ニューロティカ 40th ワンマンTOUR ~アツシ カ・ン・レ・キ~
2024年7月28日(日)渋谷CLUB QUATTRO
愛し愛され40年! 結成40周年&アツシ生誕60周年を迎える今年。“ニューロティカ40thプロジェクト”として、年頭から怒涛のライブツアーを爆進しているニューロティカが、全国8か所を回る全国ツアー『ニューロティカ 40th ワンマンTOUR ~アツシ カ・ン・レ・キ~』を開催。ツアーファイナルとなる東京公演を、渋谷CLUB QUATTROにて行った。
開催直前、公式よりナボ(Dr)が、ギプスの固定に伴う肺動脈血栓で入院したことを発表。ヘルプドラマーとして、小林雅之(JUN SKY WALKER(S)/POTSHOT)が出演することが併せて発表され、僕同様、「ナボは心配だけど、小林のドラムは楽しみ」という複雑な気持ちだったロティカアミーゴたちは多かったはず。
……いや正直言えば、ツアー初日直前にナボがアキレス腱を断裂し、初日の福岡公演にサポートとして小林が緊急出演。今回同様、ナボや今後のロティカを心配すると同時に、「俺も小林さんが叩くロティカ見たい!」と福岡のファンを羨ましがってたところがあったので、楽しみの方が強かったかも知れない。ちなみにナボの病状をメンバーに聞くと、「誰もお見舞いに行ってないから分かんない」とのこと。あぁ、正式メンバーになったばかりなのに可哀想なナボ(笑)。
そして、そんな小林出演の効果もあってか、開催直前にチケットの券売もグッと伸びたというツアーファイナル。開演前からたくさんの観客の期待に包まれた開演前の会場。開演時間となって流れてきたのは、なんとJUN SKY WALKER(S)のオープニングSE! フロアにどよめきが起きる中、いつものロティカのSEに曲が代わり、楽器隊が登場。まずは赤の衣装と楽器で揃えたRYO(Gt)とカタル(Ba)が姿を現し、小林雅之がステージに登場すると、ひときわ大きな拍手と歓声が上がる!
「Yes、ニューロティカ!」のカタルの掛け声に♪ジャカジャーンと音を合わせ、ステージに登場したのは、還暦をイメージした真っ赤なステージ衣装のアツシ(Vo)。「ドラムス、小林雅之!」と紹介し、「40年間歌ってます!」と始まったOPナンバーは「DRINKIN' BOYS」。ど頭から会場中が♪ヤーヤヤの掛け声を合わせて強烈な一体感が生まれると、いつも以上にごきげんで大はしゃぎのあっちゃん。小林のドラムが疾走感に拍車をかけて勢い十分、最高潮の盛り上がりでライブがスタート!
「小林雅之の「ま!」 ♪ま~つ~り~ばやしが聞こえてきたぜ!」と始まった「シェリーは祭りが好き」でワッショイワッショイとお祭り騒ぎして、「気持ちいっぱいビンビンビン!!」で力いっぱいタオルを回して、クライマックスのような盛り上がりを見せた序盤戦。「俺たちがニューロティカだ!」とあっちゃんが叫んで始まったMCでは、このステージに賭ける意気込みを示すように、ど頭から立ったままドラムを叩いていた小林が、「今日はずっと立ってやるんでよろしく!」と力強く宣言。
さらに、「ご心配おかけしましたが、ナボちゃんも復活に向けてリハビリしてますんで、もう少しお待ち下さい」と報告したあっちゃんが「そんな時にやってきた、俺たちのヒーロー、小林雅之!」と改めて紹介し、「君たちに負けない元気をぶつけたいと思うので、今日もよろしくお願いします」と挨拶。「行きましょうか、みんなでダンス出来る曲!」と軽快に始まった「藤屋ミュージアム」から、パワフルなロックナンバー「DANCE DE NEW ROTeKA」へ。さらに半強制的な黄色い声援で始まった「背中のナンバー7」、会場中が手を振り合わせた「二十歳過ぎの青春はタチ悪い」と続き、新旧混じえた選曲にフロアは大熱狂! 意外性ある選曲は「セトリは俺の推し曲のみ!」のコンセプトを掲げ、あっちゃんの推し曲60曲からセレクトするというルールで行ってきた、このツアーの楽しみのひとつ。
「マーちゃんとは、ジュンスカで一番仲良くて。(森)純太とツルんでるとね、マーちゃんが怒っちゃうの」(アツシ)「妬いてるんです、俺が(笑)」(小林)などと、仲良しトークでファンをほっこりさせたMCから、郷愁感ある「オレンジの快速に乗って」をあっちゃんがセンチに歌い上げると、「おかしなおかしなお菓子屋ロックンロール」で♪イェイイェイイェイ!と楽しくピースサインを合わせ、「パンクロック未来地図」へ。小林が好きで、自身の弾き語りでも披露をしているというこの曲だが、実はこの日のセットリストは、あっちゃんの推し曲60曲の中から全て小林のセレクト。そうだったのか!と驚いたが、昔っからのロティカファンを公言する小林が改めて60曲聴いて選んだセトリなのだから、間違いないに決まってる。
