今年30週年を迎えた超人気RPG『ドラゴンクエスト』シリーズを元にしたアリーナショー『ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー』が、さいたまスーパーアリーナにて、7月22日(金)に初日を迎えた。
『ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー』は、大空間ならではの演出に、観客参加型のライブ性を加えた超大型のエンターテイメント。「まるでゲームの世界に入り込んだかのような感覚が味わえる!」との評判で、『ドラゴンクエストIII』をべースに、シリーズの人気キャラクターや印象的なエピソードを詰め込んだオリジナルのストーリーにも注目が集まっている。
トートバッグやTシャツなどのドラクエ・グッズやスライム型容器に入った特製かき氷が並ぶ物販コーナーに後ろ髪を引かれつつ、座席に到着して最初に見に入ってきたのは、とんでもなく巨大なステージ。アリーナ全体に広がる十字型のステージの周囲に、4カ所のサブ・ステージを配置することで、360度どの座席から見ても楽しめる作りとなっていた。
公演がスタートし、先陣を切る形で現れたのが、芋洗坂係長演じる商人トルネコ。『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』で初登場し、スピンオフ作品では主役を務めた人気キャラクターだ。公演の演出・金谷氏も「トルネコそっくり!」と太鼓判を押すルックスで、登場と同時にさいたまスーパーアリーナを沸かせた芋洗坂は、客席を練り歩き回りつつ、観客とのコミュニケーションを楽しんでいた。会話と笑いで徐々に会場の一体感を作り上げていくスキルは、長いキャリアを誇るお笑い芸人ならではといったところだろうか。
また田中 精演じるお笑い芸人のパノンも、終始客席を駆けまわっていた。『ドラゴンクエストIV』に登場したモンバーバラ劇場の人気芸人そのままに寒~いダジャレを連発し、滑り笑いで会場を大いに盛り上げた田中の安定感あふれる演技は、劇団員として培ってきた実力によるところが大きいのだろう。今後のブレイクを予感させる活躍ぶりが印象に残った。
言うまでもなく、ショーのメインとなるのは、鳥肌モノのバトルシーンだ。フロアが揺れるほどの音響と、天井から吊るされた大型スクリーンに映し出される鮮やかな映像をバックに、出演者たちが縦横無尽に会場を走り回り、時にワイヤーアクションで宙を舞いながら、モンスターたちと戦う姿は一見の価値あり。「ドラクエ」フリークとして知られる風間 俊介が演じる孤高の剣士・テリーの「はやぶさ斬り」、ハードな稽古でダイエットに成功したという中川 翔子が演じる戦うお姫様・アリーナの「ばくれつけん」はじめ、人気キャラクターの必殺技が、どのように再現されているかにも注目して欲しい。
ここまで読んでお気づきのかたも多いと思うが、『ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー』は、<ステージと観客の一体感>を、何よりも重視した作品。コール・アンド・レスポンスや手拍子のリクエスト、観客全員で踊る「トルネコダンス」から、真実の姿を映し出す「ラーの鏡」、観客全員に配られる「光るリストバンド」などの小道具を使った演出まで、参加型アトラクションが随所に設けられているので、出演者になったつもりで思いっきり公演を盛り上げていただきたい。
御存知の通り、松浦 司が演じる本公演の主人公・勇者には名前がついていない。そこには「観客一人一人がそれぞれの人生という冒険の旅を続ける勇者である」という制作サイドの思いが込められているのだそうだ。そんな見た後に少しだけ世界が違って見えてきそうな『ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー』は、さいたまスーパーアリーナを皮切りに、福岡、名古屋、大阪、横浜の5ヶ所で、8月いっぱい公演が行われる予定。チケットなど詳細は公式サイトを確認して欲しい。
ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー オフィシャルサイト
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