Appare! “8/16(金)武道館でも全力を出し切る!”ファンへ約束した『VS武道館』シリーズファイナル公演をレポート

ライブレポート | 2024.08.06 19:00

Appare!「VS武道館 其の五」
2024年7月29日(月)Zepp DiverCity(TOKYO)

8月16日(金)に日本武道館でのワンマンライブ『Appare!やったれ武道館〜玉ねぎいただきます!〜』を開催予定のAppare!。彼女たちが今年3月から開始したマンスリーライブ『VS武道館』の最終公演が7月29日(月)にZepp DiverCity(TOKYO)にて行われた。

『VS武道館』はSpotify O-Crest、渋谷WWW、Spotify O-WEST、LIQUIDROOMと毎月会場のキャパシティを広げ、各会場でチケットが完売した場合に新曲を披露するという日本武道館公演の成功を目指して企画されたもの。過去4公演はすべてソールドアウトを記録し、ファンとの結束を強めてきた。会場のキャパシティを急激に広げた最終日はメンバーの心意気がきらきらと眩しく、非常にエモーショナルな1日となった。

SEに乗せて朝比奈れい、永堀ゆめ、藤宮めい、七瀬れあ、藍井すず、工藤のか、橋本あみが登場すると、藍井のパワフルな煽りからキャッチーでアッパーな「絶対猛信デイドリーマー」でライブをスタートさせる。タオルを扱う夏曲「太陽 SUMMER!」では七瀬がウェーブを促し、「OSHIOSHIO」では各メンバーが曲中で“推しポイント”をアピール。早口の練習を盛り込んだ「特注オートクチュールダンス」ではフリップが登場するなど、観客を楽しませることに余念がない。キュートだけどパワフルで、キュートでありながらもユニーク。王道アイドルの“かわいい”を絶対的な軸にしつつもそれだけに収まらない、かわいいの可能性を広げ続けるパフォーマンスだ。

「Summer spit!」では観客から盛大にコールが起き、それに対してメンバーが笑顔で「もっとできるよー!」と呼びかけたシーンがあったが、これは彼女たちのスタンスをわかりやすく映し出した瞬間だったのではないだろうか。徹底的にポジティブであることを貫くステージパフォーマンスは、「Appare!」という名を掲げるグループに相応しい。

ハイテンションな5曲を立て続けに届けた後に7人が自己紹介と思い思いにこの日の意気込みを言葉にすると、七瀬が『VS武道館』シリーズで唯一この日のチケットをソールドアウトできなかったこと、清竜人の手掛けた新曲を披露できないことに触れる。「やるせない気持ちでいっぱいになったんですけど、このくやしさや悲しさは絶対に無駄にしたくないなと思っています」と言い、この日会場に足を運んだ観客に感謝を告げた。「みんなの顔を見たら、弱気になっていられないなと思いました」という七瀬の言葉に他6人も頷き、「今日も全力で届けることには変わりないもんね」「そうそう!」と笑顔を見せた。

朝比奈れい

橋本あみ

永堀ゆめ

藤宮めい

七瀬れあ

藍井すず

工藤のか

ここからは冒頭よりもスウィートな空気感を含んだ楽曲のセクションへ。「サビからはじまるyour song」は直前のMCの内容も相まってさらに観客への真摯なメッセージとして響き、純粋な思いが綴られた「好きだ、まじで!」ではさらに会場と気持ちをひとつにする。その後はダークな要素をキャッチーに取り込んだ「アイネクライネ幼き恋だね」、フューチャーベースナンバー「原宿サニーデイ」、アイドル活動にかける情熱的なメッセージを綴った「君の眼球越し救いたまえアイドルよ」と多彩なジャンルかつグループの活動方針やメンタリティが感じられる楽曲を立て続けに届けた。華やかなフォーメーションのダンスをしながら歌詞の一つひとつを噛み締めて歌う彼女たちの硬派な姿に、フロアも熱い視線を送った。

メンバーはMCでこれまでの『VS武道館』でファンに寄せ書きをしてもらっていた幕をバックドロップにしていたことに触れ、「これ(ファンからの熱いメッセージ)を背中に感じながらステージに立っている」「(メッセージの内容を)ずっと見ていたい」と充実感と感謝をあらわにする。そして『VS武道館』を振り返った橋本が「(ファンの)みんなの目がきらきらしていて。一緒に日本武道館を目指している感じがして、それがすごくうれしい」「不安もたくさんあったけど、武道館が楽しみになったのはみんながいてくれたおかげ」と目を輝かせながら語ると、メンバーもそれに共鳴した。

