岸谷香、Unlock the girlsで巡るツアーがスタート!ツアー2本目、神奈川・CLUB CITTA’公演をレポート

ライブレポート | 2026.06.22 18:00

KAORI KISHITANI / Unlock the girls LIVE TOUR 2026
"59th SHOUT!" ~A面に恋をしたあなたへ~
2026年6月19日(金)神奈川・CLUB CITTA

本文中に数曲、曲名の記載がございます。ネタバレを気にされる方はライブ参加後にご覧ください。

久々のバンドツアー、どんなスタートになるんだろうと、勝手に予想していたのだけれど、それは、見事にはずれた。だからこそ余計にその1曲目を集中して聴き入ることになった。それは多分、岸谷の狙い通りの反応だったろうし、1曲目を終わらせて、しばし訪れた曲間の静寂を破るギター・ストロークを、それこそガツンと弾ける彼女のカッコ良さ。「これがやりたかったんじゃん」と思わず心の中でつぶやいてしまったけれど、グッと身を屈めて溜め込んだエネルギーを利用して思いきり高くジャンプするような展開に乗せられて、客席は早くも2曲目で一気に熱を帯びていった。

そして、最初のMC。今回はベースのHALNAが産休のためメイ子が代役を務めることを手短に話した後、「最後までう〜んと楽しんでいってください!」と岸谷が声をかけると、“もちろん!”という感じで会場全体の空気があらためて前のめりになっていく。それを敢えて焦らすようにYukoがタメの効いたリフを鳴らして、最新シングルの「ボディガード」が始まった。その間に岸谷がギターをいつものテレキャスターに持ち替えているのに気づいて、さっきまで弾いていたのが新しく手に入れたというレスポールなんだろうと思い当たった。“さっきの2曲目のアタマ、やっぱりその新しいギターでカッコ良く始めたかったに違いない”とあらためて思ったのだが、それはともかく、ここからの3曲はただ勢いで煽るのとはひと味違うロッキンな演奏でさらに会場の熱量をジワジワと高めていった。

そして、再びMC。ここで<A面に恋したあなたへ>というツアーのサブタイトルに込めた想いを岸谷が話し、それはそのまま次に披露する曲の紹介へとつながった。彼女は、お馴染みのあっけらかんとした調子で「黒歴史の塗り替え」なんていう表現をしたけれど、それはいわゆる青春の季節を過ぎても夢を追い続ける彼女の、しかも新しいギャルバンの仲間がいる彼女だからこその素敵なリベンジだった。しかも、続けて披露されたB面曲にその曲以上に強い反応があったところを見れば、熱心なファンはこのサブタイトルからB面曲が演奏されることを予想していたのだろう。岸谷は「A面世代」という表現を使っていたけれど、それはつまりA面/B面のあるレコードの時代から彼女の音楽を楽しんできた人たちということだ。ということは、岸谷が抱えている歴史と同じだけの時間をその人たちも抱えているということ。だから、「こんちくしょうと思った曲も59歳になった今はにこやかに歌えます」という岸谷の話を聞きながら、それぞれの黒歴史を岸谷と同じようににこやかに、あるいは相変わらず“こんちくしょう”と思いながら、思い出したりしただろう。あるいは、「こんなに衝動だけで曲を作ることは、歳を重ねた今となってはむしろ難しい」という話に、若さに任せて突っ走っていたかつての自分を懐かしく思ったかもしれない。

もっとも、この日のライブはそんなふうに過ぎ去った時間に想いを馳せるばかりではなくて、ちゃんと出来たてホヤホヤの新曲も用意されていた。どれくらい出来たてホヤホヤかと言えば、「歌詞ができたばかりでまだ覚えられていないので、歌詞カードを見ながら歌います」(岸谷)というくらい(笑)。しっかり時間を割いて説明したその歌詞のコンセプトに見合うヘヴィなロック・チューンで、作品化されたらぜひ歌詞カードを見ながら、あらためて聴きたいと思った。

