moumoon、年に一度のお正月ライブ「中秋の名月」、今年は5年ぶりに2人揃って。あたたかな雰囲気の中、編み上げられていく極上の音楽

ライブレポート | 2024.10.31 18:00

moumoon
FULLMOON LIVE SPECIAL 2024 〜中秋の名月〜
2024年10月19日(土)東京国際フォーラム ホールC

男女ユニット、moumoonが10月19日、東京国際フォーラム ホールCで恒例の「FULLMOON LIVE SPECIAL 2024 〜中秋の名月〜」を開催した。裏方に徹すると2019年にステージを離れていたコンポーザーのMASAKIが今夏ユニットに復帰。2人体制で迎えた〝お正月〟を満員の観客が見守った。

会場に入ると、ボーカルのYUKAが目を閉じ両手を広げて歌う横顔を切り取ったポスターが出迎えてくれた。あの澄んだ歌声に包まれるまで、あと少し。落ち着いた雰囲気の客席には、ドビュッシーの「月の光」が流れ、浄化されていくような気持ちになった。

待ちに待った開演の時。2人のシルエットに、大きな拍手が届けられた。中央に立ったYUKAはハッとするような深紅のスリップドレスに身を包み、真っ直ぐ前を見つめた。呼吸を合わせるように。MASAKIがアコースティックギターのボディをたたいて始まった「Tiny Star」は、月から届けられたような柔らかな光の中でパフォーマンス。ゆっくり、静かにライブがスタートしていった。

YUKA

MASAKI

2人だけの空間に、バンドメンバー4人が参加。アコースティックギターを、赤いエレキギターに持ち替えたMASAKIは軽快な「pride」を奏でていく。YUKAが手拍子を誘うと、待っていました!というように応える客席。MASAKIの口笛で始まった「Sunshine Girl」では、歓声も沸き起こった。五線譜の中を泳ぐように歌うYUKAの表現に、開放感が広がっていった。

最初のMCではYUKAが「皆さんこんばんは。moumoonです。お久しぶりです。皆さん元気にしていましたか。FULLMOON LIVE SPECIAL 2024 〜中秋の名月〜にお越しいただきありがとうございます」とあいさつ。横に並んだMASAKIは「すごい!」とハッピーオーラで包まれた会場を見つめてうれしそうに笑った。

YUKAは同意するように頷きながら「ここ東京国際フォーラムは、Aというホールに出たことがありましたが、ホールCでライブをするのは初めて。とっても素敵なホールですね」と会場を見つめていた。

MASAKIは「ついにやってきました、中秋の名月」と口を開くと「5年ぶりのフル出場です。今日は頭から精一杯頑張りますので、よろしくお願いします」と続け「頑張ります!って言うとスポーツみたい」と苦笑い。YUKAからは「出場って言ってたよ」と突っ込まれ、客席に笑い声が響いていた。

すっかり温まった会場。YUKAが「次の曲行っちゃう?」と始まった「Flyways」は冒頭からクラップでノリノリに、「マカロン」ではそのキュートな歌声でファンを釘付けにしていた。

2度目のMCでは次のブロックの冒頭で歌う「follow me」についてYUKAが曲ができた経緯を説明し始めた。

「17歳の頃に悩んでいた自分を思い出して、23歳頃に書いた曲です。この曲は私の母が大好きで、この曲を聴くと『17歳のころのYUKAのことを思い出すよ』って笑いながら言ってくれて。迷惑をかけた17歳の頃。生意気な娘だったんだろうな。どんなにぶつかっても私のことを離さずにいてくれて。そのことを笑いながら話せる今が愛しい。そのことを思い出しながら歌いたいと思います」

真っ直ぐな思いにうたれた客席は、じっとYUKAを見つめその歌声に耳を澄ませている。「つらくても、笑って進みたい」。熱い決意を感じる歌詞に、ファンもそれぞれの人生を重ね聴き入っていた。

中盤は小編成での演奏を展開。YUKAが「最初はこの3人」と紹介した「トモシビ」は、YUKA、MASAKIと鍵盤のみで音楽を編み上げていく。天上からいくつもの電球が吊された幻想的な空間の中で届けられた「声」は、音に導かれるように声が空へと放たれていく。羽ばたくように両手を広げたYUKAは、美しいファルセットで会場を魅了した。

YUKAが「またこの曲をMASAKIくんと一緒に、バンドメンバーとできることがとてもうれしいです」と満面の笑みを見せた「愛は続くよどこまでも」では、2人が音楽と声を合わせひとつの世界を作り上げていく。「ハレルヤ」ではその濃密な時間を祝福するような壮大なパフォーマンスで、ファンを異世界へと誘っていく。熱狂は会場中に広がり、観客は総立ちになっていた。

「次の曲は良かったら、一緒に歌って下さい」。YUKAの「いつもつながっているよ」の声に、会場はひとつに。「Triangle」でも「ここから一緒に歌って!」の誘いに合わせて「ラララ~」と思いを一つにして、盛り上がっていた。

弾む会場を見つめたYUKAは「moumoonの中秋の名月を見に来てくれて、本当にありがとうございます。たくさんの人に支えてもらい、みんなに応援してもらって、今日の日を迎えることができました。いつもmoumoonの音楽と共にいて下さって、本当にありがとうございます。また一緒にこうして音楽の旅に出られるように、元気で。また一緒に歌いましょう!」と一礼。ファンとの時間を名残惜しむように、本編の最後は命について歌った「Everyday」で幕を閉じた。

アンコールでは、冒頭から演奏を務めたMASAKIを「おかえり!」と出迎えたファンの姿も。約2時間半で、22曲を演奏した〝お正月〟は再び「一緒に歌って」というYUKAの声に合わせ、「good night」の合唱で大団円を迎えた。

SET LIST

01.Tiny Star
02.pride
03.Sunshine Girl
04.トモダチ/コイビト
05.Flyways
06.マカロン
07.follow me
08.ブルーアワー
09.Never look back
10.トモシビ
11.声
12.PAIN
13.ヒライス
14.愛は続くよどこまでも
15.Will you?
16.ハレルヤ
17.Yes
18.Triangle
19.Everyday

ENCORE
20.青い月とアンビバレンスな愛
21.HAPPY UNBIRTHDAY
22.good night

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