────5月22日に待望のニューアルバム『アリス』をリリースした首振りDollsだけど、今作はどんなアルバムに仕上がってますか?
Ba. ショーン・ホラーショー今回は前作の『ミッドナイトランブラー〜真夜中の徘徊者〜』よりも、ちょっとガレージ感が強く仕上がってますね。今回は本当にバンドっぽい音というか。
Gt.Vo. ジョニー・ダイアモンド前作は、鍵盤とかを中心にバンド以外の音が結構入っていたりもしたからね。今回は、戸城さん(プロデューサーの戸城憲夫=ZIGGY・THE SLUT BANKS)が、“アリス・クーパーみたいな音像のミックスにしよう”って言ってくれたのもあって、バンドサウンドに重点を置いた1枚になったんじゃないかなと。でも、そこまでガレージ感が強すぎないし、すごくバランスのいいアルバムになったと思う。
──タイトルの『アリス』に込められた意味の中には、アリス・クーパーの“アリス”も含まれているの?
Dr.Vo. ナオそう。まだ原型も何も無いときに、カタカナ3文字のタイトルがいいなぁって思ってて。カネコさんがジャケット描いてくれることになったから、カネコさんの作品で好きなものが、全部カタカナ3文字だから。『デスコ』とか『BAMBi』とか『SOIL』とか。だから、アルバムタイトルもカタカナ3文字にしたくて。で、何かねえかなぁって考えてたときに、戸城さんから、 “アリス・クーパーみたいな音像のミックスにしよう”って言われて、『アリス』いいんじゃない!? みたいな!
──なるほどね。今回、前作との音像の変化も感じ取れるけど、リード曲となる「黒い太陽」もそうだけど、ショーン作曲の「PSYCHO CLUB」や「ホール」という曲たちが加わったことで首振りDollsの音が変化したよね。
ナオそう。首振りDollsは、意識的に今まで最近のロックにはなりたくないっていう想いがあって、自分たちのルーツを大事にずっとやってきたんですけど「黒い太陽」を作るきっかけとなったサビのリズムは、俺とジョニーのルーツには無いからね。それをやってみようって思ったのは、ショーンくんの存在が絶対大きかったと思う。カッコ良くやれる! って思ったの。
ジョニーメンバーチェンジがなかったら、やろうと思わなかったと思う。というか、ルーツにないからやれなかったし。今まで意識したことのないやつだから、俺的にはすごく難しかったからね。
ショーンでも、俺、「黒い太陽」のギターソロ、すごく好きですけどね。
──「黒い太陽」は、ナオとショーンの共作なんだよね?
ショーンそうなんです。ナオくん家に泊まってて、こんな曲欲しいよね、って赤玉飲みながら話してて。会話しながら作ってたんですけど、あっという間に形になったんですよ。一晩で出来たんです。
──すごいね。自然な化学変化だったんだね。そんな「黒い太陽」の15秒スポットが、5月31日からは渋谷のスクランブル交差点で大々的に打たれたりもしてたよね。
ナオそうなんです! 大事件(笑)! とにかく、15秒だし、頑張って信号待ちしてる人たちに聴いてもらわなくちゃ! と思って、ド頭で叫んでます! 今、WEBでは別バージョンの【ちょっと見てVer.】も見れたりもするので、是非、見てほしいです。
──ところで。MVの話をどこでもしていないから、その辺りも訊いていい? 今回、アーティスト写真もMVも含め、アートワーク面でもいままでとは変化したよね。
ジョニーMVはイメージ以上な仕上がりになったと思います。
ナオまさにイメージ以上です。今回メインのアーティスト写真を撮って下さったカメラマンさんも、MVを撮ってくれたチームも、本当に仕事が速かったし、“何が撮りたい”っていうのが俺たちよりハッキリ見えていたんで、本当にすごいなって思いましたね。
──何事においてもだけど、想像力ってすごく大切だからね。
ナオそう。本当に学びましたね。初めてセッションする方達からの刺激はすごく大きくて。なんていうかな、自からも、もっとプロフェッショナルな仕事をしなくちゃいけないって思ったというか。
ジョニーもちろん、自分たちが表現したかったものから始まっていたりするんだけど、ちゃんとそれをしっかりと受け止めた上で、それ以上のところに持っていってくれる力があるというか。俺らが思ってる以上のことを最初から見えてるから、身を任せるのが一番正解って思ったというか。すごい安心感だったんですよね。安心して挑めた。本当にいろいろと勉強しましたよ、今回。ちょっとトラブルもあって、撮影がギリギリになってしまったのもあって、リリース2週間切っての撮影日程になっちゃったから、九州から1人で飛行機で東京に来たんだけど、俺初めて一人で飛行機乗りましたからね!
