
3月に東京と大阪で行われるROOTS66には、1966年生まれのアーティストばかりが大挙出演する。記者会見の席にはその中から小泉今日子、斉藤和義、スガシカオ、渡辺美里、早見優、トータス松本といった顔ぶれが揃った。なお、当日の司会を務めたパパイヤ鈴木も1966年生まれ。もうひとりの司会者であるちわきまゆみは違う年の生まれだが、今回の大阪公演の主催であるFM COCOLOの番組でパーソナリティを務めている。
はじめに司会の二人が1966年、丙午(ひのえうま)のいわれについて触れる。さらに、このROOTS66についても説明があり、今回は3回目の開催となることが話された。初回の2006年は1966年生まれが40歳になる年で、「ROOTS66 -DON'T TRUST OVER 40-」を開催。この時の出演者は男性アーティストばかりだった。2回目、彼らが50歳を迎える2016年は「ROOTS66 -Naughty 50-」のタイトルで、「ビートルズが来日した年に僕らは生まれた」を合言葉にしながら、斉藤由貴、渡辺美里の女性陣が初参加。そしてさらに出演者が増えた今回は「ROOTS66 -New Beginning 60-」のタイトルとなっている。ロゴでは60がGOと読めるようになっているのがポジティブな感覚を抱かせてくれている。

なお、会見が行われたパレスサイド・ビルディングの竣工も1966年9月で、そのデザインは当時の近代建築の息吹を感じさせるもの。会見後にビルのエレベーターホールで撮影された集合写真からも、このビルの先進的なモダニズムが感じられる。
いよいよ出演者の呼び込みが行われる。1月生まれの友森昭一から始まったこのシーンのBGMは「科特隊のテーマ」で、思えばこの曲が使用された特撮シリーズ『ウルトラマン』の放送開始も1966年だ。この時には、出演者の登壇に続き、今日は諸事情で欠席したミュージシャンたちも紹介。特にドラマーは計4人にものぼるものの、かたやベーシストはLÄ-PPISCH(レピッシュ)のtatsuひとりだけ。しかも彼は1967年生まれながら特例での参加で、3回すべての出演となる。
集まった19名が着座すると、次はひとりずつが意気込みを表明。宮田和弥(JUN SKY WALKER(S))は「(ROOTS)66に入った人たちはほんと、みんな長生きというか、欠落者がひとりもいないので。これからもぜひみなさん元気で、健康に気をつけて一緒に頑張っていきたいと思います」とコメント。小泉今日子は「子どもの頃から、『丙午の女は』と言われ続けてきたんですけど、やっと今年、後輩が生まれるということで。苦労するだろうな、でも時代が変わったから大丈夫なのかな、みたいな(笑)。同い年のみなさん、それぞれ、ほんとに個性的で、でもまだ元気で、みなさん音楽やっていて。なので本番、とても楽しみにしています。よろしくお願いします」と話した。これに続いた大槻ケンヂ(筋肉少女帯、特撮)は「小泉今日子さんの隣で記者会見をする日が来るということを、ほんとに中高生時代の自分に言ってやりたい思いでいっぱいでございます」と続け、会場に笑いを起こした。

田島貴男(Original Love)は「この、同級生が全員集まってやる、同窓会のような、ちょっと変わったフェスというか。同じ歳のミュージシャンが集まると、これほど不思議な面白いライブになるんだな、と。お客さんよりも演者が一番面白がってるフェスなんです。どうか楽しいお客さんとの付き合いになるように、頑張ります」と表明。斉藤和義は「僕も最初の40歳になる時から参加させてもらっていて、その時に『60になってまたやれたらいいね』なんて話をしたのを覚えていて。その40歳の時に、中年になったなということで、打ち上げもすごい楽しくて。それまでなんとなくライバルみたいにギスギスしてたのが、急にそこで打ち解けて、みんな仲良くなったりしてね」と舞台裏を明かした。
初出演の永井真理子は「生まれて初めて丙午で良かったって思いました(笑)。全員が同い年という胸アツなライブ、とても楽しみにしています」とコメント。こちらも初出演となる早見優は「丙午、英語で言うとFIRE HORSEと言うんですけども。FIRE、同世代のみなさんと一緒に熱く燃えながら、楽しいステージにできればなと思います」と、得意の英語を交えてあいさつした。

約30年前、30才でデビューしたスガ シカオは「このROOTS66は10代でデビューした方がたくさんいらっしゃいまして、たぶん僕がキャリアが一番浅いと思うんですね。なので、ほとんどの方を<さん>付けで読んでいて、それが20年ぐらい続いてるという(笑)。トータスには『さん付けすな!』って怒られたんで、トータスと呼ぶようにしたんですけど。まあ下っ端として頑張っていきたいと思っています」と彼らしい話をする。2回目の出演となる渡辺美里は「まさか自分が、自分たちが還暦になる時が来るとは思いもしませんでした。『ああ、丙午なんだ』と言われ続けて……今回、女性も増えて、心強いなと思っています」。丙午の女性は、どこか共通する感情があるようだ。