ところで、その歌詞の説明の際にドラムのYuumiをイジるとYuumiがチャーミングな返しで応酬したり、アンコールのグッズ紹介のコーナーでも岸谷とYuumiのやりとりがおかしくて、なんとも仲のいい感じが印象的だったが、それは演奏にも現れていて、ボーカルとドラムを結ぶラインをバンドの背骨と言う通り、体幹のしっかりした身体でグイグイと進んでいくような演奏は昨年からもう一段深まったバンド感を感じさせた。そして、そのバンド感の深まりが「私が歌いたいのは愛に溢れた曲」と岸谷が話して披露した「marble」の歌詞世界をいっそう際立たせ、「大きな声で、みんなで歌おう」という岸谷の言葉とともに始まった「Diamonds<ダイアモンド>」はいつにも増してキラキラとした輝きを放っていた。

最後に岸谷は「遠い昔にみんなが恋したA面はこの曲かな」と言ってアンコールに応えたが、そこでこの日のライブはそういうライブだったことに気づいた。つまり、客席の一人ひとりが自分の“恋したA面曲”を心待ちにしながら、他の誰かが恋したA面曲にも想いを重ね、その向こうにある岸谷の愛と元気を受け取るライブ。岸谷がガールズとともに愛と元気を届けるツアーは、始まったばかりだ。

公演情報

DISK GARAGE公演

KAORI KISHITANI / Unlock the girls LIVE TOUR 2026
"59th SHOUT!" ~A面に恋をしたあなたへ~

2026年6月13日(土)大阪・なんばHatch
2026年6月19日(金)神奈川・CLUB CITTA
2026年6月21日(日)愛知・名古屋DIAMOND HALL
2026年6月27日(土)福岡・福岡トヨタホールスカラエスパシオ
2026年6月28日(日)広島・広島CLUB QUATTRO
2026年7月5日(日)新潟・NIIGATA LOTS
2026年7月11日(土)宮城・仙台Rensa
2026年7月18日(土)北海道・札幌 PENNY LANE24
2026年7月20日(月・祝)愛知・名古屋DIAMOND HALL《追加公演》
2026年7月26日(日)東京・豊洲PIT

チケット:一般発売中!
※追加公演のみ7月4日(土)発売

KAORI PARADISE 2026 -10回目のひとり旅-

2026年9月4日 (金)東京・なかのZERO 大ホール
2026年9月5日 (土)千葉・松戸市民会館
2026年9月13日(日)新潟・見附市文化ホール アルカディア 大ホール
2026年9月18日 (金)静岡・三島市民文化会館 ゆうゆうホール 大ホール
2026年9月20 日(日)神奈川・関内ホール
2026年9月22日(火・祝)広島・広島市南区民文化センター
2026年9月23日(水・祝)鳥取・米子市文化ホール メインホール
2026年10月3日(土)兵庫・さよう文化情報センター おりひめ文化ホール
2026年10月4日(日)兵庫・神河町中央公民館 グリンデルホール
2026年10月10日(土)和歌山・新宮市文化複合施設 丹鶴ホール
2026年10月17日(土)富山・滑川市民会館大ホール
2026年10月24日(土)鹿児島・アマホームPLAZA・マチナカホール
2026年10月25日(日)鹿児島・アマホームPLAZA・マチナカホール
2026年11月1日(日)岐阜・下呂交流会館アクティブ 泉ホール
2026年11月3日(火・祝)愛知・新城文化会館 大ホール
2026年11月8日(日)秋田・あきた芸術劇場ミルハス 中ホール
2026年11月14日(土)福岡・黒崎ひびしんホール 大ホール
2026年11月15日(日)福岡・春日市ふれあい文化センタースプリングホール
2026年11月23日(月・祝)北海道・深川市文化交流ホール み・らい
2026年12月12日(土)埼玉・アスカル幸手 さくらホール

RELEASE

「Unlock the girls 4 -ボディガード-」

ガールズバンドプロジェクト第4弾!

「Unlock the girls 4 -ボディガード-」

(SME Records)
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  • 兼田達矢

    取材・文

    兼田達矢

  • 撮影

    河合正仁

  • DI:GA ONLINE 10周年

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