claquepot(読み:クラックポット)は、シンガーソングライターであり、自身の作品すべてをプロデュースしているソロの男性プロジェクト。メディアにはほとんど出ていないにも関わらず、すでに大勢のファンを獲得している彼は、年に数回行なうライブではその姿を見せるものの、それ以外では自身の正体、姿の露出は極端に控えめ。音楽作品もYouTubeのみに公開していたのだが、公開していた音楽性とミステリアスな存在がインターネットシーンでは話題となり、YouTubeの再生回数はいつの間にか平均10万View超えを記録。そんなclaquepotが2月からマンスリーで配信をスタート。それらの曲を含めた名刺代わりとなる初のデジタルE.P.作品『DEMO』を6月28日に発売する。現在、盟友SHIROSEのWHITE JAMとツーマンライブ<WHITE JAM × claquepot 2 MAN TOUR-Solution 8->を開催中。その追加公演として、7月18日にはマイナビBLITZ赤坂でライブを行なうclaquepotが、ついに姿を現した!?
──まずはclaquepotを始めたきっかけから教えてください。
なんか、自然と始まってた感じなんですよ。いまから始めるぞっていう感じで始めた記憶はないんです。曲を作るのは昔からやってたので、その延長上にある感じなんですよ。ただ、claquepotという名前を付けて、プロジェクトとしてやり出したのは…たぶん一番最初にYouTubeに動画を上げたのが5〜6年ぐらい前からかな? 僕、上げた動画もすぐに消しちゃうんですよ。いまYouTubeに残ってるものよりも前、2013年とかから上げてたんですけどそれは消してしまったんですね。そのときは、趣味みたいな感覚でやってたので、気分で上げて気分で消したりしてたんです。いまも趣味の延長上でやってる感覚なんですけどね。
──楽曲創作と並行して、ライブもやられてたんですよね?
ええ。客演、フィーチャリングでいろいろ出してもらったりしたのを入れると、7年ぐらい前からやってます。宣伝しないでこそこそっとですけど、意外とやってるんですよ(微笑)。
──顔出しも宣伝もしないでこそこそっとという活動スタイルにはどんなこだわりが?
印象づけをしたくないんですよ。顔を出してない理由もそうなんですけど。僕がリスナーとして音楽を聴きたいなと思う人って、そういう方々が多かったんですね。だから自分もそういう感覚で。中身で判断してますからといいつつも、外側を見ちゃうとその外側の印象で判断してしまう人が多いので。(音楽への)入り口の印象ってすごく大事だからこそ、外側は後回しで知ってもらいたい。後から(外側を)知ってもらう分には全然いいので。そこは、自分なりにこだわって守っている部分ですね。
──なるほど。シークレットにした意味も分かりました。では、プロジェクトの名義をclaquepotという名前にした理由は?
丸っこい字体がよかったんですよ。cとかqとかoとかeとかaとか小文字にすると全部丸っこいんです。濁点がなくて丸っこいのが昔からいいなと思ってたので、それを念頭に置いていろんな単語を漁ったんだと思うんですよ。もう記憶が定かではないんです(微笑)。
──確かにデザイン的に綺麗な気がします。
そうなんです! シンメ(トリー)っぽくて。ロゴにしたときにかわいいからいいな〜と思って。単語の意味よりもそっちのほうが大事でしたね。
──自作曲を作る以前、曲を作りたいなと思ったきっかけはなんだったんですか?
高2の頃かな? 当時歌とか踊りとかを習う学校に行ってて。そこで成果発表会みたいなものがあったんですよ。そこに通ってた人たちは楽曲制作をするスキルはまだなくて、発表会ではだいたいみんな当時流行っていた曲や自分の好きなアーティストの曲をカバーしてたんですね。でも、僕がいたチームは、やろうとしてた曲がマニアックすぎてカラオケが無かったんです。それでも絶対やりたいってなったので「じゃあ同じようなオケを自分たちで作ろう」って話になって。耳コピでオケを作ったのが最初です。
──ちなみに曲はなんだったんですか?
RHYMESTER feat.F.O.H「ウワサの真相」です。
──懐かしい(笑)。Creamの「Sunshine of Your Love」のリフをサンプリングしたやつね。
あれがめっちゃ好きだったんです。だから、感謝ですね。RHYMESTERさんとF.O.H(Full Of Harmony)さんには。これで打ち込みをやるようになったら、「自分らだけのオリジナルも作れるんじゃない?」って話になって、そこからちょっとづつオリジナル曲を作る作業をやるようになったんです。それで、そのチームがなくなったあとも、自分は一人でコツコツ、デモを作る作業は続けてたんですよ。
──曲作りが好きなんですか?
好きですね。ライブをやるよりも、曲を作ってるときのほうが楽しいです。ライブは緊張するから心臓が痛くてイヤだなって思ってますから。常に(微笑)。曲を作ってるときや、作り終えてそれを聴くときがマックス楽しいです。だから、極論をいっちゃうと自分が歌わなくていいかなとも思ってます。