ここまで主におもしろポイントについて触れてしまったので、すごくカッコよかったところについても話をしたい。まず、3曲目「おどりゃんせ」のパフォーマンス中のこと。曲中、ステージ上段の上手と下手からステージ中央に向かって歩いていくテオくんと☆イニ☆。彼らがすれ違ったのは、なんとステージのぴたりど真ん中。おそらくこれは偶然ではない。歩き出しのタイミング、歩幅、スピード、すべてが一緒でないとこうはいかない。お祭りソングに見せかけながら、実は緻密。非常に細かいところではあるが、こういったことまで決しておろそかにしない姿勢が、技術面においても諸手を挙げて絶賛できるハイクオリティなライブにつながっているんだと思う。
もうひとつ印象的だったのは、アンコールで1階席の通路を歩きながら披露した「everyDAY」。通路側にいる観客と次々とハイタッチしていくサービス精神にも驚いたが、歌唱後に「見えづらくてごめんね」と2階席と3階席の観客にもさり気なく気を配ったテオくんの一言、これには感心した。視野が広いし、ファンの心情がよくわかっている。
ということで、徹底的に計算を重ねたパフォーマンスを繰り広げつつ、ファンへの感謝も忘れないスカイピースのツアーセミファイナルは、文句のつけようのない時間となった。2時間弱の間、アイドル、王子様、ロックスター……と2人はコロコロと表情を変えながら、最終的には近所のお兄ちゃん的なマインドで会場全体をひとつにした。4月に予定されている日本武道館公演も大成功の画しか浮かばない。それぐらい今のスカイピースは強い。