ニューロティカが熱く暑い夏の始まりを宣言!お祭り騒ぎな一夜となった31年ぶりの日比谷野音をレポート!

ライブレポート | 2022.07.22 12:00

ニューロティカ「野音deロティカ」
2022年7月17日(日) 日比谷野外大音楽堂

今年1月、結成38年目にして初となる日本武道館ワンマンを大成功。ボーカルのあっちゃんは“武道館に立ったお菓子屋さん”として多くのメディアにも取り上げられ、いい波乗ってるニューロティカが、7月17日(日)東京・日比谷野外大音楽堂にて、ワンマンライブ『野音deロティカ』を開催した。“音楽の聖地”と呼ばれ、キャロルにRCサクセション、ARB、THE MODS、ザ・ブルーハーツ、尾崎豊など、多くのアーティストが伝説のライブを作ってきた日比谷野音で、ロティカがワンマンライブを行うのは31年ぶり! 雨予報をぶっ飛ばし、晴れやかな空の下でスタートした野音ワンマンは、現在のロティカの勢いをしっかり見せつけ、熱く暑い夏の始まりを宣言する、お祭り騒ぎな一夜となった。

開演前、客席には日比谷公園を抜ける心地よい風に吹かれながら、穏やかににこやかに開演を待つたくさんの観客の姿。ロティカの野音での勇姿を見届けるべく、そしてロティカと一緒に今年の夏をスタートするべく、全国から集まったロティカアミーゴたちの期待が大いに高まる中、SEが鳴りメンバーが登場。カラフルな旗でデコレーションされた、サーカス調のステージセットも楽しい野音のステージに飛び出したあっちゃんが、「俺達がニューロティカだ!」と宣言すると、1曲目「HIGH-RI-HOO CARNIVAL」でライブが始まる!

アルバム『よっしゃ、よっしゃ、よっしゃーぁ』(90年)収録、31年前の野音でもオープニングナンバーを飾ったこの曲で、♪ハイリハイリホー!と勢いづけると、「夏!」「シ○ナー?」「お~~い!」の掛け合いで、間髪入れずに始まった曲は、これまた初期の名曲「夏・NANCY・16才」。31年前の野音にも来た人がどれだけいるか分からないが、ロティカを長く愛し続けているファンにはたまらない展開に、熱心なファンから大きな拍手が起きる! 指を突き上げて手振りを合わせ、南国ビートに楽しく体を揺らしていると、RYOが「俺達まだまだ、普通のおじさんにはなれないぜーっ!」と野音で行われたキャンディーズの解散公演をオマージュしたシャウトを決める。だはは、いま令和だぞ!(笑)。

さらに「夏・渚・17才」、「太陽族」と熱いサマーチューンが続いた前半戦。「夏・渚・17才」では、ハッピ姿の四星球がサーフボードを背負って登場して、<やらせてやらせて>と歌うあっちゃんを神輿のように担いで回る。「俺達が太陽族だ!」と始まった「太陽族」は激しく疾走感ある演奏とパワフルなボーカルで、否応無しに会場をブチアゲる。アツイぜ、暑いぜ、熱いぜ!

テンション全開、やりたい放題の前半戦を駆け抜け、「やりたいことをやってたら、ここ、日比谷野外大音楽堂に立ってたぞ!」と叫んだあっちゃん。「なに、『言ったった!』みたいな顔してんの?」とカタルにツッコまれながらも、「日本インディーズ代表、ニューロティカ! ライブハウス日比谷野外大音楽堂へようこそ!!」と力強く告げると、観客から大きな拍手が起きる。「好きなことをやってたら38年経ってました。色々あったけど、そんな時に俺達を救ってくれた曲がこの曲です」と始まった曲は、「絶体絶命のピンチに尻尾を高く上げろ!」。もっともっとのニューロティカコールで、広い会場がひとつになる。

31年ぶりの野音と簡単に言うけど、このステージに再び立つまでの道のりには幾多の困難があったはず。そして、そんな時も尻尾を高く上げ続け、今日のステージがあると思うと、本当に凄いことだと思うし、そんなことを考えると、あっちゃんがおちゃらけてる姿を見るだけで勇気と力が湧いてくる。ここから「TOKYO CHATTERLEY」、「憧れのRock'n Roll航路」と続いた、ライブで聴くのは珍しい初期楽曲の選曲には、昔を懐かしむだけではない、あっちゃんの様々な想いが込められていた気がする。

カタルがボーカルを取り、楽器隊3人で「風の中のロックンロール」をクールに決めると、ステージがたくさんのスイカで埋め尽くされ、スイカマンが登場! 客席をペンライトの緑の光が埋め尽くす中、はしゃぐスイカマンがいつも以上にハイテンションなパフォーマンスを見せると、お約束のクラッカーを鳴らし、ステージにド派手にスモークが上がる!この演出はスタッフがメンバーに内緒で31年前の野音と同じように演奏が止まっちゃうくらいのスモークを仕込んだそう。流石に演奏は止まらなかったけど(笑)。 続く「あっちゃん音頭」は、ナボのドラムとRYOの太鼓が鳴らす陽気な祭囃子と観客の手拍子に乗せて、“あっちゃん好き好き隊”を引き連れたあっちゃんが「めちゃくちゃ気持ちいい!」とご機嫌で歌い踊る。さらに♪祭囃子が聴こえてきたぜ!と始まる、「シェリーは祭りが大好き」で、ワッショイ! ワッショイ! と煽ると、野音はまさにお祭り騒ぎの大盛り上がり!!

