【Legend Guitarist】KOJI(ALvino)/you(Janne Da Arc)の共演ライブ『Legend Guitarist 異伝~Crash~』のライブレポート!

ライブレポート | 2017.12.13 13:00

Legend Guitarist Vol.2 ~Summer Next Start~
2017年11月20日(月) TSUTAYA O-WEST
●出演:KOJI(ALvino)/you(Janne Da Arc)[五十音順]
●Support Musician:Ba.NATCHIN(21g)/Key.都啓一(Rayflower)/Dr.shuji(Janne Da Arc)

●Report:岡本 明
●Photo:武 裕康

これまで、数々のギタリストたちがその個性とテクニックを存分にステージで発揮し、好評を得てきた“Legend Guitarist”シリーズ。今回はKOJI(ALvino)とyou(Janne Da Arc)の2人による「Legend Guitarist 異伝~Crash~」として、11月20日に渋谷TSUTAYA O-WESTで開催された。
“異伝”と称しているだけあって、大人数でセッションを繰り広げてきた今までの内容とは異なり、2人という最少編成でお互いの持ち味を引き出す、新たな試みを実践する場となった。

オープニングは今シリーズのテーマ曲である、お馴染みの「Legendary」。サポートメンバーの引き締まったサウンドをバックに、KOJIとyouの2人が流麗なギターリフを奏でる。曲間でyouがスピーディーで細かいソロを弾き、そこにKOJIがエモーショナルなフレーズで応戦するなど、早くも2人の魅力が全開になる。
youのタッピングをイントロに始まった「awakening」はムードのあるナンバー。2人がそれぞれ妖しげなフレーズを混ぜつつもスリリングなソロを構築していく。静と動のコントラストが強烈な「Universe」はスケール感のある曲で、会場全体を高揚感あふれる空間へと変え、ダイナミックなギターソロが2人の間に交わされる。

KOJI

you

「待ちに待ったyou君とのステージを迎えられましたけど、実は10年ぐらい前に僕がソロアルバムを出した時、you君もインストのアルバムを出していて、何か一緒にやりたいなと思ったんですよ。でも、同じ大阪出身でありながらこれまで接点がなくて。2年前に同じリハーサルスタジオに偶然、you君が個人練習で入っていたので、そこで突然、“何かやろうよ”っていう話をしたんです」(KOJI)

「そうそう、“ぜひ!”って言いながら」(you)

「社交辞令だった(笑)。僕は10年間、想いをためていたのに(笑)」(KOJI)

「それがこういうイベントになって、一緒にやれるとは。KOJIさんにはすごい感謝をしていて。僕は一時期、ギターインストを離れていて、またそういうのもやりたいなと思っていた時に誘っていただいたので、ありがとうございます」(you)

「Legend Guitaristシリーズで一緒になって、ギタリスト魂に火が付いたのが分かって、今日は新曲を作ってきました」(KOJI)

曲名が未定のため仮タイトルになっているが、「KOJI-3」と名付けられた新曲はKOJI作曲によるメロウな響きを持つナンバー。マイルドな音色を生かした2本のギターのハモリ、ロングトーンのソロが艶やかに曲を彩る。
続く「sweet lemon」はスローなフレーズが切なくも味わい深い余韻を残す、youの楽曲。ゆったりとした空間を自由に泳ぎ回るように、さまざまなテクニックを駆使したyouのソロが聴き手を圧倒する。
「Perfect World」はKOJIの楽曲。細やかなフレーズを導入部に、じわじわとパワフルなサビへ向けて盛り上がっていく構成が印象的だ。

「インストをこれほどたくさんやる機会はなかなかないので、気持ちいいですね。僕は昔からこういうリードプレイが好きで、バンドではバッキングを全然しなくて、ボーカルに怒られたりしましたけど(笑)」(you)

「でも、ギターが好きで、自分なりのアプローチで弾いているから輝いていられるんだろうね。それに、今回のために一緒に曲を作ろうと言って、初の共作が生まれました。you君がそこに思いっきり変化球を投げてくるんですよ(笑)」(KOJI)

「でも、今回はストレートですよ」(you)

「ええっ(笑)?曲がガラッと変わる瞬間があるから、聴いてみてください」(KOJI)

