なすお☆、過去最大キャパのワンマンはソールドアウト!「私にとってここは世界で一番幸せな場所」ファンへ感謝を伝える

ライブレポート | 2024.10.24 19:00

後半戦は、なすお☆が初めてアニメのタイアップ曲を歌った「ハニージェットコースター」(「可愛いだけじゃない式守さん」OP曲)からスタート。イントロで「まだまだ行くよ! 東京!」と叫ぶと会場も「オイ! オイ!」と元気にペンライトを振る。アッパーなテンポで、Bメロの「あいしてる?」の頭文字をあいうえお作文のようにした歌詞では、「あ」から「く」までお客さんと声を合わせる。そしてサビ頭の「可愛い!」は会場から。途中のラップもクールにキメる。続く「ぼく、未来からきました。」もアップテンポにのって、10年後からやってきた猫型ロボットの妄想ストーリーをファルセットも使いながら伸びやかに歌う。リズムにのりながらもせつない歌詞と歌うなすお☆の表情を見ていると心にぐっとくる。歌い終わると「ありがとう」と言って優しい微笑みを浮かべた。

チケットが完売したことに感謝の言葉を述べた後、最初に出演したライブのお客さんは4人で、なすお☆を見に来たお客さんは0だったこと、初めての路上ライブや初の配信の日、初めてのCDを買ってくれた人など次々と想い出を振り返っていき、「私を見つけてくれて、好きになってくれて本当にありがとうございます」と涙声で頭を下げると温かい拍手が送られた。そのまま「みんながツライ時、苦しい時、どうしようもない時にあなたの涙を見つけられるような曲をいっぱい作って、いっぱい歌っていこうと思います。よろしくお願いします」と話してから「あなたを笑顔にします。「star line」」と紹介し、本編最後の曲へ。失恋の歌のはずなのにテンポが速く、「涙を隠して きみを笑顔にするから」のフレーズにシンガーソングライターとしてのなすお☆の想いを受け止めるような感覚、エモさに打たれる。

拍手とアンコールの声が鳴り響く中、途中から一人がある曲を歌い始めると、どんどん声が重なっていく。「あなたなら食べられてもいいわ」の歌い出しから元気になすお☆が登場し、「アンコールありがとう!」。アンコールで歌ってくれたことに「めちゃめちゃ聴こえてたよ。ありがとう」とお礼を述べると「もうちょっとみんなと楽しみたいです。いいですか?」と「シネマティックパレード」を披露。

とくみくすとりみーのユニット、ASOBI同盟を呼び込み。今度は二人共トレードマークのオーバーオール姿で登場し、「三人そろって、あそばない同盟で~す!」(なすお☆命名らしい)。実は10月に放送が始まったアニメ『合コンに行ったら女がいなかった話』で、なすお☆がOP曲、ASOBI同盟がED曲を担当するという夢のタッグが実現!(しかもOP曲&ED曲で1枚のCDに!) そこでこの2曲を3人で披露することに。まずED曲の「王様だーれだっ」から。デジタルとアナログが融合するクロスオーバーなオケで、歌い出しは言葉の速射砲のようなラップ、Bメロではとくみくすもりみーもワイルドに。「ダメダメだっだ ダメダメだっ」では両手の人差し指で×印を作って歌って楽しそう。「愛(ラブ)キュンキュン」のフレーズは中毒性が高い。続く「メリーゴーランドタイム」もにぎやかで、「party time! party time!」(パリタ! パリタ!)の連呼は耳に残るし、みんなで楽しめるパーティーチューン! お客さんもペンライトの上げ下げが忙しそう。言葉が続く譜割が厳しいパートもなすお☆は軽やかに、とくみくすとりみーがコーラスというのも豪華。歌いながら3人の笑みも止まらない。歌い終わると「すごかった!」となすお☆。

ステージ上でお客さんと両手で頭を包む王冠ポーズで記念撮影後、とくみくすとりみーを見送るったなすお☆が「みんなに見せたいものがあるんです」と取り出したのは空になったペットボトル。路上ライブをしていた時に初めてお客さんから差し入れでもらったお茶とのこと。「音楽をやりたくて、大阪に出てきたけどバンドもうまくいかないし、ソロで路上ライブをやっても全然立ち止まってもらえなくて。「音楽をあきらめたほうがいいのかな?」と思いながら機材を一人で片付けていたら、一人のお兄さんが声をかけて、このお茶を差し入れしてくれました。その日から捨てられなくて。今日のライブに持ってこようと事務所に行ったら捨てられそうになって(笑)。私にはめちゃめちゃ宝物で。みんながくれる言葉の一つひとつも宝物になっていくんです」と。そのまま客席を見渡し、「今日たくさんやっているライブの1つに過ぎないかもしれないけど、私にとってここは世界で一番幸せな場所でした。ありがとうございます」と頭を深々と下げるとまた温かい拍手や逆に「ありがとう」の声も。嬉しそうに見つめながら「これからも一つひとつのライブやみんなの言葉を忘れたくなくて。どうしても全部大事にしたくて。みんなも今日のライブを忘れないでほしいなと思います。またライブで会いましょう」。

最後に紹介したのはデビューシングルの「キャンバス」。「もう立ち上がること諦めていたあの日 ぼくを見て微笑むきみ」は想い出のペットボトルのエピソードにかぶり、「笑って きみの幸せがぼくの幸せ もう迷わない~君が道しるべ」はファンへのメッセージにも受け取れる。お客さんが振るペンライトが作る星の海を眺めながら、大切に想いを込めて歌い終わってライブの幕を閉じた。

YouTubeでの活動やショッピングセンターなどでのフリーライブをたくさん行ってきたためかお客さんとの距離感の近さに驚く。歌っているときも何度もステージの前に置いてあるサウンドモニターよりも前に立ったり、MCでもステージ前から奥まで関係なく話しかける。きっとより多くの人と繋がりたいという気持ちの表れだろう。今後、なすお☆はどんどん活躍するフィールドを広げていくだろう。しかし「なすプラネット」に集まった人たちを一人も置き去りにせずに進んでいくはず。「star line」=流星が美しい軌道を描きながら、ずっと遠い、まだ見ぬ先まで。

SET LIST

01. candy piece
02. 死ンデルラ
03. ドッキュン・パラダイス~恋する口裂け女~
04. やばい彼氏
05. 不思議な酔いどれ知らず
06. ヴィラン(とくみくす× なすお☆)
07. 忘れ物 (なすお☆ × とくみくす)
08. 絶対前世姉妹!兄弟! (なすお☆ × りみー)
09. この物語はフィクションです (りみー× なすお☆)
10. ハニージェットコースター
11. ぼく、未来からきました。
12. star line

ENCORE
01. シネマティックパレード
02. 王様だーれだっ (ASOBI同盟 × なすお☆)
03. メリーゴーランドタイム (なすお☆ × ASOBI同盟)
04. キャンバス

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