──今回初めて?
ジョニーそうそうそう。めっちゃ緊張したもん!
──なんでよ(笑)。国内だから!
ジョニーでも、怖かった~。でも、もう大丈夫。そういう意味でも、今回のMVはすごくいい経験でした!
ナオあははは。MV関係ないし(笑)!
──本当に(笑)。ショーンはどうだった? MV撮影。
ショーン自分に至っては、MV撮影というのは初の経験でもありましたからね。前のバンドのときのも、実際に自分は映ってないので。それなのに、撮影がトップバッターだったりもしたんで、めちゃくちゃ緊張しました! でも、今回、アーティスト写真とMVがすごくリンクしてるなって思っているんです。別々の日に撮ったのに。
ジョニーあぁ、そうそうそう。最初からリンクさせていたわけではなかったもんね。
ナオうん。でも、真っさらな首振りDollsで挑みたかったということもあって、白だなって思った。
ショーンそう。アーティスト写真は白ホリで撮ろうってことで撮って、すごく今の自分たちに合った写真が撮れたなって思っていたんだけど、MVは、そのアーティスト写真が動き出したかのような感じになって。
ナオあぁ、確かに確かに! すごく繋がってるというか。同じ日に撮ったくらい繋がってる。
──そうね。アーティスト写真のイメージでMV撮影をしたという流れもあったから、そこのリンクはあったのかも。
ショーンたしかに。そこまで意図してなかったのに、さすがだなぁって思います。
ナオ映像を編集するところまでは、撮影している最中の自分たちには見えていないでしょ。でも、撮り手には見えているというか。“じゃあ、このテイクは髪の毛をたくさん振り乱して下さい”って言われたりとか、“この曲は口だけで大丈夫です”とか、へぇ、そうなんや。どうなるんやろ? って感じやったけど、出来上がってみて、なるほど! そういうことね! ここにこれが欲しかったのね! みたいな。
──絵コンテには描かれていない、もう一歩深いところを引き出してもらった感覚だよね。
ナオそうそう。本当にそう。
ジョニー本当にやりやすかった。
ナオそうね。本当にすごいなって思った。俺たちもちょこっとずつ経験値が上がってきて、MV撮るときは、いつも以上に動きを大きく見せるべきだってことも学んだし。本当にライヴしてる感覚で撮ったというか。極端にやったほうがいいんだなって思った。逆に、動かないときは本当に動かない方がいいんだろうし。動いてるときはめちゃめちゃ動けばいいとか、ちょっとずつ俺たちもレベルアップしてるのかなって感じましたね。まだまだだけど。
ショーンアルバムの中の曲でも、映像と一緒に魅せたい曲もいっぱいあるから、また機会をみて作れたらいいなと思いますね。
──そうだね。MVの裏話も訊いていい? 撮影は夜中から蒲田のスタジオで行ったわけだけど、そこに先輩がね(笑)。
ジョニーそう! 先輩が会いに来てくれた(笑)。
ナオ“生ジョニーに会いたい!”って(笑)。
ジョニーそう(笑)! 生ジョニーに会いに来た!