そしてトータス松本(ウルフルズ)は「こうやって見渡してみると、すごい面白い人がいっぱいいらして。でも、その面白い人いっぱいいる中で、今年は丙午年生まれの人間がまたこの世に増えるのがすごい「楽しいなと思って、非常に喜んでます。そういう子たちが大きくなって、『あ、この人歌ってるな』『この人ギター弾いてるな』とか、そういうふうにちゃんと認識できるような歳になるまで、まだまだ頑張りたいなと思います」と、未来のことまでを含めて話をした。
続いては、コラボ企画の説明。まずは往年の人気FM雑誌『FM STATION』の復刊(来場者全員にプレゼント)、続いてショートムービーの制作(川上麻衣子、今田耕司、立川談春、鈴木保奈美と、いずれも1966年生まれの俳優たちが出演予定/ライブ当日に上映)が発表される。
こうして期待値が高まる最中、会見場で不穏な動きが……。バルタン星人の、突然の襲来。それを追いかけて登場したのはウルトラマン! そう、やはり1966年生まれの『ウルトラマン』とのコラボが決定したというのだ。今回はROOTS66と『ウルトラマン』とのコラボグッズの制作が行われること、さらにウルトラマンvs.バルタンの対決の続きは3月に見られるということが発表された。登壇者たちはスペシウム光線や巨大バサミのポーズを取りながら、このコラボを歓迎。バルタンの背中の造形を凝視していた大槻ケンヂは「たまらないです、うれしいっす」「ここに怒髪天の増子(直純)さんがいたら話が長くなっただろうなぁ」と感激した様子だった。



この後はマスコミからの質疑応答の時間に入る。先ほどからのコメントにも表われていたように、丙午生まれの女性は本当に気が強いのか?という質問に対しては、小泉が「私は気が強いです(笑)」、早見が「イエス! 私も気が強いです」、渡辺が「イエスです(笑)。これだけの方たちが先陣切ってずっと活躍し続けてるのはイエスです。強いと思います」、永井は「私はめちゃくちゃ小心者です。ノー(笑)。みなさんについてまいります」と回答。この後、アイドルの「花の82年組」であることを訊かれると、早見は小泉のそばに移動し、小泉が「最近、時々音楽イベントとかで会う機会があって。お互い頑張ってるし、ちゃんと歌ってる姿とかがずっとカッコいいままなので、もう天晴れ!と思って、うれしいです。ね?」と言うと、早見は「うん、うれしいです」と答えた。
また、トータス松本は出演者たちの共通の話題を訊かれ、「健康の話かな。それはしょうがないわね。まず第一声が『骨、大丈夫?』という話から始まるので。ニュースで誰が骨折ったとか、誰がライブ休んでるとか、気になりますね。今日、ヤック(八熊慎一/SPARKS GO GO)に『骨、大丈夫か?』と訊いたら、『何で知ってんねん』と。そういう感じですかね(笑)」と年齢を感じさせる内容を伝えた。
先ほどのあいさつでの発言を再度訊かれた斉藤和義は「40という中年になった時に、何だかんだ、みんな40まで頑張ってきたねという気持ちがあって。タメというのは独特な、気を許せる感じがあって。楽ちんですね」と回答。そして丙午生まれのミュージシャンが多いことについては「たぶん(出生数が少ないため)競争率が低いところで、自由に好き勝手やってきた結果なのかな、という気はしますね」と話した。
最後に、音楽評論家の田家秀樹氏が質問。1966年、ビートルズが来日した年に生まれたことについて出演者たちに尋ねると、友森昭一が「気がついたらビートルズがいたって感じで。でも数々の名曲は今更ながら大事に聴いてます」、小泉が「66年の出来事というのに必ず出てくるんですね、ビートルズ初来日は。JALの法被を着て降りてくる写真も」と世代感とともに答える。そして大槻は「やっぱり一番のショックは前座がドリフターズだったことですね。それがどういうことなんだ?っていう」「僕はパンク/ニューウェイヴのほうに行ったので、ビートルズは否定しないといけない概念だったんですよ! でも今になって聴くと最高に素晴らしいですよね。大好きです」と会場を笑いに包む。それに田家氏は「否定しないといけないと思ったのも、丙午っぽいかなと思いました」と返すと、大槻は「そうですねえ」と回答。記者会見はここまでとなった。
こうして約1時間の会見は終わり、今回のROOTS66の概要が発表された。出演者たちも大いに楽しみにしているこのイベント。3月の開催を心待ちにしたいと思う。







