the paddles「今日が一番いいライブだった」笑顔でフィナーレ!バンド史上最高のステージとなったツアーファイナル東京公演をレポート

ライブレポート | 2026.03.24 17:00

the paddles「 いつか君と別れてしまうならツアー 」
2026年3月15日(日)渋谷WWW X

彼らにとって大きなチャレンジだった渋谷WWW Xのフロアは、東京における過去最大動員で埋まった。3月15日(日)、全国12か所を駆け抜けたthe paddles『いつか君と別れてしまうならツアー』ファイナル。このあと追加公演が2回あるが、そのために余力を残すようなバンドじゃない。いつも最後の覚悟で全身全霊、それがthe paddlesのポリシーだ。

「めちゃくちゃええツアー回って来たから、一番のライブやるわ!」

柄須賀皇司

有言実行、柄須賀皇司(Vo&Gt)の宣言から始まったライブは、序盤から白熱する。最新EP『結婚とかできないなら』の1曲目「ちぎれるほど愛していいですか」から手拍子とシンガロングが巻き起こり、「花」「恋愛ヒステリック構文」とアップテンポを連ねてぶっ飛ばす。前のめりで気合満点の渡邊剣人(Dr)、よく弾きよく歌う松嶋航大(Ba)、そして歌いながら観客を煽りまくる皇司。最高やな、笑顔ください、準備できてる? さすがっすねー、ちゃんと目を見て歌うわ。そして勢い余ってエフェクターを踏み違え、ギターを無音にする皇司。ええんやで、これがライブだ。

「パドルズはみんなの人生にとってどんなバンドやろ?ってすごく考えたツアーでした。今日はその一個の答えみたいなライブができるんじゃないかと思ってます」

「プロポーズ」から始まるセクションは、緩急織り交ぜてしっかり聴かせる曲が並ぶ。新EPからの「赤いアネモネ」は、会いたい気持ちを息継ぎが難しいほど詰め込んだ言葉で表現する軽快な1曲で、「倦怠モラトリアム」は終わりが見えた二人の気持ちをキレキレのカッティングと性急なリズムに乗せてぶつける曲。パドルズの曲は歌詞と曲調がぴったり合っているからわかりやすい。初めてCDを全国流通に乗せた2019年に一番かっこいいと思っていた曲ですーーそう言って歌う「今は、エバーグリーン」のみずみずしい言葉とメロディが、7年経って本当にエバーグリーンになるのが素晴らしい。パドルズは変わらず歌い続けてきた。

「いつか君と別れてしまうならツアー、悲しいタイトルだなと思います。でも別れは必ずあります。後悔も感謝も、なんであの時全部伝えなかったんだろうといつも思います。好きな人には好きと伝える、好きな人だからこそ怒りもぶつける、それが本当の愛だと俺は思います」

まるで恋愛ドラマのナレーションのような皇司の言葉から始まる、このセクションはパドルズの渾身のラブソングを詰め込んだ愛の章。取り返しのつかない後悔をまっすぐに見つめる「予測変換から消えても」、言いたいことを言えない中途半端な関係を赤裸々に綴る「夏の幻」と、せつなくも壮大な曲調のあとに始まるスローバラード「結婚とかできないなら」の強烈なインパクト。結婚とかできないなら、いつか君と別れてしまうなら。一緒にいたいからこそ本音をぶつける逆説のラブソングから、ピュアでノスタルジックな「ブルーベリーデイズ」への繋ぎは見事のひとこと。セトリの並び一つで曲の意味が変わる、ライブの魔法とバンドの成長を強く実感する瞬間。

「人気者になりたいというよりは、みんなと一緒に年を取っていけるバンドになることが俺の夢です。このバンドを長く続けていくためには何でもやろうと思ってます」

みんなの前で歌い続けるために、絶対に売れるからさ。いつだって饒舌な皇司だが、大事なことを言う時は余計に早口になる。22歳当時のリアルな思いを詰め込んだ「22」から「愛の塊」へ、ラストスパートをかけてバンドはぐんぐん加速。新EPの中でも特にアツいメッセージソング「会いたいと願うのなら」はすでに、ライブ後半の盛り上げ役に定着して違和感がない。疲れ知らずの剣人のドラム、エネルギッシュな航大のベースと歌も気迫満点。本編ラスト曲「25歳」まで15曲、定番曲にEP『結婚とかできないなら』の5曲を効果的に散りばめた、これが新たなパドルズのライブの形。

松嶋航大

渡邊剣人

「今日が一番いいライブだった。ありがとう」

アンコールでは嬉しい情報解禁、8月5日(水)に渋谷Spotify O-WESTにてワンマンライブ『人生の登場人物として』が開催決定。『余白を埋める』シリーズに続く新たなライブシリーズとして期待しよう。次に会うまでの約束代わり、母親への感謝を込めた「カーネーション」を歌い終わって今日はお開きーーと思ったらまさかのもう1曲。皇司の「照明さん、ビカビカでお願いします!」というセリフからしてたぶん本当に予定外、「Alright」を歌いきって90分に及ぶライブはハッピーエンド。間違いない、東京での過去イチライブだ。

最後にファンと一緒に記念写真に収まる、3人の晴れやかな表情がバンドの自信と好調を物語る。今年はフェス出演も続々と決まってる。ライブシーン全体がthe paddlesを求めてる。共に成長するバンド、the paddlesにまた会いに行こう。

SET LIST

01. ちぎれるほど愛していいですか
02. 花
03. 恋愛ヒステリック構文
04. プロポーズ
05. 赤いアネモネ
06. 倦怠モラトリアム
07. 今は、エバーグリーン
08. 予測変換から消えても
09. 夏の幻
10. 結婚とかできないなら
11. ブルーベリーデイズ
12. 22
13. 愛の塊
14. 会いたいと願うのなら
15. 25歳

ENCORE
01. カーネーション
02. Alright

公演情報

DISK GARAGE公演

the paddles LIVE情報

■the paddles「いつか君と別れてしまうならツアー」追加公演
20206年3月30日(月)大阪・梅田CLUB QUATTRO
20206年4月19日(日)北海道・札幌Vypass.

■the paddles ONEMAN LIVE「人生の登場人物として」
2026年8月5日(水)東京・Spotify O-WEST

  • 宮本英夫

    取材・文

    宮本英夫

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  • 撮影

    オガワタクヤ

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