摩天楼オペラ、結成19周年ライブでニューアルバム収録の新曲も初披露!6月からの全国ツアーへ向けて壮気に溢れたステージ

ライブレポート | 2026.05.15 18:00

19th Anniversary Live
2026年5月4日(月・祝)豊洲PIT

5月4日、摩天楼オペラがバンド結成19周年を記念した単独公演『摩天楼オペラ 19th Anniversary Live』を東京・豊洲PITにて開催した。ここに至るまでバンドは紆余曲折あり、メンバーチェンジを経て、現体制になって4年目。「いまが1番いいと状態だと思えるから続けていられる」と語った燿(Ba)の言葉通り、さらに華麗に、さらに激しさを増した現在の摩天楼オペラは、この日も19周年を迎えたバンドとは思えないほど壮気に溢れたステージを披露。公演を通じて、この日初披露した新曲「SCAR」を含むニューアルバムを6月17日にリリースすること。本作にはオペラの5人目の作曲者として響(Dr)が携わった曲が収録されること。アルバムのタイトルは『Cinematographe』となり、このあと6月から開幕するツアーは、このアルバムタイトルを冠にしたツアーになることも知らされた。

18周年のライブのトピックは、開演からずっと野音に降り続いた雨だった。この日も、天気予報は雨。だが、当日はその予報を大きく覆すような晴天に恵まれた。会場となる豊洲PITで摩天楼オペラが単独公演を行なうのは今回が初。この日の最大のトピックは、なんといってもステージからスタンディングエリアに向けて設置されていた花道だ。

開演時間、SEに合わせてオペラー(ファンの愛称)たちがクラップを始めると、響(Dr)、優介(Gt)、燿(Ba)、彩雨(Key)、苑(Vo)が登壇。新衣装を身にまとった彼らの登場で、場内がわきあがるなか、ライブはまさかの彼らのキラーアンセム「GLORIA」からスタート。これには観客は歓喜! 当然、フロアは1曲目とは思えないほどのハイテンションに包まれる。“もう1度ここで生まれた祝福を”の大合唱のあと、音玉が爆音で破裂。そうして「Psychic Paradise」が始まると、オーディエンスは一斉に振りを繰り出し、拳を突き上げる。歌いながら苑が花道にやってきて、そのまま先端まで歩みを進める。普段はセンターステージからあまり動かない苑が、華麗なウォーキングでオーディエンスの近くまでやってきて目線を交わしていくと、観客たちの「こんな摩天楼オペラ、観たことがない」と驚く気持ちが大爆発。場内のあちこちから割れんばかりの悲鳴が立ち昇る。この花道に苑だけではなく、他のメンバーもやってくる? そんな妄想と期待感が高まっていく中、響の“ワン、ツー、ワン、ツー、スリー、フォー”の掛け声が聞こえてきて、観客たちは声を揃えて“Oh,Yeah!"と叫び声を上げる。こうして、フロアの熱気がさらに高まったところに「アポトーシス」を投下。厳かで壮大なシンフォニック・サウンドが広がり、そこに楽器隊が加わると、メタルへと変貌していく展開で客席最後尾までを圧倒。バンドの前のめり気味ないまの勢いを感じさせるオープニングだ。

苑(Vo)