ライブハウスへの想いを語ったMCでは、「上手くいかないこと、辛いことがあったら、新宿ロフトに来いよ。ニューロティカが朝まで呑んでやるから。俺たちもそうだけど、ニューロティカファンの帰る場所はライブハウスです」とちょっぴり真面目に語り、言葉と想いを一人ひとりに届けるように、バラードソング「「手紙Ⅱ」」を披露。続いてナボのビートに手拍子を合わせる観客に、「手拍子で合わせる曲なんてないよね? そうです、これがニューロティカの新しいデビュー曲です!」というあっちゃんに、「ん? 新しいデビュー曲ってどういうこと!?」とカタルがツッコんで始まったのは、野音に向けて作ったライブ初公開の最新曲「涙腺グルグル」。

ロティカ節全開の疾走感ある曲調にグルグルグルグルの印象的なフレーズ、そして♪グルグルGO!の掛け声が痛快な「涙腺グルグル」に観客が拳を突き上げ、初披露とは思えない盛り上がりを見せると、タオル回しで野音に突風を起こした「気持ちいっぱいビンビンビン!!」、あっちゃんのいらない暴露話でメンバー全員がはずかしめられた「ロックン・ロール風俗Part2」、会場中の♪チョイス!ジャンプで野音が揺れた「チョイスで会おうぜ」とライブ定番曲が続き、クライマックスのような盛り上がりを見せた中盤戦。「明日、みんな来てくれるっていうから、ふじやを何時から開けようか、悩んでるんだけど……」と武道館にも野音にも立ったお菓子屋さんがどうでもいいMCを挟み、すっかり陽の暮れた会場をブルーのペンライトの光が美しく照らし、「悲しきピエロ」で終盤戦がスタート。

「いい男になろうぜ、いい女になろうぜ! この想い、天まで届け!!」と空に叫び、突き上げるビートで観客をブチアゲた「ア・イ・キ・タ」、スモークとCO2ジェットガンという野音ならではの演出でド派手に披露した「DRINKIN' BOYS」と続き、最高潮の盛り上がりを見せると、RYOの哀愁をまとった渾身のギターイントロから始まったのは「飾らないままに」。<譲れない自分の 意志を心のまま貫いて 変わらないまま生きて行く>と、31年ぶりの野音に改めて誓うと、本編ラストはここからさらに突き進む意志と覚悟を全員ボーカルで歌う「やっちゃえ!」でパワフルにフィニッシュ! ニューロティカ31年ぶりの野音ワンマンは、あの頃の思い出と重なるような楽曲や演出も織り交ぜながら、「いまが一番カッコいいし、いまが一番楽しい!」と新旧ファンを納得させる、ロティカの最新型をしっかりと見せつけてくれた。

「本当に今日は素敵な景色を見せてくれて、ありがとうございます!」と始まったアンコールでは、「さっきから虫がすごいんだよな……あ、セミだ!」とセミを捕まえて夜空に放す、無邪気な姿で笑わせながら、「今度は一緒に、もっと素敵な新しい景色を作ろうじゃありませんか!」とファンと約束したあっちゃん。「またお前らと会うために、この歌を!」と始まった「嘘になっちまうぜ」、「生きて生きて生き抜くんだ!」と熱いメッセージを込めた「永遠ピエロ」を熱唱すると、アンコールラストは「会えて良かったね、野音やって良かったね。最高だよ! ひとりもんの俺はよ、これからもお前達のために歌うぜ!」と喜びと感謝の言葉を告げ、「みんなの幸せのために、世界の平和のために、この歌を」と始まった「俺達いつでもロックバカ」。気持ちいっぱいの歌と演奏を届け、優しさと多幸感溢れる中、「お前ら最高だ! 日比谷野外大音楽堂がすげぇんじゃねぇんだよ! ニューロティカがすげぇんじゃねぇんだよ! お前らがすごいんだよ!」とあっちゃんが叫ぶと、大きな拍手が会場を包み、大団円で野音ワンマンをフィニッシュ。万感の想いで見届けた武道館もめちゃくちゃ良かったけど、ただひたすらに楽しくハッピーだった野音も実にニューロティカらしく、最高のライブだった。

終演後、来年頭までのなかなかな本数のライブ予定を発表したニューロティカ。この原稿を書きながら調べ物をしていたら、アルバム『がむしゃら』の帯に、「一生青春。俺たちはいつでもここにいる」と書かれてたのを見つけたが。あの頃だっていまだって、ライブハウスに行けば、いつでも変わらぬニューロティカが待っててくれるのだ。やりたいことをやり続けて、みんなからもらった愛を日本中にバラまくニューロティカの旅はまだまだ続く。野音に来れなかったロティカアミーゴはぜひ予定を合わせて、ライブハウスにロティカに会いに行って欲しい。

SET LIST

01. HIGH-RI-HOO CARNIVAL
02. 夏・NANCY・16才
03. 夏・渚・17歳
04. 太陽族
05. 絶対絶命のピンチに尻尾を高く上げろ!
06. TOKYO CHATTERLEY
07. 憧れのRock'n Roll航路
08. 風の中のロックンロール
09. 夏・スイカ・27才
10. 打ち上げ音頭~A.Iカンパニー~
11. シェリーは祭りが大好き
12. 「手紙 II」
13. 涙腺グルグル(新曲)
14. 気持ちいっぱいビンビンビン!!
15. ロックンロール風俗Part2
16. チョイスで会おうぜ
17. 悲しきピエロ
18. ア・イ・キ・タ
19. DRINKIN' BOYS
20. 飾らないままに
21. やっちゃえ!

ENCORE
01. 嘘になっちまうぜ
02. 永遠ピエロ
03. 俺達いつでもロックバカ

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