シクフォニ「Six-tuation vol.Ⅱ-Virtual-」千秋楽!総動員数36000人を熱狂させた3D×リアル越境ステージ

ライブレポート | 2025.12.19 19:30

SIXFONIA One Man Live 【Six-tuation】vol.II -Virtual-
2025年12月13日(土) 14日(日) LaLa arena TOKYO-BAY
※レポートは14日に実施

今年10月、約90分間にわたるオンライン3D公演を無料配信し、多くの注目を集めた2.5次元タレントグループ・SIXFONIA(シクフォニ)。彼らが総動員数36,000人となる2会場4公演の東阪ワンマンライブ「SIXFONIA One Man Live【Six-tuation】vol.Ⅱ -Virtual-」を無事完走した。同公演は3D公演で表現した世界を、実地にてメンバー自身が再現するというコンセプトの元に開催され、リアルライブならではの迫力あるステージで3D公演をさらに拡張した熱演を繰り広げた。このレポートでは千秋楽となる12月14日(日)のLaLa arena TOKYO-BAYの模様を記録する。

メンバー6人による注意事項アナウンスからほどなくして、ステージ上の巨大モニターには3D公演と同様のオープニングムービーが流れる。現地ならではのスケール感に目を見張ると、特効の爆発音とともにステージ上段に、3D公演と同じくJ0KER×JOK3Rの衣装である黒のマントを身に纏った6人が登場し、デビュー曲であり1stオリジナル曲「J0KER×JOK3R」で勢いよく口火を切った。「Burn it All」ではサビで火の玉が打ちあがり、楽曲にほとばしるエネルギーを引き立てる。6人のボーカルとダンスは観客の興奮を刺激し、会場はたちまち熱気に包まれた。

2曲立て続けにパフォーマンスをしたメンバーは、「だいぶ気持ちが入っている」「(今までの)1段階、2段階上まで行けている感覚がある」「調子がいい」と張りのある声で手ごたえを語り、この日の意気込みを見せる。そしてセットリストや舞台セットが3Dライブの再現であることに触れ、生身のライブならではの良さを提示することを表明した。

3Dでは各メンバーがポーズを取ると鮮やかにマントがはずれるという演出が行えたが、生身ではなかなかそうはいかないと言い、メンバー同士でマントを取り外す。そんな微笑ましいシーンから一転、メンバーの自己紹介楽曲「SHALL WE GONG!?!? -1st battle-」ではメンバーカラーをカラフルに扱った照明のなかで言葉数の多いラップを手堅く決める。「オシカツ?」では推し活心理をダークに昇華した歌詞を妖しげなボーカルで表現し、さらに観客の心を揺さぶった。

3Dライブになぞらえたステージで冒頭4曲を飾ると、中盤は現地ならではのプログラムへと突入する。幕間映像では3D体のメンバーが登場し、ふ頭のコンテナターミナルを彷彿とさせる場所にて「鬼畜だるまさんがころんだ」特別編を行った。子は鬼のお題に答えながら足つぼマットが敷かれたレーンを歩いて鬼に近づくという制限時間制のバトルで、悪事をはたらくと電流が流れるという。罰ゲームは現地にて、観客の投票で選出して行うとのことだ。メンバー同士で仲睦まじくお互いの足を引っ張り合うという苛烈な競争を繰り広げ、6人のチームワークとタレント性を活かしたシクフォニならではのエンターテインメントを届けた。

続いては現地限定のソロパフォーマンスと3Dライブのプログラムを融合させたセクションへ。まずは雨乃こさめが「ジグザグ」、いるまが「REC.TRUE」、みことが「Magic」と、自身が作詞を担当したソロ曲をそれぞれ歌唱した。雨乃こさめは「上も奥も全員見えてるよ!」と笑顔で呼び掛けながら、少年のような無邪気さを帯びたボーカルに低音を交えて歌詞世界に奥行きを作り、いるまはラップはもちろん憂いのある声でメロディを歌い上げたり、ダンスや観客への煽りなど様々な手法で観客の心を掴む。みことは「この時間は僕だけを見ていてください!」と真摯に呼び掛け、アーティストとしての夢を追いかける自身の人生と熱い思いを綴った歌詞を噛み締めるように歌声を響かせた。

雨乃こさめ

いるま

みこと

再びステージには6人が揃い、「Genesix」「シンギュロイド」を披露する。3Dライブとは異なりカジュアルな衣装に身を包み、浮遊感を漂うようなサウンドに包まれながらミステリアスな歌声を響かせた前者と、アッパーなビートに乗せてユニークな振り付けとともに希望を掴み取る気概に溢れたパフォーマンスを展開した後者。2曲で闇と光のコントラストを作り上げていた。

ソロセクションの後半には、すちが「BURN-OUT」、暇72が「最酊。」、LANが「灯」を歌唱する。すちは「双眼鏡(でステージを観るの)もいいけど顔見せろよ!」と威勢よく叫び、自身が作詞作曲を手掛けたロックナンバーでロングトーンのシャウトを轟かせるなどして感情を届け、観客も熱いシンガロングでその思いに応えた。暇72は酩酊状態のようなコンテンポラリーダンスとともに低音を響かせて、最後に眠りに落ちるという物語性の高いパフォーマンスでチルナンバーを彩り、LANも持ち前のハイトーンボイスを活かして、切実な願いを込めるようにあたたかくも胸に迫るバラードを歌い上げる。両者とも自身の作詞曲の世界を余すことなく体現した。

