2024年に新体制で動き出したNEMOPHILA。5ピースバンドから4ピースバンドになったことで、メンバーはそれぞれのスキルを磨くだけでなく、お互いを支え合うと同時に個々の自由度も増したという。新プロデューサーのサポートを借りながらメンバー主導でバンドを動かし、2025年1月リリースの新体制初のフルアルバム『Apple of my eye』はこれまでの経験と、新しい道へと踏み出したフレッシュでエネルギッシュな空気感、2024年の4人が抱える感情やキャラクターがクリアに反映され、全国17か所を回る「NEMOPHILA Apple of my eye Release Tour 2025」にも期待が高まる作品となった。今回行ったメンバー全員インタビューでは、5人から4人になった寂しさを乗り越えた彼女たちの、等身大かつポジティブな言葉を聞くことができた。
──2024年は日本武道館公演から約1ヶ月後に4人体制になるという変化がありながらも、対バンツアーとワンマンツアーを立て続けに行い、イベントやフェスの出演、楽曲リリースも行うなど、かなりハイペースな活動だったのではないかとお見受けしますがいかがでしょうか。
mayu(Vo)NEMOPHILAは毎年初夏に対バンツアーをしていたので、4人になったとしても変わらずに対バンツアーの季節だなという意識でいたんですよね。その後にワンマンツアーをセットしたのは4人のNEMOPHILAをしっかりアピールするためでした。
ハラグチサン(Ba)あと、活動を止めたくないという気持ちは全員に共通していて。
むらたたむ(Dr)5人から4人になって、次に動き出す時間が空けば空くほど待ってくださる皆さんを不安にさせてしまうかなと思ったんですよね。
mayu 「我々はこれからも止まらずに全力で前進します!」という思いをライブで体現したかったんです。
葉月(Gt)本当にツアータイトル通り「全力前進」でしたね。自分たちが何をするべきかははっきり見えていないけれど、とにかく突っ走る。そんな期間でした。
──実践の中で4人のNEMOPHILAを叩き上げてきたんですね。
mayu物理的に人がひとり減るとステージングもアレンジも変わるので、実際にライブをやって気づくことが多かったですね。ライブのたびにもっといい工夫ができないかを全員で綿密に相談しました。やっぱり、はづきん(葉月)が上手(かみて)に行くのはかなり大きな変化で。
葉月目の前の景色は変わらないけれど、手を伸ばせばいる距離にいたハラちゃん(ハラグチサン)が遠くなった寂しさはありますね……。
ハラグチサン葉月さんとわたしは立ち位置が近かったぶん、ライブ中でも葉月さんのギターの音が近くで聴こえることが支えになっていたりもしたので、それがないのはわたしも寂しいです(笑)。でも葉月さんはひとりで上手に立っているぶん、さらに華やかにキレッキレに、美しくなっていっているんです。感情が出てきたというか。
──確かに5人編成時の葉月さんは、クールな立ち振る舞いが多い印象がありました。
mayuやっぱり無意識的にも、ギタリスト同士だとキャラクターバランスを考える必要があった場面は多かったと思うんですよね。でも今はそれがないから、はづきんが自由に行動しているなと思う場面は増えて。今のはづきんは無限ですね。
葉月最初のうちは5年間蓄積してきたNEMOPHILAにおいての自分のギターをあらためて覚え直すのが結構難所でした。インプットとアウトプットの両立に手間取っていたけれど、いまはだいぶ慣れたので自由に行動できるようになりました(笑)。mayuちゃんも曲によってギターを弾いてくれるし、たむさんとハラちゃんは「ここにドラムを入れたいな」とか「ここはベースソロを弾いて」とアバウトなお願いでもちゃんと想像以上のものを返してくれるんです。お願いしたらなんでも叶っちゃう、非常に幸せな環境です。
──葉月さんに掛かるウエイトを、みんなで分け合っているということですね。
むらたたむだから自分の出すリズムに責任感が増しましたね。演奏中はイヤモニをつけているので、鳴る音が1人分減ったので誰がどんな音を出しているのかすぐわかるようになって、自分の音を俯瞰して聴けるようにもなりました。
ハラグチサン葉月さんがギターソロを弾くときにそれをベースでいかに支えられるか、自分がいかにちゃんと楽器を鳴らせるか、たむさんとばっちり連動できるかどうかは自分の永遠の課題ですね。
mayu自分が憧れてきたミュージシャンはほとんどギターボーカルなので、ギターボーカルに憧れはあったけれど、まさかNEMOPHILAでやる機会が来るとは思っていなくて。でもやらせてもらえるならやりたいし、数曲でも自分が弾ける曲があったらなと思いましたね。ただこの前ライブでちょっとミスって……。
葉月この間久しぶりにワイヤードでライブをやったら、mayuちゃんとシールドが絡まっちゃって。
mayuそれを見た袖のテックさんが軽く笑ってたから「あ、これを自分で回避したら絶対テックさん喜ぶわ」と思って絡みかけているのを避けようとしたら、同じ方向に巻いちゃってどんどん絡んじゃったっていう……。すぐさまテックさんに助けていただきました(笑)。