「KOJI you共作」という仮タイトルの曲では、2人ともステージの前に出てきて、観客を煽りながらプレイ。骨太なサウンドと豪快なリフをベースに、2人のソロも後半に進むにつれ、かなりワイルドで振り切れたものへと変化していくのが興味深かった。

そして、ここでベンチャーズを取り上げるという意外な選曲を披露。“ノリが(違い過ぎて)あさっての方向にあるから心配(笑)”(you)、“終わって謝罪文、出しますから(笑)”(KOJI)と前置きを述べつつ、ギターインストの元祖と言えるバンド、ベンチャーズのクラシック・ナンバー「Diamond Head」をカバー。あの“テケテケ”フレーズも盛り込む。続けて同じくベンチャーズの「Walk Don’t Run」も演奏。シンプルでありながらメリハリのあるギタープレイをきっちりと聴かせてくれた。

KOJI

you

「僕はこのノリはまだまだ出せてないかもしれないですけど、みなさんはポカーンじゃなかった?」(you)

「どうやら謝罪文は書かなくて良さそうです(笑)」(KOJI)

観客の好リアクションを確認すると、再び新曲が登場。「you新曲」は、タイトルどおりyouがノリのいい曲を書こうと思って生まれた楽曲。youのテクニカルなギタープレイがふんだんに詰め込まれ、アッパーなビートに乗せてテンションの高い演奏を聴かせる。
KOJIの曲「KOJI-1」では厚みのあるサウンドにメロディアスなフレーズが絡み、明るさと解放感に満ちた景色が目の前に広がるような感覚をもたらす。

ここからは、いよいよラストスパート。高速ビートで突き進む「action」では超速弾きでソロの掛け合いを見せ、多彩なフレージングで魅了する。
華やかな展開で引き込んでいく「Unexplored Frontier」では、それぞれ力強いトーンで躍動感あふれるソロを展開。まるでストーリーが立ち上がってきそうな緩急をつけた流れと共に、鮮明なギタープレイを焼き付けて本編は終了した。

鳴りやまないアンコールの拍手にこたえ、ステージに再登場した2人とサポートメンバー。

「ギターインストの作品を作るのも、ライブをするのも、ニーズがあるのかなって思うけれど、回を重ねるごとに自信を持てているのは、アンコールでこうして大きな声をかけてくれたり、支えてくれるみなさんのおかげです。本当にありがとう」(KOJI)

Ba.NATCHIN

Key.都啓一

Dr.shuji

このイベントシリーズでは初となるサポートメンバーの自己紹介をはさみ、「Distant Land」を披露。KOJIのエレキシタールがエキゾチックなアクセントを加えつつ、心地いいサウンドを表現する。
そして、練り上げられたアンサンブルの「various cards」で鋭利な刃物のようなソロを互いに聴かせて終了。

観客の熱狂的なアンコールに迎えられて再び登場すると、感謝の言葉を述べた後、ゆったりとした「new place」、抜けのいい曲調の「Joy」と、軽やかな後味を残すナンバーで最後を締めくくった。

ジャンルや音楽性の枠を超えてギターインストの魅力と可能性を追い続けるこの「Legend Guitarist」シリーズ。今回は2人だけをフィーチャーした新鮮な企画だったが、次回はどんなセッションが繰り広げられるのか、楽しみに待ちたい。

■ SET LIST

01 『Legendary』 (Legend Guitarist Theme Song)
02 『awakening』 (you)
03 『Universe』 (KOJI)
04 KOJI-3 (KOJI新曲)
05 『sweet lemon』 (you)
06 『Perfect World』 (KOJI)
07 KOJI×you 共作曲
08 『Diamond Head』※Cover:The Ventures
09 『Walk Don’t Run』※Cover:The Ventures
10 you新曲
11 KOJI-1 (KOJI新曲)
12 『action』 (you)
13 『Unexplored Frontier』 (KOJI)
 
EN.
01 『Distant Land』 (KOJI)
02 『various cards』 (you)
 
WEn
01 『new place』 (you)
02 『Joy』 (KOJI)

 

【KOJIさん × youさんのツーショットを、本番前にいただきました!】

【本番前の全体ショット。本番前の緊張感と気合が感じられてきますね!】

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