ナオTHE SLUT BANKSのTUSKさんと坂下たけともさん! 好きすぎるよね、ジョニーのことね(笑)。
ジョニー何で? 意味がわからん。俺のどこに癒やされとるんやろ(笑)?
ショーンマイナスイオンが出てるんですよ(笑)。
ナオどこから出るのかなぁ(笑)。
ジョニー出てるのはwi-fiやで。
一同(爆笑)
ショーン拾う拾う(笑)!
ジョニー“近くに居るから行く!”って言うから、“今、何処に居るんですか?”って言ったら都内で(笑)。
──そうそう(笑)。“そこって此処から近いの?”って聞かれたから、いや、全然近くないけどって思ったからね(笑)。本当に生ジョニーに会いたくて、わざわざ来てくれたんだよね。
ジョニーそうそう(笑)。
──後日、戸城さんに聞いたんだけど、タクシー代、往復2万かけて会いに来てくれたみたいよ!
ショーンタクシー代、往復2万!?
ナオそんなに生ジョニーに会いたかったの!?
ジョニーすごいねぇ。どうしたらいいの?
一同(爆笑)
ジョニー中入って下さいって言ったのに、すごく遠慮して、すぐに帰っちゃって。
ナオそうそう。差し入れのビールだけ置いて帰っちゃったんだよね! “ちょっと出てくる”って言ってそのまま居なくなっちゃって。あれ? 帰っちゃったの!? って。
──それも後から戸城さんに聞いた話なんだけど、戸城さんに、“外国人居たの?”って言われて。“外国人の監督みたいで、俺らが入っちゃダメな空気感だったから帰って来た”って(笑)。なんか、すげービビったんだってって(笑)。
ナオあははは。先輩! なんて可愛いのっ(笑)! すっごい壮大な撮影してると思ったのねっ!
ショーンアシスタントさんが外国人でしたもんね(笑)。
ジョニーそういうことやったんか(笑)! 外国の監督に撮ってもらってるって思ったんやね(笑)!
ナオ首振りすげぇなって(笑)?
ジョニーだからせっかく来てくれたのにすぐ帰っちゃったんや!
──せっかく2万円もかけて来てくれたんだから、ゆっくりしてくれていったら良かったのに、スタジオの中にも遠慮して入って来られなかったもんね。でも、愛だね。本当に愛されてるなって思った。
ジョニー愛してもらってます! 嬉しいです!
──そうだね。ところで、今回のアルバムは「黒い太陽」と「PSYCHO CLUB」の2曲がリードトラックになっているけど、新たな首振りDollsの要素を持った楽曲を敢えてリードトラックにしたのはどうして?
ナオ“俺たちはここからだぜ!”ってことです。なんかアー写も真っ白だしMVも真っ白だし、俺たち今ゼロだから、ここからですっていう意味を持たせたかったから。なんか、今までは特にそういうことも考えず、ただただやって来たって感じだったんだけど、ショーンくんが入って、新しい首振りDollsになって、新しい環境で首振りDollsに自分たちもちゃんと向き合ってみて、新しい自分たちを売り出したかったから、新しいことにチャレンジした曲がたくさん出来たし、それをリードトラックにしたいって自然に思えたんですよね。もしかしたら、その変化に戸惑う人達もおるかもしれんけど。
ジョニーいや、みんな喜ぶっしょ。だって、進化やもん。それに、やっぱり首振りDollsやもん。
──そうだよね。ジョニーの言う通り。首振りDollsだからね。進化はあるけど、そこは何も変わっていない。
ナオ喜んでくれてると思ってる。いまのところ、ライヴでのリアクション見てても喜んでくれてるなって。
ショーンうん。すごく盛り上がってくれていて、本当に嬉しいなって思ってる。自分としてはすごく心配なとこもあったけど、本当に、首振りDollsというところは全く変わっていないと思うから。
ジョニー賛否があってもいいと思ってる。でも、今のところ賛はあっても否はないからね。変わることは別に悪くないし。
ナオ変わり続けないとね。首振りDollsは本当に今、スタート地点に立ったと思ってます。なので、これまで応援してくれたファンのみなさんと、ここからの首振りDollsに出逢ってくれる人たち両方を楽しませて行けるように頑張りたいと思います!
