昭和、平成、令和の三つの時代を超え、大人の上質なロックを奏で続けてきたTHE JAYWALKが、新時代にふさわしく力のこもったシングルを完成させた。およそ9年振りのニュー・シングル「Don’t Forget~陽は沈み また必ず昇る~」は、溌剌とした若さ溢れるロック・チューンを表題曲に、メロウなラブソングと骨太なロックを収めた充実の1作。新曲を引っ提げて開催中の〈THE JAYWALK TOUR 2019 =HEAVEN's GATE =〉について、制作途上のアルバムについて、そして来年の結成40周年に向けてバンドは今何を思うのか、知久光康(Vo&Gt)と杉田裕(Vo&Key)に語ってもらおう。
お客さんの前で演奏することがすごく嬉しいという気持ちが、この曲をやることでみなさんに伝わるのかな(杉田)
──今日はツアー3本目、Motion Blue YOKOHAMAの開演前にお邪魔してます。ここまで2本の手応えは?
知久光康(Vo&Gt)いいニュースを先に言うならば、新曲をやっていることですね。新曲はすごく久しぶりで、シングルとなると9年振りぐらいなんですけど、僕らのサポートをずっとやってくれている若いギターの渡邉(幸啓)くんという人が作ってくれたんですね。彼はJAYWALKフリークで、「こんなのどうですか?」と持ってきた曲が、元気だった頃のJAYWALKらしさというか…「元気だった頃の」とか言うと、今は元気ないみたいだけど(笑)。
杉田裕(Vo&Key)僕らはずーっと長くやってるから、その中でいろんな変化を求めちゃうんですよ。ただ渡邊くんは客観的に見て「JAYWALKはここがいいんです!」というものを、彼なりに考えてくれていて、わりとシンプルな曲調で作ってくれたので。それがすごく新鮮な感じがしましたね。
知久僕らが忘れていた感じというか。
杉田アップテンポですごく軽快な曲なんですけど、光康くんの書いた詞のテーマには、JAYWALKのコンセプトがしっかり根付いていて。「Don’t Forget」という、自分の存在とかいろんなことを忘れずにという…。
知久忘れないつもりだけど、忘れちゃうことというか。
杉田サブタイトルの「陽は沈み また必ず昇る」というのもね。
知久そういうことって、忘れちゃうじゃないですか。当たり前だと思っちゃうから。
杉田日々の生活の中では、その時その時の判断で、気分が良くなったりしょげちゃったりするけれど、そういうことではなくて「もっと大きな目で見て生きていこうよ」というテーマなのかな?と僕は思ってるんですけどね。
知久いい解釈してくれるね(笑)。それで今回は、こういう若々しい曲をやってみたんですけど、人前でやるまでは「どうだろう?」と思ってたんですよ。こんな若々しい曲はどうかな?と。
杉田それが、お客さんもみんな若返っちゃった。
知久そうそう。お客さんが若返っていくのがわかるんで、最近は大人のロックだとか、意識しすぎてたのかもしれないと思いましたね。すごく反応がいいし、こういうストレートなロックは、わかりやすいのかもしれないね。ツアーが始まって、どこへ行っても反応が良くて、それが嬉しいです。だから似たような匂いの、かつてのオリジナルをやると、同じように新鮮に感じるんですよ。
杉田忘れていたことを、もう一度思い出させてくれるような感じはありますね。僕ら自身が、10年近く前の事件から、いろんなことを試行錯誤しながら、山あり谷ありで…谷の方が多かったけれど(笑)。その中でも続けていられたということと、お客さんの前で演奏することがすごく嬉しいという気持ちが、この曲をやることでみなさんに伝わるのかな?という気がしますね。
──この曲はアルバムからの先行シングルという形になってますけど、アルバムはもう出来て…。
杉田いや、まだなんです。アルバムを作ろうということで制作を始めたんですけど、出足の遅いJAYWALKとしては(笑)。いろいろやりすぎて、なかなか前に進まないというか。ツアーには間に合わないから、シングルだけでも先に出そうということです。
知久今も、次の曲を作っている最中なんですけどね。
杉田曲はけっこうたまって来てるんで。それをいい形で仕上げようと思ってます。