藤宮が「お前らー! そんなもんでいいと思ってんのかー!? もっと声出せー! ぜーんぶ出し切れー!」と持ち前のキュートボイスと笑顔で観客を煽ると、7人はラストスパートをかける。ポップナンバー「未体験Be Alright!」ではシンガロングが起き、メンバー自身を鼓舞するような歌詞が印象的な「I YOU WE OUR」でさらに7人の熱気とキレは増す一方だ。その後も「アッパライナ」「アガレ!」「決勝戦はエブリデー」とエネルギー漲る荒波のような楽曲をたたみかけるも、それに振り落とされることなく乗りこなす姿は圧巻だった。7人全員が極限の集中状態に入ったステージは、晴ればれとした凛々しさに溢れていた。

藤宮めい

橋本あみ

工藤のか

永堀が「ここまでつないできて、みんなで歩んできた“VS武道館”も次で最後の曲です。ここからまた強くなって、次は武道館で会いましょう! 心を込めて歌います」と告げ、最後に披露したのは「希望のヒカリ」。小細工なしでまっすぐ観客と向き合う7人の様子は、武道館で再会して一緒に最高の景色を作ろうとこちらに呼びかけるようだった。

永堀ゆめ

七瀬れあ

全16曲のパフォーマンスを終えた7人がステージ前に集まると、藍井が「みんなの力があるからわたしたちは日本武道館に向けて頑張ってこれたし、武道館でもみんなのおかげで全力を出せるんじゃないかと思います。不安ももちろんあるけど、みんなが自信をくれたから今は楽しみのほうが大きいです。8月16日(金)に笑顔でお会いできることをすごく楽しみにしています。どんな人とも一緒に最高の時間を過ごしたいと思っています!」、七瀬が「“VS武道館”の回数を重ねるごとに自分たちの(日本武道館やファンに対する)気持ちも大きくなりました。まだまだ足りないけれど、さらなる輝きを増して8月16日(金)に武道館に立ちたいと思っています」とメンバーを代表して挨拶をした。そして日本武道館公演のタイトル『玉ねぎいただきます!』と掛けて、観客と「玉ねぎー!」「食べるぞー!」のコールアンドレスポンスで全5回にわたる『VS武道館』を締めくくった。

藍井すず

だがまだ『VS武道館』には重要な催しが残っている。其の一では橋本と永堀、其の二では七瀬、其の三では工藤、其の四では藤宮と藍井が、ライブの最後に「武道館への思い」をテーマにしたためた手紙を読み上げていた。残すはグループ唯一のオリジナルメンバーである朝比奈。彼女は手紙を持ち、スポットライトに照らされたステージへと単身舞い戻った。

朝比奈れい

朝比奈の手紙には、8年間にわたるアイドルにかける真剣な思いが言葉の一つひとつに詰まっていた。時折涙で声を震わせたり、言葉に詰まりながらも一言一言しっかりと自分の思いを伝える姿からは、彼女がたくさんの壁にぶつかりながらもしっかりと自分の頭で考えるだけでなく、周囲の人間とじっくりと対話をするなかで、自分自身やメンバー、ファンと向き合ってきたことがうかがえた。それは朝比奈に限らずメンバー全員に共通しているであろうと、SNSにアップされている他メンバーの手紙を読みながら思う。『VS武道館』を通して、日本武道館への思いをさらに強くしたAppare!は、武道館でファンとどんな景色を作るのか。日本武道館のステージに立った7人には、それぞれどのような気持ちが生まれるのか。その答えは8月16日(金)に明らかになる。

SET LIST

01. 絶対猛信デイドリーマー
02. 太陽 SUMMER!
03. OSHIOSHIO
04. 特注オートクチュールダンス
05. Summer spit!
06. サビからはじまるyour song
07. 好きだ、まじで!
08. アイネクライネ幼き恋だね
09. 原宿サニーデイ
10. 君の眼球越し救いたまえアイドルよ
11. 未体験Be Alright!
12. I YOU WE OUR
13. アッパライナ
14. アガレ!
15. 決勝戦はエブリデー
16. 希望のヒカリ

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