──なるほどね。
ナオ『アリス』は、今まで首振りDolls好きやった人も、これから首振りDolls聴く人も、間違いなく納得の1枚、これが首振りDollsだっていう1枚ができたと思っておりますので、是非聴いてください! そしてツアーに遊びに来て欲しいです!
ジョニーいろんな対バンもあるからね。
ショーンここ最近本当にいろんなバンドさんと対バンもさせてもらっているので、対バンでの首振りDollsも観てもらえると嬉しいですね。
──そうね。いままでを振り返ると、NYFとかMary's Bloodとかとも戦って。
ナオやらせて頂きましたねぇ。Mary's Bloodはすごく美しいメタルバンドでしたね。でも、ファンの人たちがメタル好きな男の人たちばっかりで、首振りDollsにもすごく野太い声援を贈ってくれて。意外と冠さんとかマシンガンズさんとか、メタルバンドとの絡みはあるんですよね。
ジョニーメタル、実は皆好きだし。
ナオうん。メタル好き。
──ショーンはあまりそこにルーツはないんだよね。
ショーンうふふふ。あんまり聴いてはないかな(笑)。
ジョニーヘヴィロックとかも?
ショーンヘヴィロックはちょいちょいかな。
ジョニーメタルに近いものがあるんじゃない?元祖はルーツにメタルが多分あるんやない?
ショーンたしかにそうなのかも。
ジョニーこれまでの対バンはどのバンドさんも新鮮で。どれも。皆さん上手やなあって。Mary's Bloodとかなんて、上手すぎて全くパクるとこなかったですからね(笑)。本当に上手すぎて参考にならなかったっていう(笑)。
ナオ本当にね(笑)。いままでも首振りDollsは異種格闘技みたいなことを、実はずっとやってきたんだけどね。なんというか、どこに行っても異種扱いなんだよね、俺たち(笑)。
──あははは。だいたい交わるところがないってことね(笑)。
ジョニーそう。まあ大体アウェー。だから、アウェーは慣れてるっていうか。
ナオ我々が異種扱いなんか、ねぇ。どこに行っても。
──たしかに、いないもんね、首振りDollsみたいなバンド。
ナオそう。いないのよ。首振りDollsみたいなバンドって。本当にいなくて。でも悲観的でなく、強みだと思ってるから、ずっとやってきたイベント荒らし的なことを、この先もやっていけたらいいなって思ってる。強敵相手にもこの戦いが通用するのか、戦えるのか、力試しですね。勝ちたいし、飛びたい。勝ち負けじゃないのはわかるんですけど。でも、感覚的にはそれくらい強い気持ちで臨みますよってことかな。
──そうだね。日本だけにとどまっていられないんだもんね(笑)。
ナオそうよ(笑)。日本だけにとどまってはいられないわ。
──ですって(笑)。
ショーン素晴らしいですね(笑)。そのうち地球だけじゃなくなって…(笑)。
──そうね(笑)、ジョニーも最近飛行機1人で乗れるようになったみたいだし。今度はロケットで宇宙にね。
ジョニーえ!? ロケットは無理。
ショーンあははは。ロケットで火星くらいまで。
ナオいいね! 火星人向けに! 初めて火星でライヴをやったバンドが首振りDollsになったらいいな!
ジョニー火星でフェス開く(笑)?
──てか、そこはまず、日本で開いてくれるかな。
ジョニーふふふ(笑)。そうだね(笑)。まずは日本から攻めていこうと思います!
PRESENT
【首振りDolls】サイン入りポスターを2名様に!
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