5年ぶりのニュー・アルバム『PLAY』をひっさげて全都道府県を回るツアー中、そのファイナルとして10月3日(水)に初の日本武道館ワンマンを行うROTTENGRAFFTY。その武道館をゴールとする全都道府県ツアー中のNOBUYAとN∀OKIに、現状と武道館への決意を訊いた。
お客さんがきれいにマーブルになっているのが、すごくうれしい(N∀OKI)
──『PLAY』をリリースしてツアーに出て、今、全日程の半分くらい回ったところですよね。お客さん、これまでにない反応があったりします?
N∀OKI(Vo.)お客さんの年齢層が、またグッと広がって。おっちゃんが熱くなって、前の方でワーッてやってたり、おばちゃんが化粧ボロボロになりながらアガってたりして、若い子に混じって。若い子ばっかりとか、おっちゃんばっかりとか、男ばっかりとか女ばっかりとかなるんじゃなくて、きれいにマーブルになっているのが、すごくうれしいですね。年齢層が偏ってないっていうのが。
この前はライブハウスの近くで中学生に「今日ライブ行きます!僕、ギター始めたんです」って話しかけられて。そういう子もいれば、夫婦で来てはる人もいる。子連れもいたりして。前はここまで幅広くなかった。それは本当に目に見えて感じますね。
この前はライブハウスの近くで中学生に「今日ライブ行きます!僕、ギター始めたんです」って話しかけられて。そういう子もいれば、夫婦で来てはる人もいる。子連れもいたりして。前はここまで幅広くなかった。それは本当に目に見えて感じますね。
NOBUYA(Vo.)たとえば、僕らと同世代の方や歳上の方がライブハウスに来てくれてるのは、ある程度子育ても落ち着いて、ライブハウスに戻って来れる余裕ができたんやと思うんですね。「あ、あいつらまだやっとんのか」っていう。でも、下の世代は……この前水戸でライブやったんですけど、制服のまま来てる女の子とかもいて。すごい新鮮で、うれしくて、「なんでこういう世代が僕らに反応してくれてんのかな?」って思うんですけど……僕ら、よく若い世代のバンドと一緒にやったりするので。それで、ロットンを最初に観た時は目当てのバンドじゃなかったけど、今度自分の街に来るんだったら行ったろかい、っていう人が増えたんかな、と思うんですよね。
それは、若いバンドマンたちが「ロットン兄さん、僕らのツアーのゲスト来てくださいよ」って言ってくれたおかげやと思うし。僕らも若い世代のバンド、「あ、こいつらかっこいいな」と思ったら、僕らのツアーとか、僕らの『ポルノ超特急』ってイベントに呼んだりもして。そういうところで、バンドって活きて行ってんねやな、シーンって育って行ってんねやな、って……僕らがやってるのは、すごい小さいかもしれないですけど。でも、ちゃんとそれがお客さんにも伝わってんねやな、っていうのは、この前の水戸のライブで感じたりもしましたね。
それは、若いバンドマンたちが「ロットン兄さん、僕らのツアーのゲスト来てくださいよ」って言ってくれたおかげやと思うし。僕らも若い世代のバンド、「あ、こいつらかっこいいな」と思ったら、僕らのツアーとか、僕らの『ポルノ超特急』ってイベントに呼んだりもして。そういうところで、バンドって活きて行ってんねやな、シーンって育って行ってんねやな、って……僕らがやってるのは、すごい小さいかもしれないですけど。でも、ちゃんとそれがお客さんにも伝わってんねやな、っていうのは、この前の水戸のライブで感じたりもしましたね。
N∀OKIあと、フェスとかも有り難い事にたくさん呼んでもらってて、そこで「目当てじゃないけど、よく名前きくし観とこかい。あ、こういうバンドなんや?」っていうところから……ロットンみたいに、ゴリゴリでガーッてやる暑苦しいバンドって、最近いないような気がするんですよね。みんなもっとシュッとしてるというか、オラオラ系はそんな出会わないな、っていう。だから珍しいんかな、と思って。でも、フェスはほんと効果を感じますね。大きいなと思う。
若い時にやるべきことを、俺らはすっ飛ばしてた、という後悔があった(N∀OKI)
──このリリース・ツアーの鬼のような本数は、どういう経緯で?
