ゆず、Kアリーナ2日目はバンド・ストリングス・ホーン・ダンサーと織り成す、極上のゆずエンターティンメント<DAY2>

ライブレポート | 2023.10.10 15:00

ゆず
YUZU SPECIAL LIVE 2023 HIBIKI
in K-Arena Yokohama
DAY2 RED × ALL STARS
2023年9月30日(土)Kアリーナ横浜

YUZU SPECIAL LIVE 2023 HIBIKI in K-Arena Yokohama
<DAY1>BLUE×FUTARI のライブレポートは≫こちら!

 Kアリーナ横浜のこけら落とし公演「YUZU SPECIAL LIVE 2023 HIBIKI in K-Arena Yokohama」、2日目のテーマは「RED×ALL STARS」だ。巨大なアリーナの外壁は赤いライトで染まり、中に入ると照明も赤、観客が身につけるTシャツも赤。昨日のブルーとは対照的な空気の中、ライブも昨日とはまったく違う表情でスタートする。オープニングからストリングス+ホーンを含む総勢12名のバンドが分厚いうねりをもって押し寄せ、アリーナと高い天井の間を無数のレーザービームとライトが激しく飛び交う。1曲目は「ヒカレ」だ。ステージに飛び出して来た北川悠仁と岩沢厚治の衣装ももちろん赤。「みなさんこんばんは。ゆずです!」と叫ぶ北川の声も、昂りすぎて裏返りそうになっている。20000人が手を振り上げて大歓声を飛ばす。いきなり凄い雰囲気だ。

 2曲目「うたエール」はさらに凄い。広いステージと、背後の3層になったバルコニーにもダンサーが登場し、元気いっぱいに歌い踊る姿は壮観のひとこと。この日のライブに参加したパフォーマーは総勢150名、名付けて「HIBIKIダンサーズ」。これが最後の曲?と思うほどの盛り上がりだが、ライブはまだ始まったばかりだ。縦12メートル×横42メートルの超巨大ビジョンが威力を発揮し、カラフルなタイポグラフィを映し出す「公私混同」、バイオリンの流麗な音色が美しい「from」、無数の白い光の粒がビジョンをはみ出して空間に漂い出すように見える「彼方」、そして北川が気迫満点でパワフルな歌を聴かせる「慈愛への旅路」。息つく間もなくノンストップ、目と耳をどちらも最大限に楽しませる曲を連ねてぶっ飛ばす。

「どうですか? 神セトリ、いいでしょ?」

 日本最高峰のエンタテインメントをお届けします、と胸を張る北川は満面の笑顔。岩沢がリードをとる「桜木町」はいつも以上に優しく切なく、ここ横浜で聴くと特別な感慨がある。ビジョンの中にはランドマークやコスモクロックを描いた絵が浮かび、華麗な花火が打ち上がる。「タッタ」ではずらりと並んだダンサーたちと一緒に明るく楽しく歌い踊り、「夢の地図」ではアリーナにいくつものバルーンが投げ込まれ、あっちこっちで大騒ぎだ。コロナ禍の3年間ではできなかった、ファン参加型の演出も今ならできる。ステージに飛んできたバルーンを投げ返す、北川も子供のようにはしゃいでる

岩沢厚治

北川悠仁

 中休みのお楽しみ、昨日に続く映像企画「ゆずが行く! おすすめスポットin横浜」の、今日の訪問地はみなとみらい地区の観覧車ことコスモクロックと山下公園だ。学生時代の思い出に浸りながら、あいにくの雨に降られながらも賑やかなトークを繰り広げる二人。行ったことがない人にも、ゆずの曲がこの街で生まれ、この土地で育ってきたことがよくわかる好企画。

 ライブ後半は、アリーナ中央に突き出たセンターステージからスタートする。可変光とレーザーが上からも左右からも間断なく降り注ぐ、光のアートと呼びたい素晴らしい照明を浴びた「REASON」、虹色のライトと満場の手拍子に心弾む「君を想う」、そして北川が鍵盤ハーモニカで叙情的なフレーズを紡ぐ「雨のち晴レルヤ」。ハイクラスのスピーカー200台を導入した音響システムの素晴らしさは昨日も実感したが、歌とギターの響きの粒立ちの良さに感動した昨日とは異なり、今日はバンドの一人一人が奏でる音の分離の良さと、カタマリになった時の迫力との両立に感動する。爆音のバンドサウンドもしっかり響かせる、それがKアリーナ横浜。

