“ワンマン・オーケストラ”というべき驚異のパフォーマンスで世界を席巻。クインシー・ジョーンズ、ハービー・ハンコック、パット・メセニー、チック・コリア、ジェイミー・カラムなど、錚々たるアーティストたちからも賞賛を受ける天才ジェイコブ・コリアーが、シンフォニック・ジャズ・オーケストラと共に本邦初のスペシャル・ステージを開催する。
ロンドンの音楽一家に生まれ、2011年から多重録音のアカペラ&楽器演奏による動画を配信し数百万単位のViewを獲得。グラミー2部門に輝く『イン・マイ・ルーム』、『ピュア・イマジネーション ~ヒット・カヴァーズ・コレクション~』の2作品はいずれもベスト・セラーを記録している。オーケストラ・メンバーは、エリック・ミヤシロ指揮のブルーノート東京オールスター・ジャズ・オーケストラを核として、弦楽器、木管楽器、金管楽器、打楽器も加えた50余名に渡る壮大な編成。これまで以上に雄大なスケールで広がるジェイコブの世界を体感したい。
若き天才が語るオーケストラ公演への意欲
幼い頃から母が自宅で演奏するバイオリンやレコードを聴き、クラシックを歌うようになりました。母は王立音楽アカデミーで指揮者をしているので、彼女が指揮するオーケストラもよく聴きに行きました。そこで聴いたバッハの『ブランデンブルク協奏曲第3番』は、僕が初めて心を強く揺さぶられた楽曲で、生演奏を体験することの大切さを学びました。クラシック音楽は、僕が初めて覚えた音楽という言語。オーケストラと共演することは、まるで家族と演奏するような感覚です。今回母もバイオリン奏者として来日するので、こうして家族で実際に演奏できることを嬉しく思っています。
ソロの時はピアノからベース、ギター、ドラム、そして歌と、いろんな楽器を演奏しますが、オーケストラとの共演は一つの楽器に集中できるので、実はリラックスできるんです。コンサートはオーディエンスと一緒に作るものですから、指揮者とのコミュニケーションも重要です。指揮者はオーケストラを、僕はオーディエンスをまとめあげ、両者が会話をしながら会場を一体化するわけです。リハーサルが必須ですから、今まで演奏してきた楽曲でも常に新しい発見があります。オーケストラ公演は回を重ねるたびに、どんどん面白く感じているので、東京公演も今からとても楽しみです。
ピアノが主役の時もあれば、ギターが主役の時もあるので、楽曲によって演奏する楽器を変えたり、歌にシフトしたりしています。そして主役は僕ではなく、オーケストラであるべき時もありますから、そんな時、僕は彼らの演奏に耳を傾けたり、オーディエンスのみなさんを盛り上げたりしています。それは、とても有意義な時間だと思っています。
このコンサートのお話を頂いた際に、彼らの音源をチェックしたのですが、どれも素晴らしい演奏で間違いなく面白いコンサートになると確信しました。僕はステージに様々な楽器を置き、いつも音楽制作をしている自分の部屋のような設定をするので、今回初めて演奏する会場で、初共演となるオーケストラと共に、どんな空間作りができるのかも楽しみです。また、日本のファンのみなさんが喜んでくださる曲を、この公演のためだけに演奏できたらと考えています!どの楽曲にするのかは、オーケストラのみなさんと直接電話で話して決めたいと思っています。