インタビュー/宮本英夫
2016年10月から2017年3月まで、ユビキタスはただいまバンド史上最長ツアーの真っただ中。しかも11月には3rdミニアルバム『孤独な夜とシンフォニー』、1月18日には4thミニアルバム『ジレンマとカタルシス』と、怒涛の連続リリースだ。共通テーマはズバリ“音楽の力を信じること”。これまで以上にリアルな言葉、エモーショナルなギターサウンド、ポップに突き抜けるメロディを研ぎ澄まし、加速し続ける3人が目指す場所とは?
──ツアー、調子はどうですか。
ヤスキ(Vo,Gt) 面白い話があって。今まではライブ感重視で、煽るようなライブしかしたことがなかったんですけど、どこかのタイミングで…具体的に言うと11月10日の高松DIMEの前日に、スタジオで僕が“クールなライブがしたい”みたいなことを言い出したんだよね?
ニケ(Ba) ああ、そうそう。
ヤスキ 煽るとかじゃなくて、曲だけやるみたいなライブを一回やってみたいんだけどって言ったら、メンバーも“じゃあやってみよう”ということになって、高松でやったんですけど。最初の一音が鳴った瞬間に、もう肌に合わなすぎて(笑)。
ニケ かっこつけるライブが似合わない。
ヤスキ と、いうことに気づいたんですよ。それって、やらないとわかんないじゃないですか。クールなほうが絶対かっこいいとか思ってたんですけど、やって、肌に合わんと思って、そうなってからの煽りがすごいんですよ、今。まったく迷いがない。だから、11月10日から変わりましたね。
──逆に言うと、高松の人はすごい貴重なものを見たのかも。
ニケ 怒ってました?とか言われて。
ヤスキ 怒ってない怒ってない!って(笑)。普段そういう感じじゃないから、余計にね。
──そもそも、なんで突然クールにしてみたかったんですかね。
ヤスキ その時、高松、広島、福岡と連続してたこともあって、ていねいに歌を歌いたかったんですよ。煽るライブだと、叫ぶことで喉が壊れちゃうから、消耗させたくないなと思ったのもあって。でもそれ以降は、僕らが楽しまないことにはお客さんも楽しくないだろうなと思うようになったし、ユビキタスは見せるというよりは一緒にやる感じのバンドなんやろな、ということが最近すごく見えてきたんで。迷いがなくなりました。
──雨降って地固まる。よかったよかった。
ヤスキ ただ、ペース配分を考えないから、ヒロキと僕はかなりバテてますね。ニケはもともとクール・キャラなんですけど。
ニケ 僕も暴れたいんですけど、作品ごとにベースが難しくなりすぎて。落ち着いて弾かないと弾けないので。(笑)
ヤスキ それ、言ったらアカンやつやろ(笑)。
──そんなニケくんの、ツアーの手ごたえは。
ニケ 等身大でできてるということですね。やっと自分らのライブが確立してきたなって、この半年ぐらいですごい思ってて。自分らも楽しめるし、お客さんをどうやって楽しませようかなってよく考えてるので、楽しいです。
──ヒロキくんもひとこと。
ヒロキ(Dr) 素直に自分が楽しめてるかなと思いますね。それがだんだん手ごたえになってきてるんで、最後まで行くとどうなるか、楽しみになってます。とりあえず自分が楽しまないと、というのが一番なんで。それを意識しながらライブしていて、気持ちいいライブが多いので、いい傾向かなと思いますね。