インタビュー/永堀アツオ
2014年9月に、所属していた4人組アイドルグループAeLL.(エール)が活動を休止し、ソロシンガーとしての活動に専念してきた西恵利香が新段階に突入した。グループ在籍中の’13年6月にソロデビュ−を果たした彼女は、自主企画イベントを定期的に開催し、これまでに5枚のミニアルバムを発表してきた。80年代テイストのポップソング「MUSICを止めないで」などの名曲を残してきた彼女は、この秋にCICADA(シケイダ)やAFRO PARKER(アフロ・パーカー)が所属するレーベル・para de casa(パラ・デ・カサ)へと移籍し、クラブミュージックとの親和性の高いバンドサウンドに接近。12月には、両グループに加えて、G.RINAやDÉ DÉ MOUSE、Yokemura(YMCK)、ひろせひろせ(フレンズ)らが楽曲提供したキャリア初のフルアルバム『soirée(ソワレ)』をリリースし、初のワンマンライブが開催されることも決定した。音楽を止めないでと歌い、今年のバースデーライブでは「私は絶対に歌をやめない」と宣言した彼女がシンガーとしての現在地とは——。
──2017年1月11日のバースデーライブで「私は絶対に歌をやめない」と宣言したんですよね。
そうですね。あの時は、周りの子がどんどん辞めていったりとか、グループが解散したりっていう話もよく聞いてて。自分もグループにいた時に活動休止があって、ファンを悲しませた立場を経験しているので、もうそんな悲しい思いはさせないよっていう約束をする意味を込めて言ったんですね。あと、大人を動かしたくて言ったっていうのもあります(笑)
──あはははは。実際に動いたわけですよね。レーベル移籍を始め、いろんな変化をもたらした言葉だったと思います。
腕力で動かしました(笑)。ゼロからとは言わないですけど、ここからまた新しいスタートが始まるなって思っていて。アルバムを出して、ワンマンライブがあって。来年に向けて加速していくいい機会になるだろうなっていう感じがしてますね。
──移籍に関してはどう感じてます?
楽しみですね。ただ、これまでの西恵利香を知ってる方々は……レーベルを移籍したことで戸惑うファンとか、前の方が良かったっていう人も絶対にいると思うんですね。実際、SNSでそういう声も目にしちゃうんですけど、できるだけ受け入れてもらえたらいいなって思ってます。
──まず、10月1日に移籍第1弾シングルとして「LAST SUMMER DRESS / AFFOGATO」が配信されました。
1曲目の『LAST SUMMER DRESS』は8月の自分の企画イベントでお披露目した曲なんですけど、海が似合うようなキラッとした感じがありつつも、夏の終わりの切なさも込めて作った、アーバンでアダルトなミドルチューンだったんですね。『AFFOGATO』=アフォガードアイスクリームにコーヒーかけて食べるデザートなんですけど、寒くなる手前のちょっと寂しい感じになってて。私、結構、ヒップホップも聞くので、ラップもやらせてもらって。
──この2曲だけでこれまでと全然違うっていう印象を受けた人は多かったと思います。サウンド的にはまさにアーバンなテクノポップやR&Bになってますし、どこか苦味も増していて。
そうですね。爽やかな感じにはしたくなかったんですよ。私も来年の1月には29歳になるので、30代に入る前に、これから先も歌っていける曲をやりたいなと思って。例えば、結婚して、子供が生まれたとしても、堂々と歌えるような曲。人生にしても恋愛にしても、いいことばかりじゃないと思うので、そういう黒い部分というか、綺麗ごとばかりじゃないっていうことも歌っていきたいなと思ってたんですよ。
1stフルアルバム「soirée」の詳細を発表!