THE MICRO HEAD 4N’S
SUMMER TOUR 2017 『百億の未来とたった1つの今-INFINITE∞FUTURE-』
2017年7月1日(土)青山RizM
Report:東條祥恵
THE MICRO HEAD 4N’Sがニューアルバム『百億の未来とたった1つの今-INFINITE∞FUTURE-』を掲げて最終日の8月27日、東京・TSUTAYA O-WESTワンマンまで走り抜けていく夏の全国ツアー[百億の未来とたった1つの今-INFINITE∞FUTURE-]を7月1日、東京・青山RizMにてスタートさせた。今回初めて彼らのライブに足を運んでみようかなと思っている人や、久々にライブを観てみようかなと考えている方々にも、本ツアーをより一層楽しんでもらおうという試みから、初日のライブレポートをあえて“ネタバレ”“セトリバレ”ありで大公開。
今回のツアーは場内に足を踏み入れたところからライブはスタート。会場に入ったら、まず最初にBGMに耳を傾けてみよう。宇宙空間をイメージさせるスペーシーな浮遊感ある音に身を任せれば、非日常の世界へとトリップ。そして、宇宙と交信するような声が聞こえてきて、この声が今回のツアーのテーマを伝えてくれる。それを聞いて、心の準備が整ったところで、いよいよライブが始まる。
SEが聞こえてきたら、オーディエンスはハンドクラップでメンバーをお出迎え。ニューアルバムの衣装に身を包んだ5人が舞台に揃ったところで、Nimo(Vo)が「出発するぞ!準備はいいか?」とフロアに合図を送り「SCANDALOUS」で本日の“STARDUST EXPRESS”が発車。
ライブではおなじみのこの曲は、みんなでタオルを勢いよく振り回すところが楽しい。次にこの日初披露となる「Labyrinth」のイントロが聴こえてくると、「これはとにかく頭!」とNimoがフリを解説。TSUKASA(Dr)のパワフルなドラムに合わせてoiコールを入れた後、SHUN.(Gt,DJ)とZERO(Ba)と一緒に全員で激しく頭を振る。
オープニングからエネルギッシュに飛ばした後、美しく切ないダークネスの扉が開いていく「Deeper Than Black〜闇色の翼〜」からライブの空気感が少しづつ変わり始める。「お前たちのいろんな表情を見せてくれ!」とNimoが叫んで「PERSONA」が放たれると、kazuya(Gt)が鳴らす妖しい音色のギターがオーディエンスのインナースペースへと滑り込み、“過去も未来も捨てて今をむさぼる”と歌うフレーズが脳内を刺激。 そうして「VOLCANATION」へとなだれ込み、ここではまずSHUN.が先陣をきってoiコールをフロアに起こす。そうして、とびきり抜け感の強いキャッチーなサビめがけて“後悔先に立たず 後にも立たず 自分を今解き放てよ”と歌うメッセージが放たれると、オーディエンスは彼らの音楽の力で気持ちよく自分を解放。それをステージから目撃していたNimoがすかさず「すげぇいい表情になってきたぞ」と笑顔でいい、リズム隊の人力ダンスビートが炸裂する「PARASITIC EMOTION」では手を左右に振りながら、肉体も解放していったTHE MICRO HEAD 4N’S。
「今回のツアーは“時間の旅”。そのなかで、なによりも“今”を楽しんでってください」とNimoが伝え、「SYNCOPATED LOVERS」からはミディアムテンポの曲で観客を魅了していく。王道のJ-POPメロで構成された「Vanilla」もNimoがロマンティックな声で歌えば不思議と切なさが倍増。「Vanilla」がもつ夏の匂い。その残り香を味わうかのように、曲が終わっても場内にはコオロギの鳴き声、和を感じさせるピアノのフレーズが静かに響く。TSUKASAが体の向きを変えてボンゴを叩きだし、ギター隊がユニゾンで切ないメロディーを奏で、このあとは楽器隊が夏の夜を表現したインスト曲をプレイ。 その後、Nimoが深いブレスを入れ“夜明けの空〜”とアカペラで歌い始めた「Nocturne」まで、中盤はサマーチューンを連続でアクト。真夏の夜が明けていく時間の移り変わりを楽曲でドラマチックに披露してみせた。