N∀OKI単純に、47都道府県をワンツアーで回ったことがなかったんですよ。43本くらいで終わったりとか、「ここの県は先にスケジュールが決まってるし、やめとこか」とかいうのがずっとあったんですけど。でも、この歳で47都道府県をきっちり回りたい、っていうのは……一回目のメジャーの時に、僕らは本数をそこまでできてなかったんです。ツアーは12~13本、多くて20本くらいで。
で、まわりを見回したら、10-FEETも(マキシマム ザ)ホルモンもガッツリ回って、ガッツリお客さんを自分らのもんにしてて。そこの差ってすごい……若い時にやるべきことを、俺らはすっ飛ばしてた、と思ったんですね。俺らが足りなかったのはそこや、と。特に今年はツアー・ファイナルが日本武道館っていうのもあるし、各地で待ってるみんなにこっちから会いに行こう、っていう感じですね。
で、まわりを見回したら、10-FEETも(マキシマム ザ)ホルモンもガッツリ回って、ガッツリお客さんを自分らのもんにしてて。そこの差ってすごい……若い時にやるべきことを、俺らはすっ飛ばしてた、と思ったんですね。俺らが足りなかったのはそこや、と。特に今年はツアー・ファイナルが日本武道館っていうのもあるし、各地で待ってるみんなにこっちから会いに行こう、っていう感じですね。
──そうか、若い時にそれをやらなかった後悔が──。
N∀OKI僕はめっちゃあったんです。当時ホルモンとか、ボロボロになって回ってたから、炊飯器を機材車に積んで。10-FEETも、最初のツアーとかもうボロボロの状態で行ってて……数を回ればいいってもんでもないんでしょうけど、でもそこで磨かれたライブ感が、ホルモンにも10-FEETにもすごいあると思って。「ああ、それ俺らやってないなあ」っていうのは凄いあったんですね。
それで、いったんリリースがなくなって、35歳くらいからまたリリースできるようになったんです。その時から、どんどんタフにツアーして各地にお客さんを作っていく、こっちが時間かけて会いに行くっていうのが、ライブ・バンドとしていちばん大事やと思って。メディアを使ってサラッと広げるよりも、そうやった方が地崩れが起こらないと言うか、ブレなく進んでいけるようになる、っていうのは本当に思いますね。
上の世代で「もうそこまで回らんでええやん」みたいな人たちも、すっごい回ってますよね、BRAHMANとか。やっぱりツアーが、いちばんダイレクトにお客さんに伝わるとこなんで。そこはまだまだ、左団扇ではできないですね。
それで、いったんリリースがなくなって、35歳くらいからまたリリースできるようになったんです。その時から、どんどんタフにツアーして各地にお客さんを作っていく、こっちが時間かけて会いに行くっていうのが、ライブ・バンドとしていちばん大事やと思って。メディアを使ってサラッと広げるよりも、そうやった方が地崩れが起こらないと言うか、ブレなく進んでいけるようになる、っていうのは本当に思いますね。
上の世代で「もうそこまで回らんでええやん」みたいな人たちも、すっごい回ってますよね、BRAHMANとか。やっぱりツアーが、いちばんダイレクトにお客さんに伝わるとこなんで。そこはまだまだ、左団扇ではできないですね。
武道館で僕らのバンド人生を提示できないと、負けになると思っている(NOBUYA)
──今年このタイミングで初めての日本武道館ワンマン、というのは、どのように決めたんでしょうか。
NOBUYA 来年僕ら、20周年なんです。6月10日に「ロットンの日」って、毎年何かやってるんですけど、来年の20周年の6月10日に武道館をやりたかったんです。でも来年は武道館が改修工事なんですね。それでスタッフが持って来てくれたのが、「今回のツアー・ファイナルを武道館にしたらどうですか?」っていう案で。それでも、抽選で当たるかどうかもわからない状況ですけど、スタッフに「じゃあ申し込みお願いしていいですか?」と。それで、10月3日が奇跡的に取れまして。
