4月からはYouTube番組をスタートさせ、5月には配信限定EP『Grateful』をリリース、7月にはトークとライブで構成された無観客生配信ライブを開催、9月にはEX THEATER ROPPONGIにて有観客ライブをソールドアウトさせるなど、コロナ禍でも積極的な活動を続けているアイドルパンクDJユニット・あゆみくりかまき。彼女たちが10月20日に、無観客生配信ライブ「不思議の国のアユクマ ~“PUNK”kin Halloween Party~」を開催する。彼女たちにとって2回目の無観客生配信ワンマンライブは、「体験型ミュージカル」とのこと。前代未聞の初挑戦を目の前にした彼女たちに、現在の心境を訊いてきた。
──9月にEX THEATER ROPPONGIで行った7ヶ月ぶりの有観客ライブはいかがでしたか?
まきただただ「楽しかった」と「有観客で良かった」に尽きますね。「またぎ(※あゆみくりかまきのファンの総称)に会いたい」という気持ちと会えた喜びが大きかったです。曲のボードを作ってくれたり、「くりかちゃん」「あゆみちゃん」と書いてあるうちわを持ってきてくれたり、またぎもコロナ禍ならではの楽しみ方を準備してくれている方もいて。いつものライブとは違った満足感でしたし、楽しんでくれている姿を目に焼き付けられました。
──うちわは普段のあゆくまのライブにはないスタイルですよね。
まきステージからああいう光景を見たことがなかったから、うれしかったですね。「わっ、アイドルのライブみたい!」「うちらアイドルしてるな~!」って(笑)。
──ははは。くりかさんとあゆみさんはいかがでしょう?
くりか久し振りに会えるうれしさが大きいぶん、表情が固まって笑顔になれないくらい緊張してたんです。ライブの最初にコントをしたんですけど、緊張して台詞が飛んじゃって。でもそのときのまたぎの微かな笑い声で、ふっと力が抜けてライブに入れたんです。コント始まりで良かったなと思ったし、いつもどおりSEが流れて曲に入るパターンやったら、最初から感動で涙腺崩壊してたと思います(笑)。みんなに会えてすっごくうれしかったです。
あゆみいつもよりクオリティの低い、満足感のないライブになったらどうしよう……と不安が大きかったんですけど、実際立ってみると全然。声がなくても、いてくれるだけで、楽しんでくれてることが空気で伝わってきて。目元しか見えへんけど笑ってくれてることがわかるし、声は聞こえへんけど聞こえてくるような感覚があって。コントを終えて、早着替えの時に3人で集まって「大丈夫やな」って。本当に自信を持ってライブに入ることができました。ライブ前にTwitterでまたぎから「声も出せないしタオルも回せないし、何もしてあげられない」とリプライをもらったんですけど、そんなことなくて。いてくれるだけでうれしいなって、すごく思いました。
──その経験や想いが、10月のオンラインハロウィンライブ「不思議の国のアユクマ」にも生きてきそうですね。こちら「体験型ミュージカル」とのことですが。
まき7月にトークパートとライブパートをがっつり分けた配信ライブをして、やり終えたあとにすごく満足感があったんです。だからこそ同じことをやってもつまらないし、あれを超えるためにはどうしたらいいんやろ?とミーティングをするなかで「ハロウィンライブやし、イリュージョンがしたい」「これまでやってきたコントを踏まえてライブをするってミュージカルじゃない?」という話になって、ホワイトボードにいろいろ案を書きだして。そこで「体験型ミュージカル」がいいんじゃないかなって。
──「オンラインで体験型ミュージカル」というのを、もう少し詳しく教えていただけますか?
まきまず、「不思議の国のアユクマ」は大きく分けて3つのシーンで構成されていて、そのストーリーをまたぎのみんなと一緒に進めていくという形です。またぎに力を貸してもらう場面があったり、またぎと交流する場面があったりなので、オンラインでありながらも参加してもらえる内容になってます。
──なるほど。ミュージカルのストーリーはみなさんで考えてらっしゃるんですか?
あゆみコントも今回のストーリーも、まずはチームみんなでだいたいの話やアイデアを考えるんですけど、そのざっくばらんな内容をひとつの台本に落とし込んでくれるのはマネージャーさんです。
まきマネージャーさんが、初心者やのに「ほんまに脚本家かな?」と思うくらいすごく面白いものを書いてくれました。
くりか「不思議の国のアユクマ」の台本を読んだら、ストーリーがスッと入ってきて。
あゆみ台本を読んで「やっぱりちゃんとチームなんやな」って感じられました。
まき3人でパーティーをしているところにクマが現れて、不思議の国に連れていくという始まりなので、「不思議の国のアリス」をもじって「不思議の国のアユクマ」にして……でもストーリーにアリス要素はあんまり関係ないんですよね(笑)。そのぶんライブのフライヤーや視聴チケットを買ってくださった方が買えるメモコレやメモコレくじで使う写真はアリス感満載にしてみました。
──今回は映像も見どころのひとつだそうですね。
まきそうなんです! LEDモニターをたくさん使える環境なので、映像とリンクするシーンがたくさんあります。
くりかLEDモニターに背景を映して、走ってる感じに見せたりとか。
まきあゆくまが映像と動きを合わせてパフォーマンスするのも初めてで。
あゆみそれこそ配信だからこそできる見せ方やから、すごく楽しみです。いま出来ることを楽しめてる気がします。
──かなり作り込んだ内容ですけど、生配信なんですよね?
全員そうです。
──それも驚きですよね。最近は演出が凝っているオンラインライブだと、録画した映像を配信することも増えているので。
まきんー、あゆくまは断然生配信派かなあ……。あゆくまの良さを出せるのは、やっぱり生やと思うんです。オンタイムの不安や緊張があるからこそ、3人の結束力も上がって、いいライブが出来ている実感もあるんです。生配信ありのままを観てもらえるし、なにより生でないとまたぎとリアルタイムでやり取りできないから。
あゆみうん。離れていても、同じ時間を一緒に共有したい。
くりかくりかも絶っ対、生派です。いま観てくれてるからこそ、自分たちも「いまこんなふうに考えて観てくれてるかな」とイメージもできる。またぎの気持ちを考えながらライブができると、いちばんあゆくまらしいと思うんです。
──うんうん、そうですね。おまけに舞台がミュージカルなので、また新しいあゆくまが観られそうです。
まき最後のパートにアコースティックセットを持ってきていて。今までは勢いよく終わるか、全員で歌ってひとつになって終わるかにこだわっていたので、アコースティックセットで締めくくるのはかなり大きなトライなんです。1コーラスではなくすべてフルで歌うので、リハでの悔しい想いを乗り越えた先のパフォーマンスを見せたいですね。
あゆみ「ひとつの物語のなかにあゆくまのライブがある」という内容なので、非日常的空間にしたいなと思ってるんです。コロナ禍という現実を抜け出して、一緒に「不思議の国」を味わってほしい。オープニングとエンディングにはトークもあるので、そこでは素のあゆくまが見せられると思います。
くりかこの日だけの衣装を用意してるので、それも見てほしい!
──ハロウィンと言えば仮装ですものね。衣装への期待は大きいです。
まき「2018年のハロウィンライブの衣装がいちばんいい」と言ってくれるまたぎがすごく多いんですよ。それを超えないと!とも思ってます。
くりかそうやなあ。あゆくまと一緒におうちハロウィン、楽しんでほしいです!