すち

暇72

LAN

ソロセクション前半組の雨乃こさめ、いるま、みことが3D演出も取り入れながら和気あいあいとしたトークを繰り広げていると、すち、暇72、LANも合流して6人でライブリード曲「Dive Ⅱ World」のキービジュアルである新衣装をお披露目する。そして幕間映像で話題に出ていた罰ゲームを受けるメンバーを決めるため、観客に「幕間映像とライブ中の立ち振る舞いやパフォーマンスにギャップがあった人物」を問うと、圧倒的票数ですちが選ばれた。始動3周年記念に行った一夜限りのキラキラ王子様バージョンの自己紹介を現地にて行うという罰ゲームに、すちは照れながらも柔らかい語り口で台詞を述べる。そんなすちに観客は黄色い声援を送り、メンバーも「勇気を出していちばんキツい罰ゲームをやり遂げたすちに拍手!」とねぎらった。

ここからライブはラストスパートへ。3周年記念に制作されたデジタルロックナンバー「Shout on Three!」、観客もコールで楽曲に参加して一体感を生んだ「Dive Ⅱ World」、2.5次元というフィールドで活動するシクフォニとファンの関係性を投影した「eND oF FaNTaSY.」と、エモーショナルなキラーチューン3曲で本編を駆け抜けた。

3D公演のプログラムはここまでで完遂し、モニターには「全プログラムが終了しました」という文言とともにエンドロールが流れる。と思いきや「もう終わりですか?」という声とともに、シクフォニの動画とライブではお馴染みの覆面案内人Xが映像をハックした。Xは観客に「実地でしか観られないパフォーマンスを観たいと思いませんか?」と呼び掛け、観客も全力で「観たい!」と叫ぶ。そしてXと観客がカードゲームを行い、無事実地ライブ限定のアンコールが実現した。

ライブTシャツ姿で再びステージに現れた6人は、「Desperate Track」「home」と2曲立て続けに披露し、感情を解放するような前のめりのパフォーマンスで観客を鼓舞する。生身ならではの体当たりのステージは、まさに現地ライブならではと言えるだろう。歌い終えた後にいるまが代表して「“Desperate Track”はタオルを回したり、“home”はみんながいて、みんなの歌声があって初めて完成する楽曲なので、実地ライブの良さが少しでもみんなに伝わっていたらいいなと思います」と語り、ファンとともにひとつの空間を作ることへの感慨に浸った。

最後にメンバーがひとりずつ今回のライブへの思いを言葉にした。暇72は「来てくれたみんなが3Dライブとのリンクを見つけてくれていたら今日のライブは成功だと思っています」「昨日初めてライブを観に来てくれた辛口コメントをする付き合いの長いリア友が褒めてくれてうれしかった」と手ごたえを語る。すちは前日のライブで空回り続きだったため不安のなかこの日を迎えたことを明かし、「みんなの前に出てくると元気づけられる」「昨日も含めてみんなに支えられてこのステージに立っている」と感謝を告げて、「慢心は禁物だなとあらためて思いました。純粋に挑戦者として歩き続けたい」と意欲を見せた。

いるまは2025年にライブが11公演打てたことへの感動と感謝をあらわにし、「俺はライブのこの景色がめちゃくちゃ好き」「人にあげられる愛情の総量には限りがあるなかで、ここに来てくれたみんなは俺たちを選んで応援してくれたと思います。2025年、シクフォニを愛してくれてありがとうございます」と頭を下げる。雨乃こさめは観客に「またライブに来たい」と思ってもらえたらそのライブは成功であるという自身の考えを示し、「次のライブはまた違うものになっていると思うから、観に来たいと思ったらまた来てください」と呼びかけた。

LANはライブ中にスタッフから「シクフォニのライブはお客さんがすごく楽しそうだね」と言ってもらったことがとてもうれしかったと喜びを語り、「みんなの顔を見られる唯一の場所だから、ライブをすごく楽しみにしているし、大切にしているんです」と続け、今後も自分が活動を楽しみ、ファンが楽しめる活動をしていくことを約束する。みことは「自分たちの活動がみんなの“明日頑張ってみようかな”や“楽しいな”と思ってもらえるきっかけになって、それが回り回って幸せと思ってもらえたらこんなにうれしいことはない」と告げ、「いつかマイクを置く日までずっとそばで歌い続けるので、どうかこれからもよろしくお願いします。また会いましょう」と再会を誓った。

「2 many fighterz」「Never Ending Story」とさらなる飛躍を見据えるような前向きな空気感で会場を包み込み、観客もよりエネルギッシュな声援を彼らに送った。そしてメンバーがステージから去るとモニターに「極大発表」と称したムービーが流れ、2026年春に過去最大規模となる2ndライブツアーの開催を発表。「春、最強を証明する」というメッセージに観客は歓喜の声を上げた。3D公演と現地ライブを紐づけ、2.5次元をホームに活動する彼らならではのエンターテインメントを作り出したシクフォニは、来春過去最大規模の現地ライブでどんな構想を企てているのだろうか。新たな挑戦を続ける彼らのクリエイティブに今後も注目したい。

SET LIST

01. J0KER×JOK3R
02. Burn it All
03. SHALL WE GONG!?!? -1st battle-
04. オシカツ?
05. ジグザグ(雨乃こさめソロ)
06. REC.TRUE(いるまソロ)
07. Magic(みことソロ)
08. Genesix
09. シンギュロイド
10. BURN-OUT(すちソロ)
11. 最酊。(暇72ソロ)
12. 灯(LANソロ)
13. Shout on Three!
14. Dive II world
15. eND oF FaNTaSY.

ENCORE
01. Desperate Track
02. home
03. 2 many fighterz
04. Never Ending Story

<3D公演アーカイブ配信>
【全編無料3D LIVE】SIXFONIA One Man Live【Six-tuation】vol.Ⅱ -Virtual- 3D公演【シクフォニ】

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