイドのシンボルでもあるピンクの豚の超巨大風船を会場に飛ばしたり、あまりにもブッ飛んだ音と光と派手な演出の数々で見に来た観客をすべて圧倒し熱狂させていた。
ブリット・フロイドの素晴らしいとこはそれも忠実にきちんと再現しているとこで、ライブ動画を見てると、ステージ上の大円形スクリーンや会場全体を縦横無尽に照らしまくるレーザー光線や様々なライティング、そしてクライマックスでは豚の巨大風船もきちんと登場している。演奏とパフォーマンスさえ完璧に再現されていれば観客もきっと文句は言わないと思うのだが、このブリット・フロイドの信頼できる点はちゃんと大きな費用をかけ、そのピンク・フロイドの伝説の光と音の大スペクタルショーを現代にきちんと再現させているところだ。きっとこのライブショーのプロデューサーで音楽監督でギターボーカルのメインメンバーでもあるダミアン・ダーリントンの細部までの強いこだわりとピンク・フロイドに対する大きな尊敬の念がメンバーやスタッフにも伝わり、この素晴らしい愛と魂のこもった一大エンターテイメント空間を創りあげているのだろう。こういうダミアンのような本物のアーティスト(本物のオタクと言ってもいい)は100パー信用していい。なぜなら本物のオタクは「好きなものに対して絶対に手を抜かない」からである。

■"The Great Gig in the Sky" performed by Brit Floyd - the Pink Floyd tribute show

■"Money" performed by Brit Floyd - the Pink Floyd tribute show

そんなブリット・フロイドの初来日公演は2月26~28の三日間連続で中野と渋谷で行われる。三日間全部購入して毎日通うブリット・フロイドのファン、そしてピンク・フロイドファン、プログレファンも沢山いるらしい。セットリストもピンク・フロイドのベストオブベスト(もう一個ベストをつけたいくらい)な究極のセットリストらしいので、その人気と今回の期待度の高さは凄い事になっている。
僕もブリット・フロイドのライブ動画にすっかりハマってしまい、今回のライブの予習もかねて毎晩飲みながら1人で遅くまでそれを見続けては盛り上がってしまっている。
もう何十年も前の歴史的伝説のステージが現世に突然完全な姿で目の前に蘇ってしまう。きっとそんな相当ヤバいライブになると思う。

■"Shine On You Crazy Diamond (Parts I-V)" performed by Brit Floyd - the Pink Floyd tribute show

■"Wish You Were Here" performed by Brit Floyd - the Pink Floyd tribute show

公演情報

DISK GARAGE公演

~The World's Greatest Pink Floyd Tribute Show~
Brit Floyd “40 YEARS OF THE WALL” In Japan 2020

2020年2月26日(水)27日(木) 中野サンプラザホール
2020年2月28日(金) LINE CUBE SHIBUYA [渋谷公会堂]

出演:Brit Floyd – The World’s Greatest Pink Floyd Tribute Show
※PINK FLOYDメンバーの出演はございません。

<BRIT FLOYD 予定演奏曲目>
吹けよ風、呼べよ嵐 / ALBUM「おせっかい」
タイム / ALBUM「狂気」
虚空のスキャット / ALBUM「狂気」
マネー / ALBUM「狂気」
クレイジー・ダイアモンド / ALBUM「炎~あなたがここにいて欲しい」
あなたがここにいてほしい / ALBUM「炎~あなたがここにいて欲しい」
アナザー・ブリック・イン・ザ・ウォール(パート2)/ ALBUM「ザ・ウォール」
コンフォタブリー・ナム / ALBUM「ザ・ウォール」
他、グレーテスト・ヒッツな構成でお贈り致します!

チケット一般発売日:2019年12月14日(土)

 

▼チケット一般発売中!
各プレイガイド、およびディスクユニオン 新宿プログレッシヴロック館にて!

・e+(イープラス) https://eplus.jp/britfloyd/
・チケットぴあ https://w.pia.jp/t/britfloyd/
・ローソンチケット https://l-tike.com/britfloyd/
・ディスクユニオン 新宿プログレッシヴロック館(東京都新宿区新宿3-31-4 山田ビル3F)
ディスクユニオン

PROFILE

横山シンスケ

渋谷のイベントライブハウス「東京カルチャーカルチャー」店長・チーフプロデューサー。その前10年くらい新宿ロフトプラスワンのプロデューサー、店長。ライター、司会、外部企画もやってます。10代の頃、音楽好きの外国人のおじさんにピンク・フロイドの事を聞いたら「シラフで聞く音楽じゃない」と言われ、大人になってからその意味が分りました(笑)。

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