KREVA CONCERT TOUR 2017「TOTAL 908」
2017年2月3日(金) 戸田市文化会館
TEXT:兵庫慎司
PHOTO:curly_mads
怒濤の10周年イヤーを経て、ベストアルバム、シングルのリリースはあったが、4年振りのオリジナルアルバム「嘘と煩悩」を2月1日に発売、その2日後にスタートし、KREVAの誕生日でもある6月18日のTOKYO DOME CITY HALLまで続く全20本のリリース・ツアー『TOTAL 908』の初日、戸田市文化会館。
なので、セットリストに関しても、全体の構成に関しても、演出等に関しても、「ライブ中にこんなサプライズがありました」みたいなことに関しても、書けません。ネタバレになるので。じゃあレポすんなよ、という話ですが、年末にCOUNTDOWN JAPANでライブを観て「なんかすごいことになっている」と思い、『嘘と煩悩』を聴いて「うわあ、やっぱり」と思ったら初日を観たくなり、観たら期待以上にすげえライブで、なのでやっぱり書きたくなり……というわけなのでした。すみません。誰に謝っているのか。
ただ、これは書いてもいいだろうな、というのは、まず、KREVAのバックを努めるのは、キーボード柿崎洋一郎、ベース岡雄三、ドラム白根佳尚、MPC+DJ熊井吾郎に、ツアーでは初めてギター近田潔人が加わり、KREVA主催の音楽の祭り「908 FESTIVAL」ではお馴染みの「KREBand」のバンド編成でツアーが行われていること。
それから、初日にもかかわらず完全にパフォーマンスができあがっていたこと。
そして、何よりも、1本のショーとしての構成がすごかったこと。当然、『嘘と煩悩』からの曲はいっぱいやる上に、過去の人気曲やライブ・アンセムも多数プレイされる──ニュー・アルバムのタイトルである『嘘と煩悩』=嘘800+煩悩108=908=KREVA、つまりトータル908が詰まっているメニューなのだが、「この曲で始まってこの曲に続いて次はこの曲」という並べ方や、「この曲は×曲目、あの曲は◯曲目」という配置の仕方などが、もう絶妙というか「確かに!」とか「そうか!」などと言いたくなるというか、「きたあ!」といちいちうれしくなるというか。本人も「この曲順が大事」みたいなことをMCで言っていたので意識的なものなのだろうと思うが、確かにそのとおりだった。
曲順がいいくらいで何をそんなに興奮してんだ、と思われそうだが、このツアーを体験した方になら伝わると思う、これ。たとえば、いいDJのプレイってそういうもんでしょ?曲順とか流れが全体の出来を決めるでしょ?それを自分の曲と自分の肉体と自分のバンドを使って遂行している、そんな側面もあるライブだったのだ。
特に──何曲目でやったかは書かないが──『嘘と煩悩』のリード曲である「居場所」。この曲が始まってから終わるまでのカタルシス、本当にすごいもんだった。ゾクゾクきまくった。COUNTDOWN JAPAN 16/17で観ているので、免疫あったはずなのに。
あと、それから……こっちは曲名書くの遠慮しときますが、KREVAがその曲を書いた時のことも含めて僕が個人的に思い入れのある過去の某曲の時も、すんごいカタルシスだった。鳥肌モンでした、文字通り。
あともうひとつ。お客さんがやたら熱かったのも、なんだかとてもよかった。立見までギッチギチの満員の客席、開演前から「待ってた!」という空気一色で、ライブが始まると、1曲1曲に、そしてKREVAの一挙手一投足に歓声や声援が飛びまくる、すごくいいムードだった、終始。
観ておいた方がいいと思う、今のKREVAのライブは。
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