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「『TOKYO ISLAND』に、ちょっと遅めのおやつの時間がやってまいりましたよ」(大澤淳史)と、サウンドチェック時に、いつものようにうまい棒を配ってから、「デリシャスティック」でスタートした打首獄門同好会。「この三連休、明日はスポーツの日だから」と「筋肉マイフレンド」を演奏、中盤の「スクワットタイム」で全員でスクワット。「今日の締めは、怪談があるそうです。怖い話かな、誰か死んじゃうのかな、やだな、怖いな」と稲川淳二の口調になってから「死亡フラグを立てないで」に入る。「去年よりは(動員が)増えている、採算の方は、今年は大丈夫なんでしょうか。鹿野さんに恵みがありますように」と心配してからの曲が「カモン栄一」。というふうに、いつものことながら、大澤会長、お達者である。
ラストは、「この季節、2025年いろいろあったあの食物の収穫を、みなさん心待ちにしていたのではないでしょうか?」ということで、「日本の米は世界一」だった。
打首獄門同好会 ©TOKYO ISLAND All Rights Reserved
「以心電信」と「ロコローション」、最初に大ヒット曲2曲で参加者を熱狂させたところで、HIROKIが「私たちは、ORANGE RANGEのライブを観るにあたり、突然知らない曲が始まっても、『以心電信』や『ロコローション』と同じテンションで楽しむことを、同じテンションで楽しむふりをすることを、全力で誓います」と宣誓させ、今年(2025年)リリースした2曲「マジで世界変えちゃう5秒前」と「裸足のチェッコリー」を連打する──というのが、今年のORANGE RANGEのフェス出演時の定番になっている。
で、どこのフェスでも、その宣誓も、その2曲も、すんごいウケている。この日も見事にそうだった。そこからメドレーをはさんでの「イケナイ太陽」と「上海ハニー」で締め。後者では、カチャーシーの意味を説明(喜びを分かち合うための踊り)した上でみんなに指南、あのハッピーな手の動きが、フィールドに広がった。
ORANGE RANGE ©TOKYO ISLAND All Rights Reserved
と、ここまで観てから、DJブースへ移動。『ピエール中野 & AVIOT presents トークライヴ』という催しを観るためだ。ピエール中野が開発した「ピヤホン」について、本人と、鹿野 淳と、ゲストの打首大澤会長の3人が語るというもの。このフェスの協賛のひとつにAVIOTが入っていることから組まれた企画だろう。
まあ初の試みだし、どんなもんかのぞいてみようか、ぐらいの気持ちで観たのだが。とてもおもしろかったのだ、これが。ミュージシャンにとって、レコーディングの場においての、あるいはライブの場のイヤモニとしての、ヘッドホン/イヤホンとはどういうものなのか。どうあることが必要で、どういうものだと困るのか、という視点から、「ピヤホン」の優れている点を会長が説明し、その構造や作りについて質問すると、ピエール中野が答える。で、話が専門的になると「それはどういう意味?」と鹿野 淳が問い、ふたりが解説し──というふうに、「知らなかった!」と「わかりやすい!」が連続していく会話だったのである。素直に「ピヤホン」、欲しくなりました。
そんな2日目のトリは、ISLAND STAGE・19:45〜の氣志團である。SEのバイクのエキゾーストノイズに、叶 亜樹良のドラムが絡み、團長(綾小路 翔)がバイクにまたがって現れ、アクセルを開閉してエキゾーストノイズでリズムを刻み、最初はドラムと、後半はバンド全員とセッションしていく──という、今年(2025年)の氣志團のツアーやフェスで、おなじみになっているオープニングだ。何度観てもシビれる。
「喧嘩上等」「房総魂」「スウィンギン・ニッポン」「萌え萌えROCK'N'ROLL」「恋人」と、前半で代表曲を固め撃ち。「萌え萌えROCK'N'ROLL」では「みんなで一緒に踊ろう、俺たちについて来て、簡単だから」と、後半全然簡単じゃないダンスを教える、という例のやつで、みんなを戸惑わせ、笑わせる。
「遂に来てしまった。『TOKYO ISLAND』、氣志團、初出場です」「フェスが大好きです。好きが大好き!」「俺たちはスピリチュアルじゃないけど、スピリット系です、魂燃やしていきます!」等々のMCをはさんで、「友よ」で感動を呼び、「One Night Carnival」と、メンバー全員楽器を置いて踊る「ジャンボリーカーニバル」で、オーディエンスを沸点まで導いて終了した。
なお、「スウィンギン・ニッポン」「萌え萌えROCK'N'ROLL」「恋人」「One Night Carnival」「ジャンボリーカーニバル」は、メドレー・サイズ、もしくはショート・バージョン。与えられた時間の中にありったけの情報量を、興奮を、感動を詰め込もうという、とても氣志團らしいステージだった。
氣志團 ©TOKYO ISLAND All Rights Reserved
氣志團 ©TOKYO ISLAND All Rights Reserved
その後の音楽花火は、ONE OK ROCKの「Wherever you are」。この日も見事なものだった。続くクロージングDJ、ピエール中野の1曲目は、昨日の最後の曲=「a fact of life」で、ラストの13曲目は嵐の「A・RA・SHI」。
DJ ピエール中野 ©TOKYO ISLAND All Rights Reserved
そして、打首の大澤会長も触れたように、この日はDJブースに21時25分から、怪談師のぁみが登壇。昨年に続き二度目の出演である。
「こんなにいっぱい、後ろの方までありがとうございます。みんな生きてる人ですよね?」というツカミでスタート。客席から悲鳴が上がるほど怖い怪談を、三話ほど披露する。
ぁみ ©TOKYO ISLAND All Rights Reserved
という、怪談師ぁみのパフォーマンスのすぐ後方では、andropの佐藤拓也が、この日限りのバーを限定オープン。集まったファンや、怪談帰りのキャンパーたちが、彼がプロデュースしたジン「YORI『OKAZAKI』」を楽しんだ。鹿野 淳も来店した。
なお、この開催2日目のみ、今年で4年目にして初めて、東京湾周辺の住民から、多数の騒音苦情が寄せられたことを、SNS等でご存知の方も多いと思う。主催者側はその検証と原因究明を音響実証などを含めてじっくり、そしてしっかり行っているとのこと。そのステートメントが発表されることを待ちたい。
3日目に続く。










