──BIGMAMAの皆さんが「秋に聴きたいおすすめの1曲」を教えてください。
Bill Evans Trio「Autumn Leaves」
安井(Ba)ジャズのスタンダードです。色んな人がカバーしてるんで、色んなパターンが聴けるんですが。ビル・エヴァンス・トリオは、若くして亡くなってしまったベーシストのスコット・ラファロの演奏がすごくて、ビル・エヴァンスとピアノとベースですごいやり合っていて。時々、すごく聴きたくなります。この曲を聴きたいシチュエーションは公園ですね。紅葉のオータム・リーブスの中、温かいコーヒーでも飲みながら聴きたいですね。
金井(Vo/Gt)それ、言ったからには実際にやろうね?(笑)
The Get Up Kids「Valentine」
柿沼(Gt/Vo)涼しい気候もあって、エモい曲を欲するので。僕のど真ん中のザ・ゲット・アップ・キッズが聴きたくなるんですけど。上手く行かない男女の恋愛みたいな歌詞もあって、気持ちを落ちつけたい時に浸りたくなる曲です。聴きたいシチュエーションは、夜、駅からの帰り道かな?家に向かいながら月でも眺めて、昔の恋愛を思い出しながら聴くのも良さそうですよね。
Spotify「Emo is forever」
金井(Vo/Gt)よく垂れ流しで聴いてるプレイリストなんですけど。最近、00年代のエモをもう一度聴き直すタームが続いていて、それをすごく集約してくれてるのがこのプレイリストです。50曲くらい収録されてて、知らない曲もあるんですけど、大体は自分が昔、CDショップで初めて耳にして、アルバムをコレクションしていた時期に聴いていた曲で。それが現代的にプレイリストに並んだ時、いろんな発見もありますし。郷愁やメランコリーな気分って、ちょっといなたさもあって。いま、自分たちが「エモーショナルな音楽を」って言い張る時、そんな感じが自分の中で反芻していると思います。このプレイリストは、僕の中の節目、節目で聴いてる気がするんですが。昔と比べて、秋って一瞬の刹那になっている感があるので、そんな季節感にもぴったりかなと。僕はランニングとか運動をすることが多いので、そういったシーンで聴いてます。走ってる時は何も考えないことを考えるというか、逆に集中出来るんですよね。考え事をしてる時はそれに集中出来るし、ただ曲が流れて無になれる瞬間もある。一生懸命走ってるから雑念が無くなって、音楽に集中しているか、音楽の背景に集中しているか、何かしらに集中出来てると思います。
ストレイテナー「叫ぶ星」
東出(Vn/Key/Cho)プレイリストで色々聴いてる時、テナーが来るとハッとして、急にエモくなるんですよ。これってなんだろう?と思うんですけど、この曲のイントロのギターがワ~ッと入った瞬間、「エモいなぁ~」と思って。私は歌詞で曲を聴くというよりは、音で聴くタイプなんですけど、この曲は歌詞も秋っぽいし。それぞれのプレイの魅せ方とか個性とか、ホリエさんのしっとり落ち着いた大人な感じの声とか……大人な感じって、いまの私の年齢で言うことでもないんですけど(笑)。そういうところも秋にハマるのかな?と思います。最近、ツアーに向けて忙しくしてるのもあって、仕事のことを考えてる時、あえて色んな音楽を聴くことが多いので。次のツアーに向けて気分をアゲていくためにも聴いてるんですが。こういう曲がハマるというのは、いまの自分の気分がエモいんだろうなと思います。
BIGMAMA「レインコートになれたなら」
Bis(Dr)この曲は切ないですね。めちゃくちゃ切ないですし、秋が雨の季節ってわけじゃないですけど。梅雨より涼しくなった季節の秋雨って、冷たく染み渡る雨だなって思って。ちょっと切なく冷えてきた心に、ふわっと温かいメロディが寄り添うような楽曲になっておりますので、ぜひおすすめしたいです。この曲はめっちゃイメトレして、頑張ってプランも組んだのに、上手くいかなかったデートの帰り道に聴きたいですね。
東出(Vn/Key/Cho)あなたのレインコートになれなかったんだね(笑)
Bis(Dr)なれなかった!(笑)でも、「あなたのレインコートになりたかったのにな」っていう時に聴いてもらえれば、きっと心に寄り添ってくれると思います。
編集部:肌寒くなってきた今の季節に聴きたい曲ばかりですね。BIGMAMAの皆さん、ありがとうございました!