歌い終えた苑が観客、さらには生配信を観ている視聴者に向けて、丁寧な挨拶を告げる。18周年は、ケガで優介が演奏できなかったが「今年は元気な5人で演れてます」と伝えると、フロアは拍手喝采で5人を祝福。続けて「今日はランウェイがあるんです」と苑らしい呼び方で花道を指す。これを設置した理由について、以前ここでライブを観たとき、後方だとステージが見づらいと感じたため、今回豊洲PITでライブをやると決まった瞬間、真っ先に「花道を作って下さい」とお願いしたことを観客に打ち明けた。「今日は響以外、ランウェイに行きますよ!」とにこやかに告げると、ファンは再び歓喜! このあと、苑の指名で燿が「いけるかー豊洲!」「配信組、いけるかー」と叫ぶ、激レアな煽りパフォーマンスが飛び出し、ファンが大盛り上がりしたところで曲は摩天楼オペラの鉄板曲「BURNING SOUL」へ。響の凄まじい高速ドラムがフロアを襲い、優介のギターソロとともに舞台で苑が「カモーン!」と叫ぶと、何本もの白煙が天井近くまで吹き上がる。そんなバーニングな演出に煽られ、オペラーたちは一斉にヘドバンを繰り出す。間奏パートでは優介と彩雨がゆっくり花道の最前までやってきて、ユニゾンパートを向かい合って演奏するというパフォーマンスに、ファンは大興奮! 2人と入れ替わるように苑がやってきてサビを歌い上げると、その後方のドラム台では響も熱唱。ラストは苑がものすごい声量で美しいハイトーンを響かせたあとは、その熱量をさらに響が高速2バスを客席を突き刺すように轟かせて引き上げ、「Curse Of Blood」へ。バンドもオペラーも一体となり、トップスピード全開で激しく盛り上がったあと、観客たちはフロアから(人差し指と小指を立てる)メロイックサインを突き上げる。メタルとヴィジュアル系、その両方の側面を持ち合わせた摩天楼オペラのライブではこのような光景も当たり前。観客たちの興奮をさらに高めるように、彩雨と優介が“オイ、オイ!”と叫び、熱いコール&レスポンスをフロアに求めたあと、苑の妖艶さが引き立つ歌い回しや色っぽいパフォーマンが観客を魅了するシャッフル調の「舌」、優介の付点八分のギターと彩雨のキーボードの調べが空間を美しく彩っていく「誰も知らない天使」と、現体制になって以降に発表したナンバーを2曲連続でプレイ。19年も活動していると、周年ライブで演奏する曲目は定番化しがち。だが、摩天楼オペラは違う。周年ライブで毎回新しめの曲をどんどん入れ込み、昔の曲と変わらないフロアの一体感を作り出していくのだ。こうして、過去といまのオペラを一直線上でつないでいったあとに、現メンバーになって以降、ゴリゴリのメタルナンバー仕様になった「EVE」へと気持ちよく展開。

優介(Gt)

このあとは苑がステージから去り、楽器隊の4人で「Apocalypse」をプレイ。こちらは2023年から彼らが演奏しているナンバーで、摩天楼オペラらしいシンフォニックメタルに仕上げたインスト曲。ギター、ベース、キーボード、ドラム、演奏技術の高いメンバーたちのプレーをそれぞれ存分に堪能したあと、再び苑がステージに出てきて、始まったのはなんとインディーズ時代の「瑠璃色で描く虹」だった。近年はまったくライブでも聴くことのなかった楽曲のチョイスに、オペラーたちの心のテンションが高まる。ステージ上ではトーチが燃え上がり、ここでは、苑が激しいグロウルを披露し、Bメロパートでは苑の歌と燿のベースが美しいユニゾンを奏でて観客を魅了していった。演奏が終わると「周年のたびに曲、なにをやろうか悩みます」と苑が観客に語り掛ける。それでも「100曲以上ある曲のなかから、みなさんが“この曲聴きたい”というのを持ってきたつもりです」と今日のセットリストについての思いを伝え「僕が初期に書いたバラードは雪景色が多かったんです。それで、当時“いいメロディーが書けた”と思った。その曲を演ります」と伝えて、このあともインディーズ時代の懐かしいナンバー「天上への架け橋を」をプレイ。ライブはここからオペラの深く、静謐な世界と入り込んでいく。苑の歌と彩雨が奏でるピアノだけが並走して流れるAメロが、さらにこの曲の歌詞をせつなく響かせていったところから、現体制のなかで誕生したバラード「流星の雨」へと繋いだ流れは絶妙だった。聴く者の心に訴えかけた「天上への架け橋を」に込めた悲哀、失望感を星の雨で浄化していくように、苑は花道の先端まできて「流星の雨」をエモーショナルに熱唱してみせた。観客たちはその歌に吸い込まれるように呆然と立ち尽くし、息をするのも忘れて曲の世界観に浸っていった。

