最初から最後までクラップ、ジャンプ、シンガロング、歓声が起こっていたので１つ１つには触れないが、裏を返せば、どの曲も一緒に歌いたくなるような歌詞とメロディを湛えており、自然と拳と声をあげたくなるくらいパワフルでアンセミックなバンドサウンドを生み出していた証左でもあるだろう。「ダスリングスープ」「Roller Coaster」「88 ROYAL SKA」という流れではギターとベースが曲を加速させており、生々しいダイナミズムを発揮していた。
また、点滅する照明に合わせてオーディエンスが手をあげて歌った「少年と白い犬」では、UQUIがオーディエンスに向けて「かっこよ」と呟くシーンもあり、UQUIが鍵盤ハーモニカを手に、「7年ってなんだろうね。それぞれにいいことも悪いこともあって、みんなが壁を乗り越えてきて。いろんなことがあっても、今日に繋がっていると思ってる方が幸せじゃないか。今日、この1日のために全てがあったとしたら、すごくミラクルで、とても素敵だな。嬉しいな。みんな、今日、来てくれてありがとう。喜びも悲しみも全部がみんなのスパイスになりますように」という言葉に導かれた「SPICE!」では会場が揺れるほどの大合唱となった。そして、「80」のコール＆レスポンスによってさらにヴォルテージが上がったところで、テナーサックス、トランペット、トロンボーンのホーン隊を迎え、ハレアコの10年とMuvidatの7年で得た音楽的な充実もしっかりと体現してみせた。そう、楽曲は確かに過去にリリースした懐かしいものではあるが、この日、鳴らされた音は間違いなく現在進行形の今しか出せない音だという実感があった。
新生SHAKALABBITSのバックドロップを背にしたUQUIは「この4人で復活ワンマンじゃん。今日がはじまりだけど、ずっとやってきた感じがします。そう思えたことが嬉しい。みんなが懐かしむ気持ちは正しいけど、私たちにとっては懐かしむのではなく、今、響いてる、今の歌だなと思います。だからこそ、前に進めるし、この先も響かせることができる」と胸を張った。そして、改めて、バンドメンバーや応援してくれてるファンへの感謝と愛を伝え、「終わらない旅を続けていきましょう」という言葉の後で、「ポビーとディンガン」「星空の下で」をみんなで一緒に歌い上げ、25年前からのライブのキラーチューン「ROLLIE」からIKKEがジャンプしすぎて転ぶほどの盛り上がりとなった「Pivot」を経て、同じく名盤『CLUTCH』収録の人気曲「G☆S☆G」で＜きっと辿り着ける／ここにおいで＞というフレーズをオーデェンスと共有し、狂乱の復活ライブを終えた。
アンコールの「Ladybug」ではレインボーカラーに包まれたフロアで全員で飛んだ後、「MONSTER TREE」の前奏でオーディエンスが肩を組んで、フロアに二つの大きな円が出来、この日、最大と言っていい大合唱が起こり、それぞれが持参した紙吹雪が舞った。この光景は、何度見ても感動する。フロアを満たす親密な空気とハッピーなヴァイブレーションが極まったクライマックスだった。心を込めて歌い切ったUQUIは「素晴らしいな、みんな。生きていてくれてありがとう。頑張って生きていてよかったなと思います。これからもお互いに良い存在で思い合えたらいいなと本気で思います。これからも、みんなとワクワクしたいです。遊びたいです。このSHAKALABBITSをどうぞよろしくお願いします」とメッセージを送り、次なるツアー「SHAKALABBITS LIVE TOUR 2024 "BACK IN THE SODA!”」へと繋がる「Soda」でオーディエンスのジャンプを誘発し、楽しさに満ちた最高のショウは汗と笑顔を残して幕を閉じた。
SET LIST
01. SADISTIC AURORA SHOW
02. Can't escape the chocolate syrup
03. マッシュルームキャットナンバープレート
04. GO
05. SO EXCITED!
06. That thing you do!
07. head-scissors
08. ダズリングスープ～spicy made～
09. Roller Coaster
10. 88 ROYAL SKA
11. 少年と白い犬
12. SPICE!
13. 80
14. 神ノ街シアター
15. Jammin’
16. COMEBACK ANYTIME
17.「ポビーとディンガン」
18. 星空の下で
19. ROLLIE
20. Pivot
21. G☆S☆G
ENCORE
01.Ladybug
02.MONSTER TREE
03.Soda
