梁 邦彦の初めて行ったライブは?
梁 邦彦さん、初めて行ったライブを教えてください!
「三ノ輪モンドで観たコスモスファクトリー」
クラシックピアノのコンサートは小さい頃何度か行ったけど、特に印象的なものはなく、鮮烈に記憶するライブはこれが初。
僕は東京下町の三ノ輪生まれ。まだライブハウスが市民権を持っていない中3の1975年、パチンコ屋の2階にモンドというライブハウスが出来た。そこでコスモスファクトリーというプログレバンドを観たのが最初。きっかけはともかく近かったから。モンドは家から3分くらいのところにあったので。前を通ると大きなボリュームで演奏が聞こえてきて、近所から苦情来ないのかなと思いつつ、いつも通っていた。
店の前に黒板があって、今日の出演は誰々って書いてある。出演者はほとんど知らなかったけど、当時ミュージックライフという音楽雑誌にコスモスファクトリーが載っていて、あの日、モンドの前を通ったらコスモスファクトリーと書いてあった。これはひょっとしてあのコスモスファクトリーかなと。中学生に当然金はなく、いくらかかるのか心配だったけどせっかくだから「えい!」と入ってみたら、それがかっこよかった。当時、ギターがメインのバンドが主流な中、コスモスファクトリーはリーダーがキーボーディストでフロントにキーボードがあった。今はもはや死語だけどマルチキーボードといって、ピアノ、オルガン、メロトロン、ムーグ・シンセサイザーが所狭しとあり、その楽器を中央から各方面に手を伸ばし弾いている姿が新鮮だった。クラシックピアノはひたすら正面向かって黙々と弾いているイメージで地味だなあと思ってたけど、これはかっこいいじゃないかって(笑)。メロトロンという高価な楽器を生で聴いたのは初めてで、そのシンフォニックな響きに心奪われました。一般にキーボードの位置は常に後方、ボーカルとギターにはどうしてもかなわんと思っていたけど、やり方によって「フロント」にもなれるんだと意識が変わった、そんな出会いがもしかして今の自分に繋がっているのかな、どうだろう。実は浜田さんも愛奴(※浜田省吾が70年代にメンバーとして活動していたロックバンド)の頃、モンドでライブをやっていたと後になって知りましたが、そういう繋がりもまた不思議で感慨深いね。
きっとこの中学生の時の初ライブハウス体験が、今のご活躍に繋がっていると思います!
出会いって不思議で素晴らしいですね。
梁さん、ありがとうございました!
今年ソロデビュー20周年を迎えるピアニスト、作曲家、音楽プロデューサーである梁 邦彦。
活動当初より、J-POP界の浜田省吾や香港の伝説的ロックバンド「BEYOND」のアルバムプロデューサーとして活躍するなど、日本をはじめとしてアジア地域のポップアーティストのアルバム制作やライブに数多く参加。
現在は韓国を拠点に国際的な活躍をする中、16年ぶりとなる日本でのライブを、12月22日(木)東京グローブ座にて開催!
■梁 邦彦 ― 動画セレクション ―
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