N∀OKIでも、20周年よりも前倒しになって逆によかったな、と今は思ってるんです。今やってるツアー、1本1本が武道館につながっていってるんやなっていうのは、お客さんも、僕らも……下手したら、僕ら以上にお客さんがそれを感じてるっていうのもありますね。ほんまに、単純に、シンプルに、各地回って最後に武道館っていうのはわかりやすいから。僕らもそこを目標にして突き進んで行くっていうのはいいし、19年目の武道館っていうのは感慨深いとこもあるし。
発表してからのまわりの反応に、「あ、武道館ってすごい場所やわ」って気付かされたとこもありますね。「会場が小さいとか大きいとか関係ないやろ」みたいな時期もあったんですけど、よう考えたら自分の好きなアーティストもいっぱい武道館に立ってるし。だからワクワクしてる感じですね。ツアーを回り終えて、満身創痍で武道館に立ってるかもしれないですけど(笑)。
発表してからのまわりの反応に、「あ、武道館ってすごい場所やわ」って気付かされたとこもありますね。「会場が小さいとか大きいとか関係ないやろ」みたいな時期もあったんですけど、よう考えたら自分の好きなアーティストもいっぱい武道館に立ってるし。だからワクワクしてる感じですね。ツアーを回り終えて、満身創痍で武道館に立ってるかもしれないですけど(笑)。
──どんなライブにしたいと考えておられますか。
NOBUYAやっぱり今回のツアーでやって来たことと、ROTTENGRAFFTYらしさ、泥くさい感じとかももちろんやるつもりでいます。武道館って特別な場所だし、ツアー・ファイナルっていうことで来てくれるみなさんも特別な感情を持って来られると思うので。それに応えられるように、ちゃんと見せないといけない部分と、泥くさい部分、その両方がある、混沌としたカオティックな空間を作れたら僕らの勝ちかな、って思いますね。
あと、ツアーのファイナルなんで、ニュー・アルバムの曲もたくさんやると思うんですけど……僕らのバンド人生というか、そういうのが提示できないと、僕らの負けになるとも思っていて。MCで語るつもりはないけど、それを音楽で表現できないと、悔いが残るんじゃないかなと思います。「ああ、負けたな」って思いたくないから。
お客さん、「15年ぶりにライブに行きます、武道館やから」みたいな人もいれば、「最近ファンになりました」みたいな人もいるやろうし。僕らが19年間の中で出会った人たちが大集結する場所じゃないですか。それはとても楽しみやなと思うし。たぶん憶えてる顔とかもいると思うんですよね、「あの頃来てたお客さんや」とか。その方が、家族を持って、お子さん連れて来ていて、「俺、若い時、こいつらのライブめっちゃ行きまくってたんや」みたいな会話をしてて……って想像すると、僕らはすごい幸福やなと思いますね。
あと、ツアーのファイナルなんで、ニュー・アルバムの曲もたくさんやると思うんですけど……僕らのバンド人生というか、そういうのが提示できないと、僕らの負けになるとも思っていて。MCで語るつもりはないけど、それを音楽で表現できないと、悔いが残るんじゃないかなと思います。「ああ、負けたな」って思いたくないから。
お客さん、「15年ぶりにライブに行きます、武道館やから」みたいな人もいれば、「最近ファンになりました」みたいな人もいるやろうし。僕らが19年間の中で出会った人たちが大集結する場所じゃないですか。それはとても楽しみやなと思うし。たぶん憶えてる顔とかもいると思うんですよね、「あの頃来てたお客さんや」とか。その方が、家族を持って、お子さん連れて来ていて、「俺、若い時、こいつらのライブめっちゃ行きまくってたんや」みたいな会話をしてて……って想像すると、僕らはすごい幸福やなと思いますね。
PRESENT
メンバー全員のサイン入りポスターを3名様に!
※転載禁止
受付は終了しました