この後MCのコーナーが始まると、それまでのロマンチックなムードは一転。SHUN.が「暑い、暑い!」と真顔で叫び始めると、「一人だけ冬」と肩にファーがついた衣装をNimoに軽くつっこまれる。そんな2人の掛け合いで場内を和ませた後、SHUN.が「違うんだよ。さっきコオロギが鳴きだしたとき、このファーの中に黒い虫がいて(観客「えーっ!!」)。いたんだよ。だから俺、初めてやる曲だからスッゲェ緊張してたのに、緊張感そっちのけでギター弾きながらフーフー(←実践してみせる!)してたんだよ」と、信じられないようなとんでもないエピソードをぶち込むと、場内は大爆笑に包まれた。
そして、次は恒例のTHE MICRO HEAD 4N’Sエクササイズへ!「おさらいしとこうか」といったNimoが、ここで自ら提案しておきながらフリを2度も間違えるという失態を犯し、kazuyaが鋭い視線でNimoをチラ見。「今、すっごい怖い目で睨まれたから、もういくよ!」といって「MOON & BUTTERFLY」へ。曲が始まると、アゲアゲのダンスビートに合わせて、お客さんがNimo以上に完璧なフリを踊って(笑)フロア一体となって盛り上がる。EDMのイントロが流れ、“Are you ready?”とNimoがいい、フロント4人が一斉にジャンプして突入した「慟哭のGYPSY」でさらに勢いをつけ、そこから「REINCARNATION」へ。ギター隊が歌う“ウォーオーオーオーオー”のコーラスのシンガロングはたちまち観客たちにも広がり、「EARNEST GAME」ではフロアが激しいヘドバンで一つになる。さらにそこにシンセとギターリフが鳴り響く「MONSTER´S ROAR」で追い討ちをかけ、そうしてミラーボールが回る中「銀河鉄道の夜~STARDUST EXPRESS~」が始まると「みんなも一緒に歌って!」とNimoが叫び“ララ〜”の大合唱が場内いっぱいに広がっていった。
「ツアー初日。みんな表情が固いのかなって心配してたけど、全然そんなことなかったね。今回のツアーは、絶対に戻ってこない“今”を大切にしようというアルバムのツアーです。今日という大切な日を僕たちに使ってくれてありがとうございます。1日のどこかで、ちょっとだけでもみんなの背中を押せる。そんな音楽を作っていけたらと思ってます」 Nimoが静かに話し、最後にその思いを歌に託したバラード「INFINITE ∞ FUTURE」を大切に届けて、本編は終了。
アンコールに応えて、再び舞台に登場した彼らは、アルバムのなかでまだ演奏していなかったバラード「ナノメートルノスレチガイ」をしっとりと歌い上げ、そのあとは「REVERBERATIONS」でどこまでもフロアを煽り、「Curtain Call」、そしてラストの「SEVENTH COLOR」で手を左右に振りながらみんなを虹の彼方まで連れていった。そして「これから最高のツアーにしていくから。みんなしっかりついてきてよ!」Nimoが叫んで、ツアー初日のライブは幕を閉じた。 ツアーはまだまだ続いてくので、最新アルバムを聴いて、ぜひともTHE MICRO HEAD 4N’Sの“STARDUST EXPRESS”に乗車して、彼らと素敵な時間を旅しながら、“今”というその瞬間を楽しんでみてください。
SET LIST
M01.SCANDALOUS
M02.Labyrinth
M03.Deeper Than Black~闇色の翼~
M04.PERSONA
M05.VOLCANATION
M06.PARASITIC EMOTION
M07.SYNCOPATED LOVERS
M08.Vanilla
M09.Nocturne
M10.MOON & BUTTERFLY
M11.慟哭のGYPSY
M12.REINCARNATION
M13.EARNEST GAME
M14.MONSTER´S ROAR
M15.銀河鉄道の夜~STARDUST EXPRESS~
M16.INFINITE ∞ FUTURE
ENCORE
EN01.ナノメートルノスレチガイ
EN02.REVERBERATIONS
EN03.Curtain Call
EN04.SEVENTH COLOR