MUNETAKA vol.14 ~IDOL COLLECTION~ 「温故知新」
2019年7月25日(木) duo MUSIC EXCHANGE
出演:群青の世界 / マリオネッ。 / raymay / SOL / Devil ANTHEM. / FES☆TIVE / Pimm's / PiXMiX
ディスクガレージの現場スタッフが“胸が高鳴った音楽”を紹介するジャンルレスなイベント『MUNETAKA vol.14 ~IDOL COLLECTION~ “温故知新”』が7月25日(木)に渋谷・ duo MUSIC EXCHANGEにて開催された。第14回目となる“MUNETAKA”は「IDOL COLLECTION」と銘打たれ、現在のアイドルシーンの中心にいるグループと次世代を引っ張っていく新人グループによる2段構成となっていたが、アイドルとはいっても一括りにはできないほど様々なタイプのグループが集結した。
トップバッターを務めた群青の世界は、洗練されたスタイリッシュなビジュアルとサウンドをテーマにした4人組グループ。ノスタルジックなピアノとストリングスの響きが引き連れてくるのは、誰しもが経験のある“青春”の風景だ。良質のポップソング「未来シルエット」やエモいロック「メロドラマ」、新曲で打ち込みのポップチューン「コイントス」、ハイテンションでハイテンポの「群青魂」とジャンルは多岐に渡っているが、その根底には、甘酸っぱさや切なさ、痛み、情熱といった思春期特有の感情が通奏低音のように流れていた。白いスカートを翻しながら手を繋いでくるくると回り、間奏でステージ上を全速力で駆け抜け、楽曲の終わりに「群青の夏、はじめよう」とつぶやく。青春のきらめきを感じずにはいられないほど、瑞々しくて眩しいパフォーマンスとなっていた。
群青の世界 SET LIST
1. 未来シルエット
2. メロドラマ
3. コイントス
4. 群青魂
映写機がカタカタと回る音に心音を重ねたSEでライブをスタートさせたSOLは、“Cinematic New Culture”をコンセプトにした5人組。ステージに登場したメンバーは背を向けているが、真ん中に位置していた雪季がおもむろに振り向き、何かを拾った瞬間に物語が動き出した。軽やかな舞を見せ、しゃがみこみ、頭をかきむしる。彼女たちの動きはダンスでありながらも演劇的で、ちょっとした手の形にさえ、意味を感じさせる。コンセプト通り、まさに一本の映画を見ているようなステージングで、アイドルらしく満面の笑顔で歌ったサマーソング「夏の魔法」や、観客が一緒に踊って楽しめる「ママレードバタフライ」でさえも、ただのアイドルポップでは終わらないドラマやストーリーを感じさせ、ポップロック「スターゲイザー」のDメロの動きと表現力には、もう一度見たい!と思わせてくれる不思議な吸引力があった。
SOL SET LIST
1. アサキユメミシ
2. 夏の魔法
3. ママレードバタフライ
4. スターゲイザー
東宝芸能所属のPiXMiXはゴジラの咆哮とともに登場。メンバーのITSUKIが体調不良で欠席し、5人でのパフォーマンスとなったが、正統派の王道アイドルグループらしい可愛らしく華やかな雰囲気で会場を包み込んだ。バレリーナのようなジャンプを取り入れた「青き桜」やミラーボールが回る中で、KOHIMEがしっかりとしたソロパートを歌い上げた「学園スローモーション」。そして、新しい世界へと飛び出す勢いと前向きな推進力を感じさせる「ノア」「飛ばせ!紙ヒコーキ」などを可憐に披露。MCでは、現在、メジャーデビューに向けたチャレンジの最終試験中であることを話し、TOWAKO、KAREN、AIRIの3人が観客に向けて「みんな、絶対にフォローしてね」とチャーミングにアピールし、新たなファンの心を掴んでいった。
PiXMiX SET LIST
1. 青き桜
2. 学園スローモージョン
3. Don’t Worry
4. ノア
5. 飛ばせ!紙ヒコーキ
パンキッシュなムードのロリータファッションで身を包んだマリオネッ。は、「普通の女の子が夢を叶えるまでの道のりを追ったリアルドキュメンタリー」を体現する6人組グループ。彼女たちのライブを観るということは、彼女たちのドキュメント=人生に参加したことにもつながる。しかし、“普通”のとはいうが、彼女たちの歌声には聴き手の心を揺さぶる響きがあった。ピアノロック「空中ブランコ」で見せた深月かおりのソロパートには心の叫びのような切実さを感じ、ヘヴィーロック「Distortion」で百瀬あぐりと二瀬ひなたが向かい合ってバトルのように歌いあうシーンは高揚感を与えてくれた。さらにバイクを乗り回した「Midnight Parade」や右に左に片足でケンケンする「タリナイ!タリナイ!」でフロアを大きく盛り上げた。歌唱力の高いメンバーが揃っているだけにもう1曲聴きたいという“タリナイ”気持ちを観客に残したままで潔くステージを後にした。
マリオネッ。 SET LIST
1. 空中ブランコ
2. Distortion
3. Midnight Parade
4. タリナイ!タリナイ!