RYOのギターイントロが切なく響き、<こんな生き方もあるんだぜ>の歌詞に40年、いや60年分の説得力を感じたバラードソング「手紙Ⅱ」をしっとり歌い上げたあっちゃん。40年間ライブハウスをブチアゲ続けた鉄板曲「チョイスで会おうぜ」、「...to be HARLEM」と続き、再びフロアに熱狂の渦を起こすと、ライブは終盤戦へ。「ロティカ40周年、俺の還暦祝いの渋谷CLUB QUATTROにご来場いただき、ありがとうございます!」と改めて挨拶すると、「言った後、鳥肌が立つかもしれないけど……俺たちのデビュー曲です!」と半笑いで曲紹介し、「この想い、天まで届け!」と「ア・イ・キ・タ」が始まる。パワフルかつソリッドなビートで、ライブ大定番曲が新鮮に鮮烈に響くのが不思議で楽しい。
RYOの激情のギターソロからイントロへ突入すると、疾走感ある曲調にまだまだ走り続ける決意を見せた「飾らないままに」、まだまだ歌い続ける覚悟を見せた「永遠ピエロ」と続き、40年を支えてくれた仲間たちやファンへの愛と感謝を込めた「俺達いつでもロックバカ」で本編を終演。小林がサポートにいたこともあってか、周年や大会場ならではの過度な演出やギミックもなく。ニューロティカのパンクバンドとして、ライブバンドとしての意地と誇りと本質が見えた感のあるこの日のワンマン。「ロティカってやっぱり強ぇな、カッコいいな!」と感想が漏れる、素晴らしいライブだった。ナボはいないけど(笑)。
アンコールは、小林のリクエストで88R(ややうけライダー)が久々の登場! スイカマンに出番を奪われがちなことにスネてた88Rだったが、そのハッスルぶりに観客も小林も大喜び! フロアから黄色い紙テープが飛び、クラッカーが鳴らされて大盛り上がりの会場に、「もう一曲やってない曲がある」と88Rのヘルメットを外して、かしこまるあっちゃん。「僕たちのデビュー曲です!」と再び叫び、小林の突き上げるビートで勢いよく始まった曲は、なんとJUN SKY WALKER(S)の「全部このままで」! 愛とリスペクトを込めた歌と演奏に、フロアが最高潮の盛り上がりを見せ、40周年ワンマンツアーは幕を閉じた。メンバーが一人ずつ挨拶したエンディングでは、「ナボちゃんには一日も早く戻って欲しいと思ってるんですが。ニューロティカ大好きなんで、やらせていただいたことが嬉しいと思ってます。今日は本当にありがとうございました!」と、参加出来たことの喜びを語った小林。ひょうたんから駒、不幸中の幸いみたいな展開ではあったが、メンバーにとってもファンにとっても忘れられない貴重な40周年ワンマンとなった。
そして、ロティカ40thプロジェクトはまだまだ終わらない! と、8月25日(日)には新宿ロフトで『1987年8月25日LOFT初ワンマン記念』。9月には大阪と名古屋で『あっちゃん還暦祝賀大祭 俺達いつでもロックバカスペシャル』、そして10月5日(土)にはJ:COMホール八王子にて『あっちゃん還暦祝賀超大祭』。さらに10月20日(日)には浅草花劇場にて『あっちゃん還暦披露宴パーティー』の開催が決定しているニューロティカ。こうなったら、今年はロティカにとことん付き合って、あっちゃんをとことんお祝いしてあげて欲しい! あと、ナボの早期復帰も祈ってあげて欲しい。そして、メンバーはナボのお見舞いに行ってあげて欲しい(笑)。
SET LIST
1.DRINKIN’ BOYS
2.シェリーは祭りが好き
3.気持ちいっぱいビンビンビン!!
4.藤屋ミュージアム
5.DANCE DE NEW ROTEeKA
6.背中のナンバー7
7.二十歳過ぎの青春はタチ悪い
8.オレンジの快速に乗って
9.おかしなおかしなお菓子屋ロックンロール
10.パンクロック未来地図
11.「手紙 II」
12.チョイスで会おうぜ
13...to be HARLEM
14.ア・イ・キ・タ
15.飾らないままに
16.永遠ピエロ
17.俺達いつでもロックバカ
18.88R(ややうけライダー)
19.全部このままで [JUN SKY WALKER(S)カバー]
40th ワンマンツアーで演奏!「あっちゃんの推し曲60曲」楽曲一覧
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