生ライブの感動と興奮!Saucy Dogワンマンツアー “We will take you” 初日をレポート!

ライブレポート | 2020.10.01 18:00

Saucy Dogワンマンツアー “We will take you”
2020年9月22日(火・祝)KT Zepp Yokohama

演奏曲を一部掲載しております。これからライブ参加でネタバレが気になる方は、ライブ参加後にお読みください。

2020年9月22日(火・祝)、KT Zepp Yokohamaで、Saucy Dogがライブを行った。9月2日にリリースされた4作目のミニ・アルバム『テイクミー』の全9本のリリース・ツアーの初日で、配信ライブと8月29日の大阪のフェス『RUSH BALL』の出演はあったが、Saucy Dogの公演として、客前でステージに立つのは、昨年11月28日のZepp TOKYO以来である。

KT Zepp Yokohamaは、今年3月7日にオープンした新しいライブハウス。他のZeppと同じく、本来は1階はオールスタンディングだが、当日は座席が並べられ、お客さんは1席飛ばしで入場、元から座席がある2階も1席飛ばし。マスク着用、大声での歓声はNG、ただしスタンディングでの観覧はOK、終演後は規制退場──と、開演前にアナウンスが流れる。ステージ前のセキュリティも、カメラマンも、フェイスシールドを装着。現在の社会状況の中、決行を決めたライブだけあって、感染予防のための工夫が、細部にまで徹底されている。

客電が落ちてSEが流れ、オーディエンスが一斉に立ち上がると、まずドラムのせと ゆいか、続いてベースの秋澤 和貴が登場して挨拶、少し空いてからボーカル&ギターの石原 慎也が現れ、いっそう大きくなった拍手の中、ライブがスタートする。

「結」や「BLUE」等、『テイクミー』収録曲を披露。「雀ノ欠伸」や「ゴーストバスター」といった前作『ブルーピリオド』からの曲や、前々作『サラダデイズ』の曲、そのさらに前の『カントリーロード』からの曲もプレイされていく。

それぞれの楽器の音が、とても大きく、かつ角がクリアに立っている感触で耳に届くのは、オーディエンスの数が、コロナ禍ではない場合の半分以下に抑えられているからだろうか(※人間の身体は音を吸うので、ライブの音ってそこにいる人数にけっこう左右されるものなんです)。それとも、ツアー初日とは思えないほど仕上がっている、3人の演奏と歌の力が、音をそう響かせているんだろうか。
たぶんその両方だろうな、とか思いながら観ていたが、やはり初日ならではのプレッシャーはあったようで、Saucy Dogのワンマンでは恒例のアコースティック・コーナーに入るところで、せと ゆいかが「……いちばんイヤなタームです」と、本音を漏らしたりする。

あと、ステージから見るお客さんの数も状態も、いつもとは違うことと、有観客ライブから遠ざかっていたことゆえの緊張もあったようで、お客さんに「どこから来たの?」と問いかけるMC(これも恒例)をしようとした石原 慎也が「……これ、どうやって訊いてたっけ?」とメンバーに尋ねるシーンもあった。

とはいえ、久々にオーディエンスの前でライブをやれるバンドの側も、久々にSaucy Dogのライブを生で観られるオーディエンスの側も、うれしくないわけはなく、なんともいえない感動や興奮が、ステージとフロアの間を飛び交っているのを感じ取れる瞬間が何度もあった、そんな時間でもあった。お客さんが歓声を挙げられなくてもどかしい分、より切実にそれが伝わってきた、とまで言ってもいいかもしれない。

何度も曲に合わせてハンドクラップが湧き起こった。曲終わりのたびに3人を包む拍手は、キャパの半分以下の人数しかいないことが信じられないほど、大きく響く。

途中のMCで、石原 慎也、「どれくらい経った? え、1時間? 20分ぐらいじゃない?」。実際は1時間でもなくて、1時間15分くらいだったのだが、体感としては、そんなふうに、あっという間だったのだろう。
「ほんとに開催できてよかったです」というせと ゆいかの言葉にも、「この日を楽しみに僕たちはやってきたので、とても感慨深いです」という秋澤 和貴の言葉にも、とても実感がこもっていた。

曲に入る前に「ほんとはみんなと一緒に歌いたかったんですが」と、何度も口にしていた石原 慎也は、「みんなの分まで僕が歌うんで、心の中で一緒に歌いましょう」と伝えてから、本編ラストの曲を歌った。「心を込めて歌った」という形容では弱い、「魂をマイクに注ぎ込むように歌った」くらいの歌いっぷりだった。

アンコールのMCでは、既に発表されているSaucy Dog初の日本武道館の公演について、改めて触れられた。2021年2月5日(金)はワンマン、2月6日(土)はゲストを迎えての対バンイベントとして開催される。
その時期の国内のコロナ禍がどうなっているかはまだわからないが、状況に合わせて最大の配慮を持って、開催に臨むという。

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