 それを心の底から実感したのが、続いて登場するスペシャルメドレー、題して「ULTRA HIBIKI PARTY」だ。ゲストDJにTeddyLoidを迎えたステージは完全にEDMのパーティー仕様で、「恋、弾けました。」「マスカット」「奇々怪界-KIKIKAIKAI-」「言えずの♡アイ・ライク・ユー」「RAKUEN」と、ハッピーでキャッチーなダンスチューンを爆音ノンストップMIXで連続投下する。100年後の未来からやってきた、ゆず太郎の進化型ロボットYZ-TAROがビジョンで踊りまくり、膨大な光量がステージを包み込む。北川と岩沢はド派手なラメのジャケットを着こみ、ダンサーの激しいパフォーマンスの力も借りてぐんぐん飛ばす。LEDを仕込んだライトアップ服を着こんだダンサーたちが、ステージ後方のバルコニーいっぱいに歌い踊る光景は、あっけにとられるほどゴージャスで刺激的。2万人が大興奮のパーティータイムを終えた北川が、「よくついてこれたな」と笑う。ゆずの楽曲のパワーがKアリーナの未知のポテンシャルを引っ張り出した、超ハイテンションの16分。

 再びバンドサウンドに戻ってのラストスパートは、おなじみ「Y・U・Z・U」と北川のチャイムを鳴らすパフォーマンスで盛り上がる「少年」、そして全員がライブグッズのタンバリンを打ち鳴らして歌い踊る「夏色」へ。お約束のパターンなのに何度見ても乗せられてる、「バカヤロー」と「もう一回」を繰り返してスピードを上げ、そのままクライマックスへ…は行かず、再びオープニングのSEと映像を流してから本編ラスト曲「ビューティフル」を披露する、ライブの流れがいちいち劇的だ。「ビューティフル」のパフォーマンスは、昨日同様に多数のダンサーが感情とメッセージを込めて踊る、極めてドラマチックなものだが、今日はステージ後方バルコニーにもダンサーが配置されてさらにスケール感が上がった。「ビューティフル」は今回のライブのテーマであり、今のゆずが最も伝えたいメッセージ。ビューティフル、ネバーギブアップ。前が見えないほど大量の紙吹雪が舞う中、あっという間にステージから人が消え、興奮がゆっくりとフェイドアウトする。凄い余韻だ。

 さぁアンコール。「Frontier」は、めまぐるしくテンポが変わる実験的な曲調にも関わらず、ゆずらしいポジティブな冒険性を持つ魅力的な曲。ステージの上でも下でも旗が振られ、一体感がアリーナを満たす。「どうだ? ゆず最高だろ?」と北川が呼びかける。答えの代わりに、大歓声が広いアリーナいっぱいにこだまする。

「俺たちの思いと歌を、この会場に響き渡らせたい。それと同じくらい、いやそれ以上にみんなの思いを響き渡らせたい。『HIBIKI』というタイトルをつけて本当に良かったと心から思ってます」

 最後はみんなで一緒に響き合いながら、一緒に歌いましょう――。今日のラスト曲「栄光の架橋」を歌う、2万人の一人一人が主役になる。2番からは北川と岩沢、そしてバンドが加わり、大きなうねりになって突き進む。昨日のアコースティックバージョンも素晴らしかったが、今日のバンドバージョンにもここにしかない感動がある。どんな形でもゆずはゆず。初日と2日目、まったく違うスタイルを見せることで、二人はその価値を証明した。

 すべての音が消え、総勢150名のパフォーマーと、バンドとともに誇らしげに並ぶ二人に降り注ぐあたたかい拍手。明日は「YUZU SPECIAL LIVE 2023 HIBIKI in K-Arena Yokohama」の3日目、「BEAUTIFUL×FUTARI&ALL STARS」だ。昨日とも今日とも違うどんな表情を、二人は見せてくれるのか。明日17時30分の開演がすでに待ち遠しい。

SET LIST

<SET LIST>
01.ヒカレ
02.うたエール
03.公私混同
04.from
05.彼方
06.慈愛への旅路
07.桜木町
08.タッタ
09.夢の地図
10.REASON
11.君を想う
12.雨のち晴レルヤ
13.ULTRA HIBIKI PARTY(恋、弾けました。/マスカット/奇々怪界-KIKIKAIKAI-/言えずの♡アイ・ライク・ユー/RAKUEN)
14.少年
15.夏色
16.ビューティフル

ENCORE
01.Frontier
02.栄光の架橋

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