インタビュー/兵庫慎司
2016年11月5日(土)、グッドモーニングアメリカが地元八王子にて初の主催フェス『八王子天狗祭』を行う。どんなイベントでも場をかっさらうフェスキラーとなって数年、初の日本武道館ワンマン成功から1年、次の目標を「地元で主催フェス」に定めたのはなぜか。渡邊幸一(Gt/Cho)とたなしん(Ba/Cho)に話していただきました!
「コンピを作るのは、俺は最初は反対してたんで(笑)」(たなしん)
──そもそも、バンドを集めてコンピレーション・アルバムをシリーズで出したり、そのイベントやツアーを行ったりという活動を、ずいぶん前から続けておられますよね。
渡邊幸一(Gt/Cho) そうですね。僕らの場合、活動のスタートがそれだったんで。なんとか自分たちの音楽を届けたい、っていう時に、やっぱり何かきっかけがないと埋もれてしまうな、と思って。
──でも、まだ無名のバンドがそれを続けるのって、そんな簡単なことじゃないですよね。
渡邊 そうですね。でも、前身バンドからグッドモーニングアメリカになって、渋谷のO-Crestっていうライブハウスに出るようになってからは、少しずつ仲間も増えていって。対バンして仲よくなるとか、打ち上げでお酒飲んでとか、そういう形で輪が広がっていくような。当時、きっかけを作ろうとして僕らと同じようにもがいてるバンドが多かったんで、思いを伝えたら、みんなすごく熱意を持って参加してくれましたね。
──最初の頃って、どんな感じでした?
渡邊 自分たち主催でコンピを作るってことが、僕らも初めてだったんで。最初は手探りな感じで、右も左もわからず、気持ちだけでやっていったんですけど。ライブハウスだったり、参加してくれるバンドが協力してくれて、少しずつ手応えが……第一弾でいきなり、っていうわけではなかったですけど、ほんとにコツコツと少しずつ、手応えが残っていったというか。コンピの値段設定も……CD1枚800円にしたのも、少しでも手に取りやすいように、少しでも広がるようにと考えて。
──たなしんさんはいかがですか?
たなしん ……最初はあんまりピンとこなかったですね(笑)。俺は最初は反対してたんで。当時2008年ぐらいで、SNSとかYoutubeとか、時代の流れがそっちに行き始めた頃だったので。僕は昔……『PUNK-O-RAMA』ってコンピ、あったじゃないですか?
──ああ、エピタフ・レコードのパンクバンドがいっぱい入ってて、1,000円以下のやつ。
たなしん 高校の頃とか、あれを聴いて好きなバンドを探して、それをきっかけにして、っていう経験はあったんですけど。でも今ってネットとかで簡単に探せちゃうじゃないですか。だから、けっこう難しいんじゃないかなと思ってたんですけど、1枚目の時、自分たちのまわりの……アツいバンドが集まってたんで、声をかけたらみんな賛同してくれて。
で、作ってみたら、思ったよりも「おもしろいね」って言ってくれる人が多くて。ラジオでかけてくれたりとかして、予想に反して広がっていったんですね。
あと、そのコンピにイベントをつなげたんですけど、それがすごいアツくて。お客さんも出てるバンドたちも、すごいアツい気持ちになったっていうのが、いちばんの「これ、やってみないとわかんなかったな」っていう体験でした。
今もそのツアー中なんですけど、やっぱねえ……いいんですよね。特に自分たち主催なんで、自分たちのお客さんに、ほかのバンドも観てほしいとか。共演してると「このバンドかっこいいな、このバンドをもっといろんな人に知ってほしい」っていう気持ちがわいてきちゃうんですよ。対バン文化ってそういうことだと思うし。そういうものがエネルギーとして魅力的だから、こういう時代でもコンピの意味があるのかな、とは思いました。やっぱりおもしろいなあと思います、バンドって。
今回誘わせてもらった後輩のバンドとかも、めっちゃかっこいいライブするんですよ。技術とかはまだ足りないところもあると思うんですけど、気持ちでは絶対負けないとか。そういう感じで来られたら、こっちもそれ以上の気持ちで行かないと、きっと負けるし。それはやっぱりライブハウスの対バンならではというか。そういうのを感じたい、とどっかで思ってるんでしょうね。
「八王子のライブハウス・シーンが、僕らがバンド始めた頃からありましたね」(渡邊幸一)
──今度の主催フェスも、そういう発想の延長にあるものですよね。
渡邊 それももちろんありつつ、それプラスオンで、やっぱ自分たち、八王子で結成したバンドなんで。いつか八王子って街に恩返ししたいな、っていう気持ちもあって。
──昔から八王子ならではのライブハウス・シーンみたいなものがあった?
渡邊 僕らがバンド始めた頃からありましたね。東京都心とはまた別の。それこそマキシマム ザ ホルモン……僕らがライブハウスに通い始めたり、初めて出させてもらったりする頃に、ダイスケさん(ダイスケはん)がブッキングとかやってて、お世話になったりとか。マキシマム ザ ホルモンのTシャツを買って、ライブハウスに遊びに行ったり──。
たなしん ホルモンのイベントとか行ったもんね。いろんなバンドを県外から連れてきてくれるんで、それを観るのがすごい楽しかったです。で、「自分たちもバンドやろうぜ」って始めて、オリジナル曲を作ったりとか。
八王子で開催したかったフェスへの想いを語る!
最新記事
RECOMMEND編集部オススメなう!
-
ASKA『WHO is ASKA !?』ツアー初日をレポート!すべての曲がサプライズ。すべての瞬間がクライマックス。ASKAとバンドによる渾身のステージ
2024.10.12
-
宮本浩次、ソロ活動5周年記念ツアーがスタート!宮本の“行きたい場所"の始まりの地・初日公演をレポート
2024.10.23
-
宇都宮隆、2つのプロジェクトを融合したツアー『U_WAVE ; Mix』がスタート!宇都宮とバンドと観客との間に生まれた濃密な一体感
2024.10.11
-
ZIGGY vs LINDBERG、35年ぶりの共演「今すぐGLORIA」をレポ!フロアが熱気と笑顔で溢れたピースフルな空間に
2024.10.18
-
the pillows、35周年記念ライブで鳴らした唯一無二のロックンロール。「長い時間をかけて、俺は、なりたい自分になった。君たちのおかげだ」
2024.09.25
-
グループ魂、2年ぶりに6人で再始動!アルバイトに応募してきた人物とは?!相変わらずの不適切ぶりに爆笑とほろりな場面が絶妙に絡み合う圧巻の東京公演、結成30周年目も活動継続をファン切望!
2024.10.02