Sadie 21st Anniversary Live BLACK FUNERAL
2026年3月18日(水)Zepp Shinjuku(TOKYO)
LEDスクリーンに世界情勢を想起させる戦争のシーンが盛り込まれた映像が映し出され、漆黒の衣装で登場したSadieに大歓声。ライブはアルバム『COLDBLOOD』(2011年)に収録されているミドルチューン「慟哭」で幕を開けた。続いて投下されたのは景(Dr)のカウントで始まる彼らの代表曲のひとつ「迷彩」だ。剣(Gt)が前に出てメタリック且つメロディアスなギターを奏で、美月(Gt)が煽り、亜季(Ba)もセンターに置かれた台でプレイ。4人が集結するアクトが場内を熱くさせ、スモークがこれでもかとばかりに噴き出す演出の「心眼」ではゴリゴリにヘヴィなサウンドが叩きつけられた。スクリーンにフルリテイクされたMVが映し出された「Jealousy」ではキャッチーなメロディに艶を与える真緒の歌と演奏、曲の旋律を活かす美月のギターソロが今の Sadieの表現力を物語る。
「東京! 21stアニバーサリー<BLACK FUNERAL>にようこそ! 結成から21年、この想いを全て今日のステージにぶち込むんでよろしく!」
真緒が宣言し、本能直撃のナンバーが次々に爆音で放たれていく。場内のヘドバンも圧巻の「Rosario-ロザリオ-」、凶暴な美月のギターストロークで始まり、楽器陣のアンサンブル、デスボイスからハイトーンまで使い分ける真緒が舞うパフォーマンスで魅せた「Payment of vomiter」。ラウドでありながら Sadieの曲には神秘的な要素や情緒的な表現も垣間見え、切なさや怒りも含有したカオスを生み出していく。和の世界観とメタルコアの融合とも言える「斑-まだら-」や“静”と“動”が交錯する「嘆きの幸福」も映し出される映像も相まって、2026年現在の Sadieを提示していたように思う。
インターバルを挟んで2008年のシングル「Ice Romancer」では場内が明るくなり、 Sadieの中では比較的ストレートなアレンジのナンバーが解放へと導き、
真緒が「踊れ!東京!」と煽った「HOWLING」はR&Rとメタルコアのハイブリッドチューンの趣。美月と剣が向かい合ってプレイしたかと思うとポジションをチェンジするなど華やかなアクトが繰り広げられた。続く「DEAD END」
は日頃の憂鬱や鬱憤を木っ端微塵にしてくれそうな音の洪水が快感だ。
Zepp Shinjukuは燃え盛る空間になり、「サイコカルチャー」では淡々とした佇まいながら景のパワフルなドラムに呼応する、芯のあるビートを刻む亜季も前に出るアグレッシヴなアクト。場内の絶叫が響き渡る中、真緒は「誰ひとり欠けることなく生きてくれ!」「オマエたちの居場所はここだ!」と叫んだ。本編ラストは代表曲「陽炎」。場内にシンガロングが響き渡った。
衣装を含め王道ヴィジュアル系の美学を貫きながら、負の感情を生きるエネルギーへと昇華させていく姿は潔く、気骨が感じられるライブだった。
盛大な声援に迎えられてのアンコールでは真緒が感謝の言葉を述べ、メンバーそれぞれが21周年を迎えた心境を伝えた。
「こうやってみんなが祝いに来てくれて本当に嬉しいです。ここからの景色、最高です! Sadieはまたここからスタートするわけなので、みんながいつも愛をくれるぶん幸せを返すというか、人生の一歩を踏み出す力になれたかなと思っております。そういう後押しができるバンドにもっともっとなっていけたらいいと思っておりますので、これからもよろしくお願いします」(景)
「アンコールありがとう。周年に集まってくれて感謝してます」(亜季)
「周年になるといつも言ってることが一緒なんですけど、21年間、支えてくださってありがとうございます。8年半、お休みしてまして、諦めへんかったあんた達の勝ちでございます。その間、しつこく、しつこく待ってくださって本当にありがとうございます。そして8年半のそれぞれの旅路の中で出会ってくださって、Sadieを見に来てくださった新入りの皆様も本当にありがとうございます。出来上がったものに入るって怖いやん。でも、そんなの気にしないでください。ここから一緒に思い出作っていきましょう!」(美月)
「アンコール、ありがとう。(僕の)ギター、今、白でしょ。演奏中、黒い点々がついてて、どこからか闇が落ちてきてるのかなと指をパッと見たら、爪のところにめっちゃ血が出てたんです。見た瞬間、痛くなってきて。しかも「嘆きの幸福」の刻みの多い曲にーー。でも、楽しいです(笑)。ありがとうございます」
(剣)
「復活して、周年という一つの区切りを迎えることができて幸せです。そして何よりみんなと一緒にお互いに存在を証明しあって、歌って叫んで暴れてくれる時間が大好きなので、アンコールもしっかりついてきてください。よろしく!!」
(真緒)
つけ加えると本ライブの素晴らしい演出となった映像は全て美月によって制作されたもの。剣がライブ中に指を負傷したことを打ち明けた時にはメンバーが驚き、心配する様子からも Sadieの仲の良さが伝わってきた。
アンコールでは初期の曲を連続投下。「赤蝶々」に始まり、アンドロイドのようにクールな亜季が人格が豹変したようにマイクを持って煽りまくるのも見どころの怒濤の「妄想被虐性癖」で場内は興奮の坩堝と化し、最後はファンに向けたメッセージソングでもあり、Sadieの歴史を彩ってきた「a holy terrors」で締められ、真緒は「俺たちとお前たちでSadieだ!」と絶叫した。
終演後、真緒は21周年は区切りの悪い年かもしれないと前置きし、その年を
新しい未来を作る始まりと定義付けた。「BLACK FUNERAL」(黒の葬儀)と銘打たれた本ライブがその新たな一歩なのか、ひとつの区切りを意味するものなのかはわからないが、復活後、初めて5人で生み出したであろう新曲「悪の花」が9月に発表されること、今後も歩みを止めないことは彼らが既に新たな地図を描き出していることを意味する。初期衝動とバンドへの浪漫、そしてファンと共に突き抜けようとする熱量をそのままに復活した Sadieの未来は信念に貫かれたものになるに違いない。
SET LIST
01. 慟哭
02. 迷彩
03. ⼼眼
04. Jealousy
05. Rosario-ロザリオ-
06. Payment of vomiter
07. 斑-まだら-
08. 嘆きの幸福
09. Ice Romancer
10. HOWLING
11. DEAD END
12. クライモア
13. Grieving the dead soul
14. サイコカルチャー
15. 陽炎
ENCORE
01. ⾚蝶々
02. 妄想被虐性癖
03. a holy terrors