彩雨(Key)

だが、この後バンドが「ANOMIE」の演奏し始めると、オペラーたちの身体は即座にスイッチオン。ギターリフに合わせて、会場一丸となってヘドバンを始めたと思ったら、曲の展開に合わせて飛び上がり、手を左右に振りながら、大熱狂。「もっともっと楽しもう!」と苑が叫び、続けて最強のキラーアンセム「alkaloid showcase」を投下。これでフロアは激しくどこまでも燃え上がり、その勢いのまま「PHOENIX」へとつなぐと、この曲では燿が花道の先端までやってきて、ベースソロを高らかに鳴り響かせてアクト。苑の予告通り、響以外のメンバー全員が花道を制覇したあと、響のエネルギッシュな2バスと苑のハイトーンを天空まで羽ばたかせていって本編は終了した。

燿(Ba)

アンコールは、暗闇のなかに真っ赤な細いライトが6本灯り、壮大なストリングスに呪術的なクワイヤが重なるSEが流れるなか、メンバーが登場。そのSEを再度イントロにして演奏が始まったのは新曲「SCAR」だった。この日初披露となった新曲はダークで、重めのナンバー。スローテンポな入りから、2番に入るとテンポが速くなり、曲の表情が変わる。そうして、苑の歌と優介のギターが掛け合いでからんで、曲はフィニッシュ。「この曲は…?」と戸惑うファンに向かって「新曲です」と告げた苑は「今日はいろいろな告知を持ってきました」といい、このあと、いま発表した新曲を含むニューアルバムを6月17日に出すこと。アルバムタイトルは『Cinematographe』で、6月7日から始まるツアータイトルも、このアルバムタイトルを冠にしたものになること。そして、このアルバムで「5人目の作曲者が誕生しました」と伝えると、観客は驚愕! その張本人である響は「僕はギターもベースも弾けないけど、苑さんに“やってみたら”といわれて、ドラムから作りました」と伝えると、ファンはさらに驚きの声を上げる。響がドラムから作った曲を優介が形にして、苑がメロディーをのせて完成したというこの曲は「イントロ聴いたら“これだ”って分かると思う」といって観客の笑いを誘った。

このあとはメンバー全員のトークコーナーへ。彩雨は「“SCAR”のMVも最新の摩天楼オペラを感じてもらえると思います。SCARだけにスカしたバンドやってもうすぐ20年。ベテランかましていいっスカ!」とノリノリでスカした発言を連呼。これにはメンバーもファンも大爆笑。燿はその空気を一掃するように集ってくれたファンと配信を視聴しているファンに「ありがとうございます」とまず感謝を述べる。「19年、長いっすねー」と感慨にふけりながらも「いまが1番いいって思えるから続けていられる」と素直な気持を伝えた。響は「長くやってるとファンを増やすのは大変」だと打ち明けながらも、摩天楼オペラの場合はコロナ禍で大変な時期があったが、「そこからちょっとずつオペラーが増えてきてるんですよ! だから、もっとオペラーを増やしてPIT、パツパツでやりたい」と意気込んだ。去年はケガをして演奏できなかった優介は「今年はこうして5人、新衣装でみんなに会えて嬉しく思ってます」と改めて挨拶。そうして、ニューアルバムについて「20年目に向かうためのアルバムです。僕達がどこに進みたいのか。未来が詰まった作品になりました」と予告した。苑は初期の代表曲、「alkaloid showcase」や「GLORIA」のタイトルをあげて「自分が作ったものをバンドで具現化していくのがすごく嬉しかったんです」と当時の自分を振り返った。「だけど、今回アルバムを作ったことで、摩天楼オペラは全員が作曲者になった。アルバムは僕の想像を超えるものになりました。僕の“この曲はこうあるべき”という独りよがりではなく、いまはこの5人で作れていることが1番嬉しい。だから、今回のアルバムは1番“摩天楼オペラ”しているアルバムになったと思います」といいきった。さらに、摩天楼オペラの未来についても触れ「もうすぐ20周年。節目の年でもあるので、いま考えてるんです。なんか、楽しいことをしたいですね。まだ、何もいえないんですけど」と来年の周年に向けて、ファンの期待感を煽ったあとは「さあ、やりますか」といって、最新シングル「EMBRYO」のパフォーマンスへ突入。イントロから高速でものすごい音が迫り来る。摩天楼オペラの激しさと美しさ、せつない旋律を最高到達点まで詰め込んだ世界観は圧倒的。文句なしのカッコよさだ。

