2020年10月結成の6人組新世代歌い手グループ・いれいす(Irregular Dice)が、2024年1月にメジャー2ndアルバム『IRREGULAR BULLET』をリリースする。まふまふ、Giga×JQ(Nulbarich)×TeddyLoid、HoneyWorksといった豪華作家陣による提供曲やメンバーのソロ楽曲、TVアニメのテーマソングに起用された楽曲など20曲超えの大ボリュームアルバムだ。異なる個性を持つ6人を体現するように、バラエティに富んだ楽曲が収録されている。そしてリリースの約1ヶ月後の2月12日には、かねてから彼らが目標として掲げていた日本武道館単独公演“いれいす One Man Live in日本武道館「Irregular Dice」”が開催される。彼らはなぜ日本武道館という場所を選び、そこに向かってひた走ってきたのだろうか。音源制作やライブに関するこだわり、6人の関係性や日本武道館にかける思いをメンバー全員に訊いた。
——いれいすは結成当初から日本武道館でのワンマンライブの開催を目標に掲げていましたよね。何か明確なビジョンがあったのでしょうか?
ないこ「結成3年以内で日本武道館ワンマンライブをする」というのは実は思い付きで、とりあえず「大きな会場でのライブを目指す」という意味で掲げた目標だったんです。それが活動を続けるなかでリスナーの皆と出会い、徐々にグループの規模が大きくなっていくにつれて、気付けばメンバーといれりす(※いれいすのファンの総称)の夢となっていたんですよね。
-hotoke-日本武道館って、とってもすごいアーティストの方々しかライブができない会場という印象があって、僕らは「日本武道館に行く!」と声に出していたものの、正直目標達成は難しいんじゃないかな……と最初はずっと思っていたんです。でも、メンバーで力を合わせて頑張っているうちに、それに応えてくれるリスナーさんたちがたくさん僕らを見つけてくれて、そのおかげでいま夢が現実になりました。本当にうれしいです。
──日本武道館公演の1ヶ月前にはメジャー2ndアルバム『IRREGULAR BULLET』がリリースされますが、どのようなコンセプトで制作なさったのでしょうか。
りうらメジャー2ndアルバムということで「これまで制作してきたどんなアルバムよりも豪華に!盛りだくさんに!」を意識して制作しました。サイバーパンクで近未来な雰囲気、タイトルの通り「銃弾」をテーマにしておりますが、テーマに縛られず本当に様々なジャンル、かっこいいもかわいいもおしゃれもセクシーも全部のせの最強なアルバムになりましたね。なかでも僕の推し曲は、いれいす結成3周年を記念してHoneyWorks様に書き下ろしいただいた「僕らが描いた夢のその先に」。これまで僕らがリスナーのみんなと共に歩いてきた軌跡を、HoneyWorks様にしか出せない綺麗で心に響くメロディ、歌詞で表現していただいているんです。これ武道館で歌ったら泣いちゃうだろうなぁ……。
──りうらさんのおっしゃるとおり、ボリュームたっぷりでジャンルレスな作品に仕上がっていますが、皆さんそれぞれが思う『IRREGULAR BULLET』の聴きどころもお聞かせいただけますか?
-hotoke-やっぱり各メンバーのソロ曲ですね!どのメンバーの楽曲もとても有名で素敵なボカロPさんに書き下ろしていただいているので、それぞれで異なる色を作るアツいコラボになっていると思います。ぼくのソロ曲を聴いていただきたいのはもちろんなんですが、メンバー全員の曲を聴いて、お気に入りの楽曲を見つけたり、楽しんでいただきたいです。
初兎どの楽曲も素敵なのですが、ラップ担当としてはFAKE TYPE.様に書き下ろしていただいた「Place to be」を推します!いれいすは毎年オリジナルのラップ曲を作っていたり、僕は今回ソロ曲でもラップ曲を作らせていだいたんですが、「Place to be」は超高速ラップなので、また新しいいれいすのラップをお届けできたのかなと思います。りうらと僕のパートは歌詞を見ていても置いてかれるほどのスピードで、このアルバムでいちばん難しかったですね(笑)。
ないこ僕の激推しは「星降るフェアリーテイル」ですね。日本武道館ワンマンライブのリード曲であり、誰もが知るレジェンド歌い手のまふまふさんに書き下ろしていただいた大切な楽曲です。僕らがリスナーさんに約束したあの日からずっと追い求めていた日本武道館という舞台に、歌い手の大先輩が楽曲提供というかたちで送り届けてくださっているという、楽曲そのものだけでなくその経緯もすごく重要な楽曲だなと思っています。まふまふさんらしさ全開のメロディと歌詞をいれいす6人で歌わせていただけて感無量です。
If僕は「Clutch」を超推します! 超豪華作家陣に加え、いれいすにはかなり珍しいテイストの楽曲で、初めての挑戦が詰まっています。英語のリリックが多かったこともあり、英語が得意な僕も発音のディレクションに入ったり、個人的にも思い入れが強いですね。りうらと初兎のラップパートも聴きどころですし、If個人としても収録にはかなり時間をかけて丁寧に歌わせていただきました。ダンスが入ったら超カッコイイこと間違いなしです!
悠佑「Brave」にはやっぱり思い入れがありますね。個人的な話になっちゃうんですが、僕はいれいすを組む前から長い間音楽やっていて、その目標に置いていたのがアニメタイアップだったんです。「Brave」はその夢を叶えてくれた曲で、決まった時はもう本当にうれしくて。アニソン感満載の曲なので、ライブでも盛り上がること間違いなしですね。
初兎あと、『IRREGULAR BULLET』が完成して、あらためていれいすの強みは「6つの個性」なんだなと思いましたね。グループ名の通り、賽の目のように異なった才能が同じ夢を追うためにひとつになった、そんなグループなんだなと再確認しました。それぞれ得意なことが違って、この6つの可能性を伸ばし続けた結果、今回のアルバムの「予測不可な弾丸」が生まれるんだろうなって。僕個人としても、もっとラップを盛り上げられることを積極的にしていきたいなと思いましたね。
──いれいすは目まぐるしいスピードでその規模を大きくしていきましたが、結成からの約3年間でグループの内部にはどんな変化があったのでしょうか。
If3年間いろんな場面で一緒に時間を過ごすにつれて、6人の心理的距離感はかなり変わりましたね。特に全国13会場26公演、ずっと一緒に過ごした2022年の夏ツアー“Irregular Vacation”は大きかったんじゃないかな。お互いの得意とすること、苦手とすることがわかってきたんです。6人いるからこそ補いあって、それぞれのいいところを発揮できているんじゃないかなと思っています。2021年からたくさんライブをするようになって、確実にライブパフォーマンスはレベルアップしましたね。年齢もバラバラ、ダンスも素人の6人が集まって、数千人規模動員のライブが出来ていること。並大抵の努力の上に成り立つものではないことは、みんな自負していると思います。