響(Dr)

そこから「EVIL」で、響の高速ツーバス連打が荒れ狂うと、フロアはヘドバンの嵐。猛然と疾走するサウンド。そのなかで、低い声から力強いシャウト、妖艶な優しい歌声にクリーンなハイトーンヴォイスまで響かせ、苑は歌で観客をどこまでも魅了していく。彩雨のクラップからこのあと「21mg」を絶妙なバランスで入れ込んで、ファンをアッと驚かせたあとは、タオルを手にした苑が「叫ぶぞ-!」と観客を煽り、「悲哀とメランコリー」へ。タオルを天高く掲げる会場とメンバーがコール&レスポンスをする場面では、彩雨、燿、優介の3人が花道まで出てきて客席を煽る。その奥では響が椅子から立ち上がり、ペダルでビートを刻みながらデスボイスで叫び散らかすと、オペラーたちも大声で応戦してライブは白熱。場内にとんでもない熱狂が渦巻くなか、ラストはやはり彼らの至高のアンセム「喝采と激情のグロリア」だった。曲が始まるとフロアめがけて銀テープが飛び出し、間奏に入ると、優介が花道に出てきてギターソロを披露。そのあと、オペラーたちが一丸となって賛美歌のようにサビパートを大合唱すると、場内に神聖な空気が満ちていく。そうして、苑が1人、生歌で、オペラ歌手のような凄まじい声量で魂を震わすヴォーカルを届け、人々に溢れんばかりの達成感と感動を残して、彼らの19周年の祝祭は幕を閉じた。
5人で手を繋いで挨拶をしたあと、響は花道の先端までやってきてスティックを客席にプレゼントして大喜び。こうして、最後にメンバー全員が花道を制覇したところで、彼らは舞台を後にした。

19周年のアニバーサリーライブを無事終えた彼らは、6月7日、東京・LIQUIDROOMから始まる<TOURʼ26 Cinematographe>から20周年の祭典に向けた活動を新たにスタートさせる。ここから未来のオペラはどこに向かっていくのか。このツアーで、ニューアルバム『Cinematographe』でその第一歩をいち早く感じてもらいたい。

SET LIST

01. GLORIA
02. Psychic Paradise
03. アポトーシス
04. BURNING SOUL
05. Curse Of Blood
06. 舌
07. 誰も知らない天使
08. EVE
09. Apocalypse
10. 瑠璃色で描く虹
11. 天上への架け橋を
12. 流星の雨
13. ANOMIE
14. alkaloid showcase
15. PHOENIX

ENCORE
01. SCAR(新曲)
02. EMBRYO
03. EVIL
04. 21mg
05. 悲哀とメランコリー
06. 喝采と激情のグロリア

  • DI:GA ONLINE 10周年
  •   

SHARE

摩天楼オペラの関連記事

アーティストページへ

最新記事

もっと見る